2015/06/14

変わっていいもの、変わってはいけないもの

 最近、日本列島は大規模地震が発生したり火山の噴火があったりとどうやら地殻変動の活動期を迎えているらしい。

 一方、国会も安保法制で大もめにもめたり大阪都市構想が住民投票で否決されたりと、政治の世界も変動の時を迎えているらしい。

 何時の時も人は慣れ親しんだ暮らしや生活に変化が起こる時はストレスが掛りリスクも大きいです。

 私も昨年の秋から身の周りに大きな変動がありました。先月も義理の父を見送る事になりそれはそれで大きな変化でした。

 出来れば平穏な、いつもの生活がず~と続けばよいのですがそれはそれで変化がなくてつまらない人生になるのかも知れません。

 しかし、世の中には変わってよいものと変わってはいけないものがあると思います。仕事上の変化や暮らしの変化はある程度は仕方ないものと思います。しかし、平和を愛する気持ちや人を傷つけないといった当たり前の事は決して変わってはいけないものだと思います。 自然も同じ。人が暮らしていく上で自然を恐れ敬う気持ちも決して変わってはいけない事です。

 そんな当たり前の事が今の日本では当たり前でなくなっていく危険性を孕んでいるような気がしてなりません。

 日本には3権分立という人が暮らしていく上で大切な決まりがあります。しかし、今の政治の世界は行政権のみが強権をもち立法権や司法権がないがしろにされている様な気がしてなりません。

 安保法制では行政に携わる政治家が平気で「国民を守るのは行政の責任で憲法学者ではない」と言い放ち、憲法で保障された投票権で1票の格差が憲法違反と言われながら一向に行政側はそれを改善する気配もない。世界に誇る平和憲法といわれた憲法9条を時の国会で都合の良い様に解釈を変更して憲法9条の精神を踏みにじる様な変化が議決されようとしています。

 一体、行政権は誰の為にあるのでしょう?私の住む北杜市でも最近メガソーラーの乱開発が問題となり住民側と行政側の間で争議が起きていますがどうも行政側の動きは鈍くて一向にこの大切な自然を守ろうという行政側の姿勢が伺えません。

 先日、日本で一番移住したい県として山梨県が1位に選ばれましたがその理由のひとつはこの美しい自然に囲まれた北杜市のような自然溢れる土地が東京からわずか2時間足らずの距離にあるという魅力だと思うのですがどうも行政に携わる人達にはその自然を守ろうという覚悟が見られません。

 変わっていいもの、変わってはいけないもの。少し皆で考えてみませんか?

2015/06/07

八ヶ岳高原サイクリング

今年で10年目を迎える「八ヶ岳高原サイクリング」この名称になる前は「アザレアツーリング」の名称で小諸の方まで走っていました。

 私はいつもスタッフとして最後尾についてリタイヤする参加者をピックアップしてエイドステーションまで運ぶ役をやってきました。勿論、私があまり活躍しない方がイベントとしては成功という事になるのですがリタイヤする方達にもそれぞれの事情がありドラマがあります。

 今年も100㎞コースに参加していたチームのリーダー役の方がかなりスピードが出ていたカーブで落車して左半身と顔に怪我を負ってしまいました。カーブを曲がった所だったので最後尾を付いてきた私の運転するサービスカーからは見えなくてカーブを曲がったところでちょうど落車して倒れている所でした。

 仲間の方が心配そうに傍について様子を見ていました。こういう場面では私達は申し出が無い限りピックアップはしません。過去にも登りのキツイところで息も絶え絶えで苦しそうに走っている最後尾の方に「大丈夫ですか?」声を掛けたところチームリーダーの方から「頑張っているところだからピックアップしますとは言わないで下さい」と注意を受けた事もありこれが教訓になっています。

 だから出発前に「何かあったら声を掛けて下さい。いつでも助けに行きますから」と言ってはありますが此方から「リタイヤしますか?」とは絶対聞きません。

 今回は落車して怪我をしており出血もあり本人も「諦めます」と言われたので壊れた自転車を積み込み、とりあえず近くのエイドステーションへ運びました。そこで応急処置をして顔を切っていたので「沁みますよ」といってから消毒すると「イテ~!もういいです。どうせ痛いんなら1回の方がよいから病院行って消毒して貰います」と本人も納得したので近くの病院に直行。

 車内で「すみませ~ん。迷惑かけちゃって・・・」と気遣われるので「いえいえ、その為にいるのですから・・・」とお話して無事病院へ。

 受付を済まし「そこのベンチでお待ち下さい」と言われたベンチを見るとやはりサイクリングのユニフォームを着て怪我した方が痛そうに座っていて「自転車ですか?」と聞くと「ハイッ、膝やっちゃって・・・」と言われ歩くのも辛そうでした。どうやら別のサイクリングイベントでやはり落車されたようでそちらの方の方が重傷そうでした。

 私はイベントのサポートに戻らなくてはならないので応援のスタッフを呼んで付き添いを代わって貰いサポートカーに戻りました。その後、その方は無事に治療を終えてゴール地点に車で来られて絆創膏だらけになった顔でチームの仲間と合流して「イタイヨ~」と嘆いて元気に帰って行かれました。

 大した事にならなくてホント良かったです。完走じゃなくても怪我をしても時間が経てば又、楽しい思い出です。皆さん、来年もお会いしましょう!

2015/05/27

運転免許更新

 5年ぶりの自動車免許の更新に行ってきました。本当なら地元の警察署で更新できるはずが間際の交通違反で一般講習を受ける羽目になってしまいました。

 アア、思い出しただけで腹がたってくるのですが(笑)あの時、交差点で目の前に○○湖の観光に使われる○陸両用車さえ居なければ・・・背の高い特殊車両なのですぐ後ろにつくと前が見えなくて、何気なくその特殊車両と一緒に交差点に入ったらその○陸両用車は黄色信号で交差点に入ったらしくて後ろに付いた私が交差点に入ったときは赤信号に・・・しかも交差点の左側で信号を待っていた先頭に白バイが・・・アア腹がたつ。

 当然の事ですが信号を渡り切った私は白バイに停車を求められて信号の先のお土産屋さんの大型駐車場に誘導されて「赤信号でしたね~」とやんわり注意され「そりゃないですよ~。あの車が前にいたら信号なんか見えないですよ~。あの○陸両用車はセーフだったんですか?」「あのタイミングだとギリギリセーフですね~あなたはアウト」「アチャ~だって前見えないし悪気はないんですよ」「ハイッ。あなたに悪気がないのは分かってますよ~(笑)でも赤信号でしたね」・・・てな事があり、免許更新間際の私はめでたく「信号無視」が宣告されてゴールド免許はむなしく消えていきました。

 そういう訳で今回は地元警察署での更新は認められず車で40分程の免許センターに行くことになりました。

 日曜日なのに多くの更新の人達で溢れており同じ一般講習を受ける仲間が一杯(笑)で講習会に充てられた部屋は満席でした。決められた席に着席して見渡すと「あ~こんなに交通違反で捕まった仲間がいるんだ(笑)」と何だか変な心境になってしまいました。

 ともあれ、あちこちの窓口で手続きを済ませ1時間ほどの講習ビデオを見て手元に渡された免許証は青色になってました。会場で撮影された顔写真も何だか人相悪くて・・・あ~あ、これからも安全運転で行かなくちゃと心に誓いました。

2015/05/17

屋根掃除

2年間ほったからしていた屋根掃除をしました。森の中に住んでいると屋根に枯葉がどんどん積もってきます。ここ八ヶ岳南麓には唐松が多く繁っていてこの枯葉が特に多く積もってきます。

 2年もほっておくと、かなりの厚みでこの細い唐松の枯葉が積み重なり発酵して熱を持ってきます。栄養分も多くあるのでこれが屋根に分厚く積もると、そこに飛んできた木々の種がこの栄養分を得て屋根から木が生えてくる事もあります。

 我が家も先日、フト屋根を見上げるとアレッ?見慣れない木が屋根の上に立っている!コリャいかん!となって今日、意を決して2年ぶりに屋根に積もった枯葉を掃除する事にしました。

 物置から梯子を取り出して手にはゴム手袋を嵌め箒を2本抱えてイザッ!屋根に上りました。屋根の上には分厚く枯葉が積もりそれを箒で掃こうとしますが分厚いのでこれが中々動きません。

 漸く枯葉を一部を退けると下はシットリと濡れていて滑る滑る・・危なくてうっかり立って居られません。仕方なく屋根に付けてある雪止めに足元をしっかりと乗せて滑らない様にしてから箒2本を振り回して枯葉を下に落としました。

 しかし、これでお終いではなく屋根には雨樋が付いていて当然、この中にもギッシリと枯葉が詰まっており、これは箒ではどうしようもなく又、屋根の先端についているので樋の中の枯葉を取り去るのは大変危険な作業になります。

 屋根から落ちない様に雪止めに足を乗せて足場をしっかり固めて屋根の上に四つん這いになってから手を伸ばして樋の中に手を突っ込んで少しづつ、どけていきます。

 こうして屋根の上で格闘すること小一時間程で枯葉はすっかりなくなり、漸く下に降りてきました。

 梯子からおりて少し離れた所から屋根を見上げるとすっかり屋根が綺麗になり身も心も何だか軽くなった様な気がしました。これでしばらくは安心して屋根を見上げる事が出来ます。ヤレヤレ・・・・

2015/05/04

GW狂想曲

 今年もGWがやってきました。毎年、書く事ですがこの時期、私は出来るだけジッと動かずに多くの都会から来た観光客の方達が自然を楽しんで又、都会に帰っていくまで大人しくしている事にしています。

 というものの仕事もあるのでどうしても最低限には車を運転して打ち合わせ等に行かなくてはならないのですが普段、ほとんど車が通らない田舎の農道にも高級車や大型SUVがもの凄いスピードで走り回りちょっとでも遅い地元の車でも走っていようものならぶつかりそうな程、幅寄せして煽り立てて見ていてもとても危ない事が沢山あります。

 今日も信号を右折しようとしたら前の車が交差点内で右折車線に止まっていたのでその後ろにつけて反対方向の車が途切れるのを待っていたら車の流れが途切れても一向に右折する気配がなく信号が変わってしまいました。

 仕方なくもう一度信号が青になるのをその車の後ろで待っていましたが又、信号が変わっても車の流れが途切れてもその車はウインカーを出したまま動こうとしません。

 仕方なくクラクションを鳴らして危険を知らせても前の車の運転手さん(女性)は助手席の人と何やら会話していて動こうとしません。私の後ろにも車の列が出来てしまいこれは危ないと思い、もしかしたら故障でもして動けなくなったのかと思いドアを開けて見にいこうとしたら、今度は赤信号を無視して猛スピードで右折して行きました。

 私はあっけにとられて???状態です。一体あれは何だったのでしょう?いつからこんなに日本人は運転マナーが悪くなったのでしょうかね?何だか皆、イライラしているようで危なくてうっかり車も運転出来ません。やっぱりGWは大人しく家でジッとしているのが良いようです(笑)

2015/04/26

桜の季節

高原の冬は寒くて長い。その分、春の訪れが待ち遠しくて美しい春が訪れます。

 春の兆しは色々なところで感じる事が出来ます。先ずは朝、高原の森の奥から昇る太陽の位置。毎朝、朝食の時に東の森の奥から昇る太陽の位置が徐々に北側に移って行きます。本当に座った位置から見えていた朝の太陽の昇る位置が毎日、目印にしていた木1本ずつずれていきます。

 そして冬の間、消える事の無かった森の奥の雪が気がついたら小さな穴が開くように地面が見える様になり、ある日ぽっかり大きな穴に広がっていきます。

 そして春先、凍っていた地面が徐々に溶け始めドロドロの粘土の様な状態になり凍みあがってボコボコになっていた地面がいつの間にか踏みつけられたように平らになっていきます。

 そして、いよいよ春の代名詞、桜の開花情報です。高原の標高の低い所から徐々に桜が咲き始めその色が段々、山の上に登ってきます。そして最後に山桜が咲き終わるまでほぼ1か月程色々な桜が楽しめます。

 我が家の庭にはこの家の守り神となっている大きな辛夷の木が立っています。気が付くとこの辛夷の木も麓の方から徐々に先始め、丁度、今が満開です。

 そして、この辛夷の花が終わってボタボタと落ち始めると森の中は一気に新緑の季節になってきます。毎日、徐々に若芽が出て森の中の緑色が本当に少しずつ濃くなっていきます。

 一年のうちで最も森が活気づく季節です。こんな春の訪れがあるから寒い冬も我慢できるのかも知れません。

2015/04/12

木の香りを科学する

 先日、東京で開催された杉のセミナーに参加してきました。今回のテーマは「香り」です。昔から日本人は様々な「香り」に対する文化を持っていました。歴史的に有名なのは「沈香木」や「白檀」といったもので小野小町はこの香りを好んで使っていたそうです。

 最近では「アロマセラピー」という言葉が良く使われ、これは「Aromatic compound(芳香族化合物)」という言葉からきているようでこれは「良いにおい」がする物質を指していますが世の中には当然、嫌な匂いもありこれを効果的に使って忌避物質として防虫剤なんかに使っています。

 では人間はどうやって匂いを感じるのでしょうか?当たり前のことですが人間は鼻から匂いを取込み鼻の中の粘膜でその成分を感知して嗅覚神経を通して脳細胞の「海馬」というところに匂いの記憶としてしまい込むのだそうです。だから良く昔、好きだった男性や女性の匂いをある日、どっかで感知すると思い出したりするのですね(笑)

 最近は森林セラピーという言葉が認知されて森の中でリラックスする効果が期待されています。ではどうして森の中にいると人間はリラックスできるのでしょうか?現在、この現象について様々な分野から研究が行われていますがこれを「香り」という観点からも研究が進んでいます。

 現在までの研究ではどうしてもアンケート調査に重点が置かれこの場合はデータに主観性が入ったりしてハッキリとした効果を説明出来ない事もあるのですがこれを今後、科学的に解明していこうという研究も進んできました。

 人間の自律神経には大きく「交感神経」と「副交感神経」があり「交感神経」は活発に人間が活動する時に効果を発揮し「副交感神経」は睡眠中や安静にしている時に優位に働いています。この「副交感神経」の効果が近年のストレス社会を過ごす現代人には大きな期待がもたれています。

 森の中にいると檜や杉の香りに包まれます。この木の香りが人間の体にどのような作用を起こしているのでしょうか?例えばマウスによる実験では「サイプレス(豪州ヒノキ)」という木の板材を床材に使用した飼育箱とそうでない飼育箱で育てたマウスとではその体重変化に顕著な差がでたそうです。

 その体内で何が起きていたかというと血中のコレステロール濃度が木の板材を使用していたマウスの方が三分の二に低減していたそうです。

 人間の被験者に対する実験も進んできており被験者に外部との環境を隔離した状態である一定の香りを定期的に嗅いで貰い脳波の変化を測定すると様々な条件下で明確な反応が出る可能性が分かってきました。

 具体的にいうと例えば杉やヒノキから香り成分(精油)を抽出しその香りを嗅ぐと副交感神経が刺激されて鎮静効果が得られると言われています。しかし、これにはまだまだ統計学上の実験数を増やしていく必要があります。

 これからは森林の香りが人間の体に及ぼす癒しの効果について医療関係者との共同研究や林床実験が必要になってきます。

 しかし、人類は間違いなく森林の恩恵を受けて長い年月を過ごしてきました。これからも森林を大切にして守り通していかなくては人間の明るい未来は無いと思います。

2015/03/28

季節の移ろい

 長くて寒かった今年の冬もようやく威力が衰え八ヶ岳の麓にも春の兆しが訪れる様になりました。

 森の中に残っていた雪の塊も徐々に解けていき気が付けばすっかり下草が見えるようになりました。

 標高の低い地域ではもう桜の開花情報が聞かれるようになり、いよいよ花の季節が始まろうとしています。

 先日、東京から移り住まれた方とお話していたら「こちらに来て随分、体の調子が良くなって自分でもこんなに都会での暮らしでストレスが掛かっていたなんて気が付かなかったよ」と言っておられました。

 具体的には本当に些細な事なのですが例えば車を運転していても渋滞がなく信号が少ないので運転が楽だとか、夜、余計な騒音が全く聞こえず安眠できるだとか本当に日常での些細な事なのですが人間は知らず知らずのうちにこういうストレスが徐々に溜まっていくことに気が付いていないようです。私もそうでしたから・・・

 自然の中で暮らすという事は不便な事も多いですがその分、ストレスが少なくて済むというメリットもあります。

 高原で暮らしていると冬は寒くてちょっと辛いですがその分、春の訪れが心から待ち遠しくて春を感じた時の嬉しい気持ちも格別です。季節の変化がはっきりしているので自然の移ろいが目に見えて感じられます。

 これから森の中は徐々に美しい新緑の眩しい草色に染まっていきます。新しい生命力を一年で一番感じる季節です。又、その様子を徐々にお伝えしていきます。

2015/03/23

ついに日本カモシカに出会った・・・けど

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山梨に移住してからもう27年が経とうとしています。この間、どうしても会いたい動物がいました。

 廻りには居る筈なのに何故か出会う事がなくいつか出会えるだろうとタカを括っていたら何故か出会う事がなく今まで時が過ぎてしまいました。

その動物とは国の特別天然記念物の「日本カモシカ」です。八ヶ岳にも高度の高い地域に生息していますがたまに里山近くまで降りてくる事があり運が良ければ出会うことが出来ます。

 なので私もいつか出会うことがあるだろうと思っていたのです。実際、私の廻りには何度も出会った事があるという人が沢山いて何だかそういう話を聞くたびに「何で出会わないのかな~」と会った人たちが羨ましかったのです。

 しかし、ついにその時が来たのです。先日、仕事中に携帯に着信履歴が残っているのに気が付きました。誰だろうと思って画面をみると事務所の隣で指圧師をしている友人からで「何でもないんだけどカモシカが歩いてるのを見たから知らせてあげようと思って・・・」「エッ!何時?」「もう大分前・・・でも、もう居なくなっちゃった」との事。「またしてもダメか・・・ホトホト縁がない」と落胆していました。

 仕方なく事務所で仕事を続けていたら隣の事務所の事務員さんが外を眺めて「来て来て!」と呼ぶので外に出てみると「ホラッ!あそこ」と指差した向こうにあれほど恋焦がれたカモシカがついに姿を現しました。

 その神秘な国の特別天然記念物は何と・・・隣のアパートの庭の下草をムシャムシャ食べていたのです。その姿が写真の姿です。

 近寄っていっても別に逃げるでもなく普通に窓下の草を食んでいて「これじゃまるでヤギじゃないか・・・・」あれ程会いたくて長年、夢に見た日本カモシカが・・・・・ヤギだった(笑)

2015/03/12

3.11あの日を忘れない

4年前の3月11日、私は北杜市大泉町の事務所にいました。突然、ガタガタという大きな音と共に大きく建物が揺れ始め立っていられない程でした。少し揺れが落ち着いたところで外に出て周りの様子を伺いました。

 周囲の建物からも人々が出てきて不安そうに周りを見ていました。すぐに停電したために情報が入ってこずに何が起こったのか分かりませんでしたが隣の事務所の方が発電機をもってきてTVを付けてみたらそこには信じられない様な映像が映っていました。まるで映画を見ているような恐ろしいシーンが映し出されて本当にこれは何かの間違いか空想の事ではないかと思いました。

 直ぐにスタッフに連絡をとり事務所に戻って来るように指示してそれぞれの自宅に帰して家族の安全を確保する様にしました。

 その後、停電は直ぐに回復するだろうと思っていましたが結局、一日回復することはなく丁度、八ヶ岳は寒波に襲われていたので停電により多くの方は暖房や炊飯の為のエネルギーを失い大変な思いをしました。我が家は幸い、ウッドストーブだったので暖房は確保でき明かりはローソクと懐中電灯で凌ぎました。

 しかし、軒並み停電による配管の凍結が起こり、その後の被害の拡大に繋がっていきました。

 あれから4年、徐々にあの時の悲惨な思いが薄れつつあります。当たり前の日常が実は当たり前ではなかったという事実も、いつの間にか又、当たり前の事になりつつあります。

 あれ程の被害をもたらし今尚、被害の収束に大変な労力を強いられている福島原子力発電所の現状を知りながらそれでも又、各地にある原発の再稼働を始めようとしています。

 もう一度あの様な原子力発電所の事故が別の場所で発生したら日本は一体どうなってしまうんだろうと心配しています。

 あの日を忘れない・・・当たり前の様に暮らしていける毎日の暮らしが実は自然災害によって当たり前ではなくなってしまうかも知れない。その事を忘れない為に「あの日を忘れない」

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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