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2006/08/06

夏、本番!「薪能」

 長かった今年の梅雨も漸く明けて八ヶ岳にも真夏の太陽が照りつけるようになりました。各地で異常な高気温が発生しているようですがここ八ヶ岳の森の中は有り難いことに日中こそ30度近くなりますが、夕暮れと共に爽やかな風が吹き今朝も窓を開け放して寝ていると寒くて布団をかぶらないと風邪をひいてしまいそうでした。大体、朝の気温が20度くらいでしょうか、湿度が低いのでちょうど気持ちの良い感じです。

 今年は梅雨の合い間に日本で一番高気温を記録した静岡県と高知県にいて早めに猛暑を経験したので八ヶ岳の森の夏が何だかとても涼しく感じます。今週あたりから多くの避暑客が八ヶ岳を訪れています。例年の事ですが街中や森の道の真ん中で地図を見ながら止まっている車や突然曲がりだす車が多くいるので我々としては要注意です。先日も歩道で友達と話していた子供が突然、道路に飛び出してきて危ないところでした。2,3日前は森の中で深夜まで花火を上げている別荘客もいてちょっと驚きました。

 この時期は色んなイベントも目白押しで中々面白そうな企画も沢山あります。私自身は先日、毎年八ヶ岳の神社で行われる「薪能」を見に行って来ました。人気のイベントでいつかチャンスがあったら行ってみたいと思っていたのですが今まで中々行けなかったのですが今年はやっと見る事ができました。「能」2曲と「狂言」1曲を鑑賞したのですが能も狂言も見るのは初めてなのでどこを見てよいのか分りませんでしたが薪能の始まりに際して神官による清めの儀式に始まり、上演される題目を解説者が解説し、いよいよ最初の「能」が上演されるのですが、途中「狂言」をはさんで最後の「能」が終わるまで約3時間程の「薪能」は初めて見る伝統芸能を強烈に印象付けるものでした。特に最後の「能」が始まる前にちょうど夕日が沈み、神官が篝火に火を灯すと辺りは本当に幽玄の世界が広がり能の上演中、ふと夜空を見上げると能舞台の上に上弦の月が掛かり何だか時代の感覚が数百年前に戻ったような錯覚にとらわれました。きっと当時の人達も同じものを見ていたのだなと思い感慨ひとしおでした。

 上演された能舞台は神社の池の中に建っているのですが解説者の話では日本最大の能舞台と言っておられましたが私はこの能舞台には少し因縁めいたものがあり今でもあれは夢ではなかったのか思う経験があります。 この話は長くなるので又、別の機会にしたいと思いますが、軽井沢近くの山の中でこの能舞台の原型となった能舞台を個人的に見せて貰った事があります。その能舞台は持ち主の方の壮大な庭の一角に建っている建物の中にひっそりと建築されておりそれを見たときの驚きは例えようもありませんでした。だから今でもあれは夢だったんじゃないかと思っているのですが確かに見たのです。持ち主のご老人は「この能舞台が八ヶ岳の神社に設けられた能舞台の手本になったもんじゃ」とはっきり教えてくれたのです。

 夏の日のひと時、時を越えた幽玄の世界に何だか我がDNAが少し騒ぎました。

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