2006/09/29

森の生活事情

 私の家は森の中の突き当たりにあるので新聞配達がありません。毎朝、森の入り口まで出て集配箱の中に入っている自分の新聞を取りに行かねばなりません。マア、それが良い毎朝の散歩になるのですが、今年の初めまでは相棒の犬が一緒だったので散歩のついでに取りに行っていたのですが相棒を亡くしてしまったので今は新聞を取りに行くだけの為に出掛けています。

 今朝も森の中を歩いていたら風も無いのに木の上の梢が揺れています。「ハハ~」と思って音のするあたりをジット目を凝らして見ていたら、いたいた、太い幹の辺りに爪をひっかけてリスが忙しそうに上り下りしています。そろそろ木の実がたわわに実を付け始めたので彼等も忙しそうです。

 昨日は休みだったので家で生ゴミを処分するコーンポスト(田舎では生ゴミをこの土に半分埋めたプラスチックの容器に入れて発酵させて再利用するのです)が一杯になってしまったので別に新しい穴を掘って移し変えていました。いつもこの作業を始めると何処からとも無くカラスが寄ってきて近くの木の上でジット私の作業を見詰めています。そしてなにやら騒がしく鳴き始めます。どうやら仲間に知らせているらしいのです。しかし、毎度の事なのでカラス達には悪いのですが掘り返されないようにしっかり埋め戻して上に枝や石を載せてしまうので彼等はご馳走にあり付けないのです。しかし、夜になるとキツネ達が寄ってくるので彼等は必死で穴を掘ってほじくり返してしまうのでそうするとカラス達も御裾分けにあずかれると言う訳です。

 どうやら森の中の私達の暮らしそのものも森の動物達の日常と深く関わっているようです。しかし、最近は山梨の市街地でも熊が出るようになったので熊だけはちょっと遠慮したいなと思っております。朝、起きて1階に降りたら熊が冷蔵庫を開けてたなんて事になりかねない環境なのでまんざら起こらないとは言い切れないな~と思ったりしています。鹿くらいならまだ良いのですが番犬がいなくなってしまったのでちょっと心配です。

 最近、夜、帰宅途中の森の入り口付近でウサギを良く見かける様になりました。あまりウサギは見掛けなかったので変だな?と思っていたのですがその姿はピョコタンピョコタンとお尻をフリフリゆっくりおっとり動いていて何となく野生を感じなかったのです。そしたら先日、女房が「何だか近くの家で飼ってたウサギが逃げてしまったらしいよ」という話を聞きアッ!と思い出し、そうかきっとあいつだなと今では信じています。その後、捕まったという話は聞かないのでどうなったでしょうかね?

 八ヶ岳は朝方摂氏10度近くまで下がるようになり朝、散歩してるとちょっと冷たく身が引き締まるような気分です。森はこれから美しい紅葉の季節を迎えます。落ち葉の処分は大変ですが遠くから見るにはこの上も無く美しい色模様です。何の変哲もない森の暮らしの日常ですが何となく豊かな気分になれるのもこの季節のなせるわざでしょうか・・・

2006/09/24

古民家

Kominnka 先日、地酒の蔵元「谷桜」さんの蔵に併設されているギャラリーで古民家の催しが開かれました。私の事務所がある北杜市大泉町には谷戸地区という古民家群があり明治から昭和初期に建てられた築100年程度の住宅群が美しい町並みを形成しています。2年程前からこれらの古民家群の調査を私も会員となっている景観の会が県から委託されて実施した経緯から今回、この調査の結果を多くの人に知って貰うと共に実際にこれらの古民家に住んでおられる方や古民家を再生した方達にパネラーとなって古民家に住むという事についてその実態や苦労話をして頂きました。

 実際にこれらの古民家を所有しておられる方は当然、地元の方ですが2代目、3代目の方達は普段は別のところに住んでおられて週末や休暇の時に帰ってこられて維持しておられる方やあるいは親から引き継いだものの痛みがひどくて一旦解体した上で再生して立派に暮らして居られる方などその形態は様々です。

 これらの方達の話を聞いていて何となく肩から力が抜けてホッとした気持ちに私はなってしまいました。それは何故かというと普段、建築の仕事をしている関係から普段はお客様との打ち合わせや役所の申請関係の話を聞く事が多いのですが現代住宅の取り巻かれている環境はやれ高気密・高断熱だのオール電化住宅だのがもてはやされており私は普段から何となく「違うんじゃないかな~」と思い続けていたのですが、何が違うかというと「住む」という事と自然との共存という事とがかけ離れてきているような気がしているからなんです。東京のど真ん中に住むのなら分ります。でも八ヶ岳のこんなに自然溢れるところに何故、高気密・オール電化なのかな~と思っていたからかも知れません。誤解を招かないように言いますが私はこれらが悪いといっているわけでは有りませんので念の為・・・

 古民家に住む方達の話は何の気負いもなく要約すると次のようなものでした。

1、とにかく冬は寒い、寒くてたまらん。昔は冬の朝おきたら口の周りに霜がついていたり雪が吹き込んでいたりするのは当たり前だった。でも今は冬があんまり寒くなくなったので我慢できるようになった。寒いところに住むんだから寒さになれるしか無いと言われた。

2、雨漏りはするし茅葺を直すと家一軒くらい簡単に立つほど費用がかかるので取り合えス穴の開いたところを塞いでいる。それでも親から引き継いだ大切な家を壊す気にはなれないんだよね。

3、150年経った古民家を決心して再生に取り組む事にした。先ず、5年かけて県内の古民家をかたっぱしから覗いて勉強した。その上でどういう風に再生すれば良いか実際に古民家に住んでいる人に話を聞いてひとつひとつ決めていった。解体工事が始まった時は不安そうな顔をしていた親が立派に再生した家を見たら凄く喜んでくれてそれが一番嬉しかった。再生で一番こだわった所はとにかく躯体はいじらない事にした。基礎も昔の束石は絶対動かさないでくれと頼んだ、これがあるから地震があっても生き残ってきたと言われた。それと断熱はしっかりやり直したね。

 こんな調子でした。4人のパネラーの皆さんの話には家と暮らしが深く結びついておりこの地方の季節感や環境が深く関わっているな~と感じました。一言でいうと里山の暮らしが住まいに深く影響しているという事なんです。風の向き、産業、雨の降り方等のその地方独特の環境合わせて家が出来ているという事ですね。これらの古民家群を建てたのは当然、地元の棟梁達です。だから道路を挟んで左右対称なんて家もありそれが全体として一体感のある美しい家並みになっているのです。

 現代の家作りは個人の価値観が最優先で建てられています。八ヶ岳なのに南欧風の家があるかと思えば隣は「〇〇ホーム」の展示場から抜け出てきたような家でその隣はキットのログハウスといった調子です。それらの家並みからは里山の暮らしは感じられません。

 自然に溶け込むような家、古民家にはそういう風格があります。もちろん昔、建てられて古民家と現代技術を駆使した住宅とでは内部の空間の快適性を比べればとても古民家に勝ち目はないと思います。しかし、古民家の良さを活かしながらその技術を中に生かしていく事は可能だと思います。祖先が残した素晴らしい技術を踏襲しながら景観にも配慮した家作りが出来たらといつも思います。家を作ることは出来ても中に住む人達の暮らしを作る事は出来ません。里山にふさわしい家作りとは何でしょう?環境に溶け込む家とは?小手先の技術ではなく地元に根を下ろした棟梁の造る家作りが出来ればな~と感じいった一日でした。

2006/09/17

景観ウオーク

Keikan 雨続きの合い間を縫うように小淵沢で古民家と棚田の風景を楽しむ景観ウオーキングが開催されスタッフとして参加してきました。私はこのウオーキングには第1回から参加していますが今回で4回目くらいになるのではないかと思います。私自身も好きなコースで特にこの時期は田んぼでは黄金色の稲穂が輝き、畑では蕎麦の花が咲き乱れて美しい風景を楽しむ事が出来ます。当日の天気予報は曇り、午後から時々雨の予報でしたが何とか終了まで降らずにもってくれました。

 この景観ウオーキングは「NPO八ヶ岳南麓景観を考える会」が主催しているのですが私も会員として「森つくり」の担当をしていますが「地元の人が語る歴史の会」等、色々と工夫した活動をしています。当日の小淵沢での景観ウオーキングも小淵沢駅前に広がる古民家群(通称、蔵通りと呼ばれています)を見ながら南アルプス方面に下って行き民家群が途切れた辺りから始まる棚田を楽しみ、戦国時代の武田信玄が諏訪との戦いの要として築いた「城山(ジョウヤマ)」で昼食をとりその後、小淵沢方面に引き返すように登り始め水田の水を供給する為に難工事の末に築かれた「松向堰」やその堰の水源である大滝湧水を見に行き、最後は小淵沢の役場で解散となります。

 当日は30名余りの参加者が集まり盛況でした。いつも大体女性の方が多いのですが当日も8割方は女性でしたね。最近は女性が本当に活発に元気に色々なイベントに参加されるようですね。参加された方達と色んな話をしましたが私も感じるのですが普段、この道は車でいつも通る道なのですが何気なく普段通り過ぎる風景が歩いてみると全然、違う風景に見えるので不思議です。やはり、ゆっくり自分の足で移動するという事がどんなに自然を感じるかと言う事を改めて思いましたね。距離にして8km余りですがアップダウンがかなりあり標高差としては300m以上あるのではないかと思うのですが結構よい運動になります。

 普段は中々、雑事に追われてゆっくり歩くという事が出来ないのですがこういう時に参加する事でちょっとだけウップンを晴らしています。これから実りの秋を迎えますます散歩するのには良い季節になります。間もなく八ヶ岳では唐松が金色に輝き始めます。あっ!その前にちょっと遅れ気味の稲の刈り取りも来週あたりから始まるんじゃないかな・・・

 皆さんもたまには時間をとって里山の秋を楽しみませんか?気持ちよいですよ。

2006/09/10

集団健康診断

 東京で会社員をしていた頃は定期的に事務所が入っているビルの前に検診車が来て全員で健康診断を受けていた。八ヶ岳に来てからはそんな気の利いた事は望むまでもなく年に1回、近くの小学校か市営運動公園の体育館に検診車がきて地域単位で健康診断を受けるようになっている。

 私はこの健康診断が苦手である。というか大好きで待ちどおしいなんて人は居ないだろうけど何が苦手かというと病院そのものが苦手だからしょうがない。いつもギリギリまで我慢して周囲(特に女房)に「いい加減にしなさいよ!」と叱られて渋々、病院にいく始末である。集団健康診断は何が嫌かというと先ず胃の検診前にバリウムを飲んでグルグル廻る診察台に乗って廻されるのが嫌なのである。どうも人間扱いされてないような気がしてしょうがない。もう少し何とかならないのかなあ・・・といつも思ってしまう。マア、きっと後、数年すればもっと楽な診察方法が出来て「もう、バリウムなんて古い古い」何てことになるのだろうなと思っているが中々そういう風にならない。あと何年かかるのだろうと密かに待っている。どう考えてもお腹の中にあんな消化の悪い薬をいれてグルグル廻されて頭から足の爪先(オーバーか・・・)まで充分薬を浸透させて撮影するなんて体に良いわけがない。しかもあの下剤・・・診察が終わると必ず飲むようにとシツコク宣告されて飲むまで見張られている。あれが又、大変。元来お腹が余り強い方では無いのでその日一日が大変な事になってしまう。出来れば飲まずに済ませたいのだが見張られているので飲んだフリするのも難しいのだ。で、その日一日はトイレの傍を離れられなくなってしまうという訳です。

 それでも今まではその日一日だけ我慢すれば良かったので何とかその日が通り過ぎるのをひたすら大人しく言われたとおりに過ごしてきたのだが、年を重ねるにつれて段々体のアチコチにガタがきてこの集団検診でひっかかるケースが出てきた。過去に一度だけ肺に影が映っているといわれて精密検査を受けるように宣告され、いよいよ俺もダメかと諦めて遺書でも書くべきかと覚悟を決めて精密検査をうけたら「な~んも写ってませんよ。なにかの間違いじゃないですか」とあっさり言われ、「ナヌッ!」それでは検診のカメラの不具合かと勝手に怒り心頭で自分の意気地の無さに改めて気付くという失態を演じてしまった覚えがある。

 それが今回は胃に影が写っているので今度は胃カメラを飲めと宣告された。自慢じゃないが今まで一度も胃カメラのお世話になった事はない。「嫌です!」とその診断結果を伝えてくれた若い保健婦さんに宣言したら「ガンだったらどうするんですか!」と叱られ、いい年して情けないと自分でも自己嫌悪に陥り「ハイッ」とあっさり敗北宣言をし、先日、まな板のコイになったつもりで覚悟を決めて胃カメラを飲んできたと言う訳です。実は以前、TVの番組で世界の胃カメラの歴史をひもとく特集を見てしまい初期の胃カメラというものは中空になった鉄のパイプを立ったまま口の中に突き刺していたという当時の絵を見てしまい当然、パイプは真っ直ぐな訳で「オエッ、それはどうみても無理だろう!」という絵だったのです。それから意気地のない心の奥底で絶対、胃カメラは飲むまいと固く誓ってしまっていたので周囲の人に「今はとっても楽で全然平気」と言われても「俺は絶対だまされないぞ・・・」と思い続けていたのです。

 で、結果、何とかそのピカピカ光る最新鋭の胃カメラを無事、お腹の中に飲み込んで先生から「あ~有りますね。潰瘍になっていたのが直りかけてますね~。まあ、問題無いでしょう」と言われ無事、無罪釈放となったと言う訳です。んで、今は先生から言い渡された胃薬(きっと気休めだと思うんだけど・・)を飲んで何となく調子が良くなった気がしています。今は毎日、大量の水を飲まされています。

 皆さんも健康には注意しましょうね。いくらお金持ちになっても健康を害したら元も子もありませんからね。だから何時までたっても貧乏なんでしょうかね。

2006/09/03

秋晴れの里山

20060903_184904656 ここ数日、じつに気分の良い秋晴れの日が続いています。こういう気持ちのよい天気が続くと本当に八ヶ岳の麓に住んでいて良かったな~と得したような気分になります。この写真は知り合いの農場に併設されているビオトープです。南アルプスの山並みが水面にうつって美しい景色を作り出しています。この日はトンボが飛び回っていました。天気予報をみているとどうやら南の海上には太平洋を横断して「ハリケーン」から「台風」に名前の変わった大型台風が日本を狙っているそうですが今日は全くそういう気配は感じられません。

八ヶ岳に住んでいると一年のうちに何日かは本当に涙が出そうになる美しい風景に出会う瞬間があります。それはあるときは南アルプスに夕日が沈む瞬間に見せる美しい夕焼けの光だったり、冬の冷え込んだ夜、星あかりに浮かび上がる八ヶ岳だったりします。そういう瞬間は住んでいないとなかなかチャンスに巡り合えません。こういうお金では買えない時間がここには存在します。

この話を信じられない方は是非、一度一年間八ヶ岳に暮らしてみてください。きっとあなたにも分る時が来ますよ。

2006/08/27

猫騒動のその後

先日お話した心筋梗塞をおこして倒れた我が愚猫はその後、無事退院というか病院で全く餌を食べないので、このままでは餓死すると心配した先生が退院を決断し無事、我が家に戻ってきました。

っで、どうなったかというと少し痩せて帰って来た我が愚猫は病院で痩せた分を取り返すかのように食っては寝、寝ては食いの繰り返しですっかり落ち着きを取り戻したのですが毎日の薬投与が大の苦手・・・家族皆で我が愚猫に引掻かれて血だらけになりながらの薬との戦いが続いています。女房ともども血だらけになるたびに「この恩知らず!」といい続けておりますが本人はちっとも反省しておりません。

 そうした闘病生活を送っていたある日、再び心臓発作を起こして救急でかの病院へ逆戻り・・・今度こそダメかと諦めかけていたのですが再び、復活!ある日病院から「退院しても良いですよ」と連絡があり仕事で行けない私のかわりに家族が引き取りに行き。その日の夜、仕事が終わって家に帰ると何やらプラスチックの箱に入った白い物体とその脇には良く病院の集中治療室でみかける黒い酸素ボンベが置いてあるではアリマセンカ!

「ナナナ・・ナニコレ?」と聞くと、何と退院した我が愚猫の為の酸素室との事!中を覗くとプラスチックの箱の中の物体は我が愚猫が丸くなって寝ている姿・・・一日2回ほどこのプラスチックの箱で作った酸素室の中で酸素を吸わせて回復させるようにとの事、ついにココマデキタカと力なく居間に座り込み気持ちよさそうに酸素室の中で寝ている我が愚猫を見ていると、果たして俺が倒れてもここまで家族は心配してくれるのだろうか?とフト変な思いに襲われ・・・自分でもバカナッ!とその思いを振りほどき、居間に置かれた黒い酸素ボンベの栓を猫の為に開閉する毎日が続いております。

 あいも変わらず薬投与で毎回引っかかれ「恩知らず!」とののしられながらも発作を起こすたびに息子が徹夜で看病して酸素室に緊急隔離・・・翌日フラフラになりながら息子は会社に出社・・・やれやれ猫騒動はまだまだ続く・・・恐るべし猫の生命力!

2006/08/21

新月伐採木研修会 IN 水窪

Sinngetu 先日、静岡県浜松市水窪(みさくぼ)町で新月伐採木のセミナーが開かれ私もスタッフとして参加してきました。水窪町は昔から木材の町として豊富な森林資源に囲まれた緑豊かな町でしたが近年の国産材の需要低下に伴い当地でも製材業は苦しい状況に追い込まれていました。

 この地で新たに新月伐採木を利用した国産材の拠点つくりが始まりました。私の加盟している「NPO新月の木国際協会」でもこの活動を何とか支援しようじゃないかという事で今回は2泊3日のイベントを開催する事になりました。私は仕事の都合で初日しか参加できませんでしたが講演会やセミナーには全国から60名を越す方が集まり盛会になりました。私は現認者(新月伐採木の伐採に第3者として立会い確認し木のデータを取る人)の担当としてセミナーで少しそういう話をさせて頂きました。

 いつも思うのですが国産材をとりまく環境に厳しいものがあるのは全国的に同じ状況なのに皆さんいつも明るく熱心で意見を交換し、時には熱く議論が展開される事もあります。それでも皆、木に関する仕事に喜びを感じている人達ばかりなのでどうも気持ちは同じ方向を向いているという連帯感があり気持ちの良い人達ばかりです。今回もセミナーの後の交流会では全国から集まってきた人達と色んな情報交換をさせて頂き、私なんか「へえ~そんな事までしてるんですか!」と驚く事ばかりでした。

 石川県から来られた方は現在、満月伐採木と新月伐採木の両方の木を試す為に2艘の和船を造っておられて毎晩、仕事の終わった後に交代で少しづつ造って今週末やっと満月伐採木で造った和船の就航式をするそうです。福岡県からこられた方はすごくこだわりをもって家作りをされている方でその裏話なんかを聞かせて頂いて私は感心ばかりしていました。世の中には色んな人がいるものです。私なんかはまだまだですね。

 今後も全国でこのような新月伐採木に関わるイベントが開かれていく予定で私も都合が付く限りお手伝いさせていただくつもりです。皆さんも興味がある方は是非、ご参加下さい。

 ところで初めて「新月伐採木」の事を聞かれた方の為に少しお話すると、新月伐採法とは日本でも古来から行われていた伐採方法で冬の新月の時期に伐採された木は虫が付きにくく割れにいと言われています。更に伐採した木を葉をつけたまま山で天然乾燥し葉が枯れてから出材します。そうすると先程いったような良質の木が得られます。近年オーストリアのエルヴィン・トーマさんがこの事を記した本をドイツで出版しベストセラーにまでなり日本でも日本語訳の本が出版されてからこの新月伐採木が見直されて来ました。私達はこの木の科学的な検証を行いながら新月伐採木のもつ神秘的な魅力を多くの方に知って貰う活動を続けています。

2006/08/13

お盆の一日

 久しぶりに朝の散歩をしました。今年の始めに長年、朝の散歩の相棒だった犬を亡くしてから何となく朝の散歩をするのが億劫になっていつの間にか止めてしまっていたのですが先日、保健婦さんから朝の散歩は是非続けて下さいと言われ、元来、人に言われるとすぐ気が変わる優柔不断な性格なので、そうかそうか、そうだったなと思い直してさっそく久しぶりに朝の散歩に出掛けました。

 丁度昨日は雷雨と共に雹がふって森の中はひどい事になっており枝葉が折れて皆、地面に落ちてしまいまるで緑の絨毯を敷き詰めたような雰囲気になってしまっていました。お盆なので近所のペンションにもお客さんが満杯だし近くの別荘も大勢の避暑客が訪れていて余り顔を合わせた事のない方達とすれ違い挨拶を交わしました。

 以前は連れていた犬の仲間達との縁で通りすがりに同じく犬を連れた人達と会話を交わしましたが此方が犬を連れていないので何となく急ぎ足になってしまいます。

 フト、久しぶりに朝の森の中を通るといつの間にか森の中を流れている小川に倒木がひっかかっていたり少し森が荒れてしまったなと言う気がします。昨日の雷雨で我が家のTVもお亡くなりになってしまい。分解してみたのですがどうにもなりませんでした。近頃の家電製品はICを多用しているので山に住んでいる者にとっては雷雨がくると直ぐ近くに落雷するのでダメージが結構大きいのです。

 森の中に住んでいると朝刊は家まで届けて貰えません。森の入り口近くに新聞用の共同ポストがありそこに新聞配達屋さんが朝まとめて配達してくれます。この新聞屋さんいつも朝早くて今朝も朝4時半頃にはもう配達されています。いったい何時に配達しているのでしょうね。田舎の新聞は朝早い!但し夕刊はありませんが・・・

 話は変わりますがこの時期はコンサートも多く開かれますが昨日は近くの日本航空学園の滑走路で「レミオロメン」の野外コンサートが開かれて3万人からのファンが集まったそうです。皆、近くの駅からシャトルバスに乗ったり前日から甲府入りして集まったようですね。新聞に写真が載っていましたが大変な人だかりでした。ユズのコンサートが先日近くの神社で開かれた時もタクシー待ちの列が100人も出来たそうです。何せ普段は静かな田舎なのでタクシーたってそんなに沢山ある訳じゃないのできっと運転手さん達は大変んだったでしょうね。

 そういえば先日、我が家に荷物を届けてくれた配送便の方は夜12時頃になって暗い森の中まで届けてくれました。知り合いの方が運転しているので良いのですが知らない人なら絶対道が分らないと思います。運転手さんが言うにはこのところず~とこんな調子で休み無しだと言ってました。疲れて事故でも起こさなければよいのですが・・・

 今年のお盆も多くの人で八ヶ岳は賑わっています。私のところにも色んな方達が懐かしく立ち寄ってくれます。夏真っ盛りです。

2006/08/06

夏、本番!「薪能」

 長かった今年の梅雨も漸く明けて八ヶ岳にも真夏の太陽が照りつけるようになりました。各地で異常な高気温が発生しているようですがここ八ヶ岳の森の中は有り難いことに日中こそ30度近くなりますが、夕暮れと共に爽やかな風が吹き今朝も窓を開け放して寝ていると寒くて布団をかぶらないと風邪をひいてしまいそうでした。大体、朝の気温が20度くらいでしょうか、湿度が低いのでちょうど気持ちの良い感じです。

 今年は梅雨の合い間に日本で一番高気温を記録した静岡県と高知県にいて早めに猛暑を経験したので八ヶ岳の森の夏が何だかとても涼しく感じます。今週あたりから多くの避暑客が八ヶ岳を訪れています。例年の事ですが街中や森の道の真ん中で地図を見ながら止まっている車や突然曲がりだす車が多くいるので我々としては要注意です。先日も歩道で友達と話していた子供が突然、道路に飛び出してきて危ないところでした。2,3日前は森の中で深夜まで花火を上げている別荘客もいてちょっと驚きました。

 この時期は色んなイベントも目白押しで中々面白そうな企画も沢山あります。私自身は先日、毎年八ヶ岳の神社で行われる「薪能」を見に行って来ました。人気のイベントでいつかチャンスがあったら行ってみたいと思っていたのですが今まで中々行けなかったのですが今年はやっと見る事ができました。「能」2曲と「狂言」1曲を鑑賞したのですが能も狂言も見るのは初めてなのでどこを見てよいのか分りませんでしたが薪能の始まりに際して神官による清めの儀式に始まり、上演される題目を解説者が解説し、いよいよ最初の「能」が上演されるのですが、途中「狂言」をはさんで最後の「能」が終わるまで約3時間程の「薪能」は初めて見る伝統芸能を強烈に印象付けるものでした。特に最後の「能」が始まる前にちょうど夕日が沈み、神官が篝火に火を灯すと辺りは本当に幽玄の世界が広がり能の上演中、ふと夜空を見上げると能舞台の上に上弦の月が掛かり何だか時代の感覚が数百年前に戻ったような錯覚にとらわれました。きっと当時の人達も同じものを見ていたのだなと思い感慨ひとしおでした。

 上演された能舞台は神社の池の中に建っているのですが解説者の話では日本最大の能舞台と言っておられましたが私はこの能舞台には少し因縁めいたものがあり今でもあれは夢ではなかったのか思う経験があります。 この話は長くなるので又、別の機会にしたいと思いますが、軽井沢近くの山の中でこの能舞台の原型となった能舞台を個人的に見せて貰った事があります。その能舞台は持ち主の方の壮大な庭の一角に建っている建物の中にひっそりと建築されておりそれを見たときの驚きは例えようもありませんでした。だから今でもあれは夢だったんじゃないかと思っているのですが確かに見たのです。持ち主のご老人は「この能舞台が八ヶ岳の神社に設けられた能舞台の手本になったもんじゃ」とはっきり教えてくれたのです。

 夏の日のひと時、時を越えた幽玄の世界に何だか我がDNAが少し騒ぎました。

2006/07/29

猫の心筋梗塞

 先日、我が家の同居ネコがいつものようにタラフクご飯を食べ終わってトイレに行った。そしていつもの様に立派なウンコをし終わった。ここまではごくごく普段の光景である。しかしその後、同居ネコの様子が急変した。突然、トイレの中でひっくり返りうなり声を上げたかと思うと突然、トイレから飛び出して七転八倒、苦しみ始めた。ナンダナンダ?と驚く間もなくテーブルの下に飛び込んで荒い息遣いを始めたと思ったら再び発作に襲われてひっくり返った。

 ハハア、これはきっと普段からの食い意地の悪さで何か悪いものを食ったなと思い早速、動物病院に連れて行こうとしたが何せ夜の9時頃の事である。こんな時間にやっている動物病院などこんな山の中にあるわけない。念の為にと片っ端から電話してみたがやはりどこも出ない。どうせ無駄だろうと思ったが子供にインターネットに接続させて緊急診療体制のある動物病院をパソコンで検索してみたそしたら何と甲府にあるではないか!しかも平日の診察は夜の11時まで更に急患の場合は24時間体制で診察可能!

 いやはや探して見るもんだと思い早速電話してみると「直ぐに連れて来て下さい」と親切な対応・・・早速、我が愚猫をタオルでくるんでダンボール箱に放り込み、女房に抱えさせて中央高速に乗って甲府ICに一目さん、やっと病院を見つけるとこれが又、立派な病院でエントランスは総ガラス貼り!まるでホテルのロビーを思わす受付カウンターで「あの~さっき電話した者なんですが・・」と告げると「お待ちしてました。早速ですが状況を教えて下さい」とテキパキとした対応。「え~トイレで倒れて苦しみ始めまして・・きっと変なもの食ったんだと思いますが・・」と説明すると「では優先的に緊急検査します」とさっさとダンボールを抱えて診察室と思しき中に消えて行ってしまった。

 何とスバヤイ対応なんだろう・・と女房と二人で感心していると「これに記入して下さい」と受付の方が診察券を作る為に調査表なるものを持って来た。女房がさっそく記入している間に手持ち無沙汰になったのでフト壁のポスターをみると「当院では最新型の3D方式のCTスキャンを完備しております」と書いてある。フ~ン近頃の動物病院はスバラシイな~等と感心してたのだがフト、心に何かが引っかかった。「CTスキャン?24時間診療体制?・・・」何だか嫌な予感・・・

 どうも気になって集中治療室とやらを女房と二人で何とか覗けないかとガラス張りの治療室の中をガラスに顔を二人くっつけて目を凝らして見た。そこで見たのは先週、私が町の集団検診車の中で先生にやって貰った超音波検診装置をお腹に当ててもらって気持ち良さそうにしている我が愚猫であった!しかし!その後、さらに恐るべき光景が!

 診察中に発作を起こした我が愚猫に驚いた先生と看護婦さん達2,3人がアタフタと病室内を走り廻り「何だ!何だ!どうしたんだ!」と訳がわからすガラスに顔をくっつけた私達の前では信じられない事に、人工呼吸器を顔に当てられてなにやら注射を打たれた我が愚猫がなにやらガラスケースの中に入れられていく光景が繰り広げられているではありませんか!その内にドクターと思しき女医さんが出てきて「ご家族の方ですね」と問われ「エッ アッ ハイ家族です。(ネコではありませんが)」「病状を説明しますのでこちらにどうぞ」と個室に通されて「この写真を見てください。これは心臓を撮影したものです。少し肥大しているのが分るでしょう」「先生、うちのネコは全身が肥大しているんですけど・・」「いえ、そういう事じゃなくてこれは猫によくある症状ですが心臓が肥大した事による心筋梗塞を起こしたものと思われます」「そうですか、やはり食べすぎですか・・エッ!心筋梗塞!ネコが心筋梗塞ですか?」「ハイ、ネコでも人間でも一緒ですトイレとか風呂に入っている時が一番発作を起こしやすいのです」「先生、うちのネコ、風呂に入った事ないんですけど・・」「例えばの話です!」「現在、発作を抑えるために高酸素室に入って貰い、発作を抑える注射をうって様子を見ています。2,3日安静にして入院して貰います」「エッはい分りました。高酸素室ネ・・・シンキンコウソクね・・」「それでは入院の申し込みをして貰いますので受付にどうぞ」

 何がなにやら訳が分らないまま、女房と二人で受付に戻り入院申込書を見た。「毎日、病状を報告しますか?毎日、掛かった費用を報告しますか?面会時間は午後1時から3時半までそれ以外の場合は主治医の説明は受けられません。万一の事があった場合でも病院を訴える事はしません。最終的な延命治療を希望しますか?」等々、全ての項目に記入し終わりフト、女房と顔をあわせて「あのさ、これって保険きかないよね」「当たり前だろネコだぞネコ!」「さっき酸素マスクしてたよね?高酸素室ってのに入ってたよね。超音波検査だよねさっきの写真・・・」「そうだよ、見ただろ!」「ウン、見た」「高いよネ・・・」「知るか!」「とりあえず、毎日費用は教えて貰う事にしたから・・」「住所とか連絡先とか書いたのか」「うん、書いた。書かない方が良いかな?」「そんな訳にいかないだろ!」

 すべての手続きを終えて我が愚猫にバイバイして病院をでたのはもう翌日の1時・・この先どうなるんでしょう・・・いやはや日本の動物病院の進歩はスバラシイ・・・

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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