2018/05/21

怪しい仲間達

 八ヶ岳に住むようになってから廻りに怪しい友人達が沢山出来ました。先日も、その中の一人と話をしていると「この前、知り合いが森の中で写真撮ってたら変なおじさんが写っちゃって、どうも森の小人らしいんだよね」「森の小人?」「そうなのよ。だけどその小人、木に半分隠れててどうみても小さなオジサンでね、頭が禿げてるのよね」「頭の禿げた森の小人?」「そうなんだよね。だから写真撮ったその人に、余り人に見せない方が良いよ。夢が破れるからね。って言っといたのよ」「???」

 その人は私の友人なのですが、森の中で色んなものと話が出来て、色んな物が見える様で、普通に歩いていても「アラッ、危ないよ!そんなとこ歩いてるとぶつかるよ」「エッ?誰と話してるの?」「ホラッ、あそこ歩いている変な恰好した人よ」「あのね、居ないからそんな人。というか私達には見えてないから」「そうか、見えないのか。あそこ歩いてるんだけど・・・」

 何て人なので、廻りも余り気にしないのですが、初めての人だとビックリしてしまいますよね。それが口から出まかせを言ってると言ってしまえばそれまでですが、その友人の言っている事は、あとから史実等を調べると本当にあったりして不思議な方なのです。

 そんな人達が私の廻りには沢山います。どうも女性の方がそういう方は多い様な気がします。

 当社の事務所には又、不思議な龍の壺があります。それも知人の方が「ここに置いて下さい。ここにあるべき壺なので」と言われて持ってこられました。「何故、ここに?」「ここに置いてくれと言ってますので」「???」

 以来、この壺を見にくる方が時々おられます。そして何をするかというと、この壺の中に頭を突っ込み何か話をしていかれます。私が「あの~何か壺は言ってますか?」と聞くと「う~ん。どうしてもこの壺と話をしなくてはと思い、来ました。いいにおいがします」「匂いですか?」「はい、良い木の香りがします」「木の香りね~?」てな具合です。

 こんな話をすると「森の囁き」もいよいよ可笑しくなったかと思われるかも知れませんが、私が言いたいのはこんな話を「そんな馬鹿な事ある訳ないじゃないか」と片付けてしまうのは簡単な事ですが、森の中でなにも人工的な物音もせず、ただ森の木を見つめ、風の音を聞いていると、こんな話もあるかもと、思えるようになるのが面白いのです。

 信じるか信じないかは自分次第。ただ、色々なデータや情報があふれる世の中で人間の五感を信じて自分が感じるままに物事に耳を澄ませていると、あながちこんな話も面白く感じる事が出来るから不思議なのです。

2018/05/04

森のようちえん

 森のようちえんの子供達は活き活きとしています。今度、山梨県で「森のようちえんピッコロ」を運営されている中島先生とその活動を映画化した筒井監督を招いてセミナーを開催する事になりました。

 森のようちえんについては以前、長野県で同じように森のようちえんを運営されている方にお会いして実際に子供達がどのようにして暮らしているのか拝見させて貰ったことがありました。

 子供達は森の中に入って結構、傾斜のキツイ坂道を登ったり下りたり転んだりと本当に元気に走り回っています。大体、男の子は落ちている木の枝を持って振り回して時には決闘もしています(笑)。その光景が何故か本当に子供らしくて楽しいのです。

 付き添っている先生達は決して「〇〇しちゃだめですよ」とは言わない。黙って子供達のする事をフォローするだけです。時には子供達どうしのトラブルも発生しますが基本的に全て子供達が自分達で考えて自分達で解決します。怪我をしたり転んだりしてもどうして怪我をしたのかどうすれば怪我をしなくてすんだのかを皆で話し合います。正解はありません。子供達が自分達で出した解決策が全てです。

 そして活動の最後に皆で車座になって今日の活動の反省会をします。子供達は今日、起こった色々な出来事について意見を述べてどうしたら良かったのかを皆で話し合います。例えば誰かと誰かが喧嘩すると「〇〇ちゃんの方が悪い!○○ちゃんが先に持っていたのを〇〇ちゃんが取ったんだから〇〇ちゃんの方が悪いよ!」「だってあれは先に僕が見つけてたんだから僕のモノなのに〇〇ちゃんが横取りしたんだから〇〇ちゃんの方が悪い」「じゃあ、二人で半分こすれば良かったんじゃない!喧嘩することは無かったと思う」なんて感じです。

 子供達はこの反省会では大人の先生もタジタジになるような正論をぶつけてくる事もあるそうです。例えば食事の時に先生が「このお肉は大切な命を頂いているんだから残さずに最後まで食べましょうね」と言うと、ある子供が言ったそうです「だって僕は殺してないよ。だから僕は大切な命は殺してない」と・・・この言葉に対してあなたはどう答えますか?(笑)子供は本当に純粋です。ストレートに物事を考えてぶつけてきます。どこかの国会議員や役人さん達の様にどちらともとれる曖昧な言葉は子供達には通用しません。

 森のなかで走り回り毎日ドロンコになって遊びまわる子供達を見ていると何故か昔、ガキ大将として棒切れを振り回して子分達を引き連れて毎日、大人に怒られながら悪い事ばかりしていた自分を見ている様な気がしました。

 森のようちえんの子供達、一杯遊んで、一杯泣いて、一杯色んな事を話しあって元気に毎日走り回ってくれよ!

2018/04/14

里山の窮状

先日、ある温泉が有名な里山で仲間達と泊りがけで話し合いがありました。

その里山は多くの里山がそうである様に人口の減少が止まらずこの先の未来が心配される状況でした。その里山に住む若者達がその自然に惚れ込み地元の方達と一緒に何とかその里山を活性化しようと懸命に頑張っていました。

しかしその一方で若者達の試みを心良く思わない人達もいて張ろうとしている志を止めてしまうという現状も各地であるように思います。

それでも例えば四国の徳島県と高知県の境にある「大歩危小歩危渓谷」では多くのカヤックを楽しむ若者が集まりTVでも放映されましたがとうとう世界大会の誘致にまで成功した例もあります。

もともとこの渓谷は国道や鉄道がその川岸を走る本当に奥深い渓谷で昔はよく国道から車が落ちたり土砂崩れがあったりと本当に厳しい環境の中、その渓谷にへばりつくように集落が集まっている地域でした。

私も高知に帰る時にはよくこの渓谷沿いを通るので小さい時からよくこの渓谷を見てきました。その渓谷が少し変わり始めたと思ったのはここ数年の事でした。

正直言ってさびれた所なので駅に電車が止まっても人の乗り降りなんて殆どないのですがある時から何故か外国人の方や若者の姿がチラホラと見え始めました。

「へ~何だろう?最近は秘境ブームなのかな?」何て思っていたら徐々にその数が増え始め電車の中にもこんなローカル線なのに外人や若者の姿が増えて来て皆さん大きなリュックを背負って楽しそうに話しながら降りていくのです。

「一体彼らはどこに行くんだろう?」と思っていたら先日たまたま見ていたTVからその懐かしい渓谷の姿が映し出され地元のおばちゃん達が「絶対この渓谷を世界中の方達があつまるカヤックのメッカにしてみせます」と宣言し、本当に世界大会の誘致に成功しました。

地域活性化の成功のポイントの一つは地域の特性を活かし地元の方達と一緒に一つの共通の価値観を築き上げるという事です。どうしても行政や政治が入ってきてしまうと有名企業の誘致に成功しただのどこかの大学を誘致してくるだのというトップダウン的な活性化が優先されますがそのやり方だと長期的に見て成功はありません。

やはりその地域が持つ特徴をいかした地域発信型の活性化でなくては本当の意味での活性化にはなりません。そうでないと逆に地域が利用されるだけ利用されていつかその企業なり大学が引き上げれば負の遺産だけが残されます。

何も無いように思われる里山に実は本当に人間らしい暮らしが出来る環境が整っているケースが多いのです。

先日、お邪魔したその温泉のでる里山での夕食は全て地元産の食材で造られ宿のおばちゃんが全て手作りで造ってくれたもので本当に身体にやさしい料理でした。次の朝、近くを散歩したら本当に素晴らしい景観が広がっていて心からリラックス出来ました。頑張れ!里山の若者達!

2018/03/31

そろそろ春の支度を・・・

 寒かった今年の冬も漸く観念したようで、そろそろ風の冷たさの中にも少し暖かい春の風が混じる様になって来ました。

 それにしても今年の寒さは厳しかったので毎年、GWが近くなってくると「今年初めて八ヶ岳の別荘に来ました。」なんて方が多くて、そうすると心配なのが冬季の寒さにによる設備配管の凍結事故です。

 留守の間は別荘の方は皆さん水抜きをしていくので気が付かないのですがこの時期、今シーズン初めて来て実は水抜きに失敗して配管がパンクして、元栓を開けると水が噴き出した!なんて事が多くて夜中や早朝に電話が掛かって来る事もあります。

 皆さん、此方に来られる時はくれぐれも夜中とか早朝は避けて余裕を持って来て下さいね。

 私達もそろそろ車のタイヤをスタットレスから夏用タイヤに履き替える時です。先日、余りに暖かいので一瞬、履き替えようかな?とも思ったのですが例年、3月末から4月には雪が降る事もあるので「もう少し我慢」と思っていたら、その数日後に今年一番の積雪を観測し「替えなくてよかった~」と胸をなでおろしました。

 しかし、毎年異常気象が続きます。冬が終わると思ったら各地でいきなり夏日を迎えたりどうなってるんでしょね?今年もこれからの異常気象が心配です。

 八ヶ岳の里山には先日降った雪の塊がまだ道端に残っていて冬の残骸が少しありますが、たまに「フキノトウ」を頂いたりして少しづつですが春が近づいてきているのを実感出来るようになりました。

 明日から新年度が始まります。地元の学校の子供達も今はまだ休みで、あちこち走り回っていますが人口減少で子供達の数も減り学校も統廃合が進み、今は殆どの学校がスクールバスでの送迎となり、里山の狭い道をバスが行きかいます。

 私もスクールバスの通る時間を外したりルートを変えて車を走らせるようにしています。狭い道なので行き違いもままならないですからね。新しい年度の始まり!何だかワクワクしますが今年も楽しい事が待っていますように!

2018/03/19

里山の活性化

 最近、里山の整備や限界集落の活性化についての話を良く見聞きする様になり、現代の世相が抱えている一つの問題として認識される様になってきたなと感じています。

 その方法は様々ですが、私の家の周りでも森の大規模な伐採が始まり、一体何事?とちょっと心配になってきたりします。

 一時期、里山の整備や限界集落の活性化というと決まってリゾート開発や企業誘致なんて事が検討され、嫌だなと思っていましたが最近は大分、趣が変わってきて里山や限界集落を駄目なものとして捉えるのではなくむしろ逆に、だからこそ自然が残された豊かな土地として逆手にとった利用方法が検討されるようになり、それはとても良い事だと思います。

 今までの都会発信型の方策である「都会から人を呼ぶ」という手法ではなく、地元からその情報を発信して地元民が楽しむことが出来る活用方法を用いて、「私達はこんな緑豊かな土地で人間らしく過ごしていますよ。良かったら、あなたも体験してみます?」的な手法がとても共感出来ます。先ず、自分達が楽しくなきゃ人なんか呼べないですもんね。

 先日も近くの古民家カフェにお茶飲みにいったら地元のおばあちゃん達が集まって楽しそうに話ながらケーキとお茶を楽しんでいました。今までにはない光景で、とても新鮮な印象を受けました。

 以前、ちょっとお話した事ですが人は大人数でひしめき合い、自分と他人との距離感があまり近づき過ぎるとストレスを感じます。又、逆に人と人の距離感が離れすぎると今度は疎外感を感じます。適度に距離感を保ち、その間に自然が介在すれば人はとても気持ちよく暮らすことが出来ると私は思います。

 そうい意味で里山は貴重で絶妙な距離感を保った環境ではないかと自分なりに思っています。あなたも里山に遊びに来てその距離感を体験してみませんか?気持ち良いですよ(笑)

2018/03/05

又、いつもの嫌な季節が・・・

 今年も寒かった冬が漸くゆるみそろそろ春の季節を迎えようとしています。それはそれでとても楽しみなのですが・・・ですが・・・そうなんです。今年もそうするとそろそろ花粉の飛ぶ季節になってきます。というか既に飛んでいると思われます。

 というのも何故かこの季節になるとクシャミがとまらなくなり目に一杯涙がたまるし身体がだるくなるし頭は痛いし・・・どうしたの俺の体?ってな感じになってしまうのです。そうなると「ハハ~ンそろそろだな」と思うのです。

 花粉歴約30年、今年は昨年の倍くらいの花粉量が予想されているそうで・・・先が思いやられます。

 当然、先月のうちから既に病院に行って先生から「そろそろ来ましたか?」「はい、そろそろです。」「そういえば先日、来た患者さんも、もう来てますと言ってましたよ」と言われそうそうに薬を貰ってきました。

 「木を扱う仕事をしている人間が花粉症でどうする!」という話ですが人間だから仕方ないのです。

 この季節、車で移動していると必ず特定の場所を通過中にクシャミが止まらなくなるエリアがあります。これって不思議ですよね。必ず、同じ場所でクシャミがでるのですがその一帯が花粉飛散エリアなんでしょうかね。あ~あ、今年も思いやられます。

2018/02/17

最近の不思議な分からない事

 最近、自分の頭では理解出来ない不思議な事が沢山ある。ひとつは「クラウドファンデイング」とやら・・先日、知人から「こういう人がいてクラウドファンデイングをやるから協力してくれないか?」とお誘いのメールがありました。

 「何それ?」って感じでした。言葉自体は聞いていましたが内容については今一つ分からない事ばかりで「マアいいか、最近の世の中、分からない事ばかりだから・・」とそのままにしておいたのですが、どうやらこの「クラウドなんちゃら(笑)」というものには色々なタイプがあるらしい。

 知人が頼んできたものはこの中の「寄付行為」にタイプとしてはなるらしい。何だか「自分のしたい事があるけど資金がない」といったケースでより多くの方に寄付をお願いするのに適した行為らしい。

 昔、自分が子供の頃はお金がなくて「自分のしたい事が出来ない、あるいは買いたいものが買えない」なんて時はアルバイトをしてお金を貯めるのが一般的だったけど現代はそれだけじゃなく、てこういう方法もあるらしい。

 しかし、この行為はあくまでネット上の呼びかけであるから私にはその方に関しては全く知らないし、当然、寄付なので見返りもない。「う~ん、それってどうも自分の感覚では理解できない」という感じでした。しかも、この場合だと予定していた金額に達成しなかった場合は返金されるシステムらしい。折角、寄付しても返ってくるらしいのです。最近は人との接点が希薄になってきたので、どうもこういう方法も現代の若者には違和感は無いのかも知れませんね。

 それから今、話題の「仮想通貨」これも良く分からないのです。仮想なので現金ではない、だけど現金化も可能?なんじゃそれ?って感じです。地元では昔から「地域通貨」みたいな発想がありこれは全く現金化出来なくて、例えば「草刈が大変なので手伝って欲しい」「それじゃ、それは2福だから、そのかわり私に2福で肩もみ頼むわ」なんて事や、地元の商店街だけで通用する商品券みたいなものもあり、それはそれで何となく理解出来るのですが、「仮想通貨」は何もしないで20倍30倍にもなる事があるし0になる事もあると聞くとマタマタ「何それ(笑)?」ってなってしまうのです。

 最近はあまり理解しようとするとコッチの感覚までオカシクなるので「自分には知らないでいる権利がある」なんて事を自分に言い聞かせ、ジッと森の向こうで何か動かないか見続けて時間を過ごすのでありました。

2018/01/27

ウッドストーブのある暮らし

 先日、雑誌の取材依頼がありウッドストーブ愛好家が集まりその魅力を話し合う機会がありました。バスにのって取材場所のウッドストーブが設置された素敵なログハウスに行くと既に数人の方が集まっており早速、撮影と取材が始まりました。

 近年、ウッドストーブを暖房の熱源として取り入れる方が増えて来て、それはとても良い事だと思っています。

 東日本大震災の折にもここ八ヶ岳は丸一日停電し、とても寒い思いをしました。幸い私の家にはウッドストーブがあったので暗い家の中でもウッドストーブの暖かさと炎の優しい明りにどれほど助けられたか分かりません。

 文明が発達した世の中では電気の恩恵に頼る部分が多くて、そのライフラインとなる電気が絶たれるという事が中々想像出来なくなってきています。しかし東日本大震災は実際にそういう事が起こりうるという教訓を我々に教えてくれました。

 その後、電気に頼らない熱源という事でウッドストーブの魅力が見直され森の再生という観点からも地方自治体がその普及に力をいれた事も有りウッドストーブの需要が増えてきました。

 私も普段は多くの時間をパソコンの前に座りネットや図面作成に費やしています。普段の生活の中で自然や森の事を実感する事が段々、難しくなってきています。

 しかし唯一、森の中で倒れた木を頂いて玉伐りし斧で薪割りする時間はその恵みを実感できる貴重な時間となっています。便利さに溢れた現代社会のなかで唯一、薪割りという作業は直接自分の生活を守るために必要で、自分の肉体を使い額に汗をかき行う楽しい時間です。

 全ての仕事は何らかの形で社会の為になり貢献しているのですがその実感を得る事は中々難しいものです。しかし、この薪割りだけは唯一自分の生活を守るために自分がしなければならない仕事だと実感できます。多くの方がその魅力を知って森の再生につながるその意義を実感出来れば良いと思っています。

2018/01/09

あけましておめでとうございます。

2018年、あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。八ヶ岳は年明けから晴天が続き、穏やかな良いお正月となりました。昨晩は季節外れの雨と今日はこれまたこの時期としては異常に暖かい日になっています。この先も暖かければよいのですがまだまだそうはいかないと思います。今年も森の中から感じた色々な事を発信していきたいと思いますのでどうぞ宜しくお願い致します。

あけましておめでとうございます。

Dsc_82018年あけましておめでとうございます。当社は今日から仕事始めとなりました。今年もどうぞ宜しくお願い致します。写真は昨年末に完成したTS様邸のLDKの写真です。室内に張られた天竜杉の板材の香りが写真からも伝わってきそうです。今年も色々な住宅に関するニュースをお伝えしていきたいと思いますので楽しみにご覧下さい。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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