2015/05/17

屋根掃除

2年間ほったからしていた屋根掃除をしました。森の中に住んでいると屋根に枯葉がどんどん積もってきます。ここ八ヶ岳南麓には唐松が多く繁っていてこの枯葉が特に多く積もってきます。

 2年もほっておくと、かなりの厚みでこの細い唐松の枯葉が積み重なり発酵して熱を持ってきます。栄養分も多くあるのでこれが屋根に分厚く積もると、そこに飛んできた木々の種がこの栄養分を得て屋根から木が生えてくる事もあります。

 我が家も先日、フト屋根を見上げるとアレッ?見慣れない木が屋根の上に立っている!コリャいかん!となって今日、意を決して2年ぶりに屋根に積もった枯葉を掃除する事にしました。

 物置から梯子を取り出して手にはゴム手袋を嵌め箒を2本抱えてイザッ!屋根に上りました。屋根の上には分厚く枯葉が積もりそれを箒で掃こうとしますが分厚いのでこれが中々動きません。

 漸く枯葉を一部を退けると下はシットリと濡れていて滑る滑る・・危なくてうっかり立って居られません。仕方なく屋根に付けてある雪止めに足元をしっかりと乗せて滑らない様にしてから箒2本を振り回して枯葉を下に落としました。

 しかし、これでお終いではなく屋根には雨樋が付いていて当然、この中にもギッシリと枯葉が詰まっており、これは箒ではどうしようもなく又、屋根の先端についているので樋の中の枯葉を取り去るのは大変危険な作業になります。

 屋根から落ちない様に雪止めに足を乗せて足場をしっかり固めて屋根の上に四つん這いになってから手を伸ばして樋の中に手を突っ込んで少しづつ、どけていきます。

 こうして屋根の上で格闘すること小一時間程で枯葉はすっかりなくなり、漸く下に降りてきました。

 梯子からおりて少し離れた所から屋根を見上げるとすっかり屋根が綺麗になり身も心も何だか軽くなった様な気がしました。これでしばらくは安心して屋根を見上げる事が出来ます。ヤレヤレ・・・・

2015/05/04

GW狂想曲

 今年もGWがやってきました。毎年、書く事ですがこの時期、私は出来るだけジッと動かずに多くの都会から来た観光客の方達が自然を楽しんで又、都会に帰っていくまで大人しくしている事にしています。

 というものの仕事もあるのでどうしても最低限には車を運転して打ち合わせ等に行かなくてはならないのですが普段、ほとんど車が通らない田舎の農道にも高級車や大型SUVがもの凄いスピードで走り回りちょっとでも遅い地元の車でも走っていようものならぶつかりそうな程、幅寄せして煽り立てて見ていてもとても危ない事が沢山あります。

 今日も信号を右折しようとしたら前の車が交差点内で右折車線に止まっていたのでその後ろにつけて反対方向の車が途切れるのを待っていたら車の流れが途切れても一向に右折する気配がなく信号が変わってしまいました。

 仕方なくもう一度信号が青になるのをその車の後ろで待っていましたが又、信号が変わっても車の流れが途切れてもその車はウインカーを出したまま動こうとしません。

 仕方なくクラクションを鳴らして危険を知らせても前の車の運転手さん(女性)は助手席の人と何やら会話していて動こうとしません。私の後ろにも車の列が出来てしまいこれは危ないと思い、もしかしたら故障でもして動けなくなったのかと思いドアを開けて見にいこうとしたら、今度は赤信号を無視して猛スピードで右折して行きました。

 私はあっけにとられて???状態です。一体あれは何だったのでしょう?いつからこんなに日本人は運転マナーが悪くなったのでしょうかね?何だか皆、イライラしているようで危なくてうっかり車も運転出来ません。やっぱりGWは大人しく家でジッとしているのが良いようです(笑)

2015/04/26

桜の季節

高原の冬は寒くて長い。その分、春の訪れが待ち遠しくて美しい春が訪れます。

 春の兆しは色々なところで感じる事が出来ます。先ずは朝、高原の森の奥から昇る太陽の位置。毎朝、朝食の時に東の森の奥から昇る太陽の位置が徐々に北側に移って行きます。本当に座った位置から見えていた朝の太陽の昇る位置が毎日、目印にしていた木1本ずつずれていきます。

 そして冬の間、消える事の無かった森の奥の雪が気がついたら小さな穴が開くように地面が見える様になり、ある日ぽっかり大きな穴に広がっていきます。

 そして春先、凍っていた地面が徐々に溶け始めドロドロの粘土の様な状態になり凍みあがってボコボコになっていた地面がいつの間にか踏みつけられたように平らになっていきます。

 そして、いよいよ春の代名詞、桜の開花情報です。高原の標高の低い所から徐々に桜が咲き始めその色が段々、山の上に登ってきます。そして最後に山桜が咲き終わるまでほぼ1か月程色々な桜が楽しめます。

 我が家の庭にはこの家の守り神となっている大きな辛夷の木が立っています。気が付くとこの辛夷の木も麓の方から徐々に先始め、丁度、今が満開です。

 そして、この辛夷の花が終わってボタボタと落ち始めると森の中は一気に新緑の季節になってきます。毎日、徐々に若芽が出て森の中の緑色が本当に少しずつ濃くなっていきます。

 一年のうちで最も森が活気づく季節です。こんな春の訪れがあるから寒い冬も我慢できるのかも知れません。

2015/04/12

木の香りを科学する

 先日、東京で開催された杉のセミナーに参加してきました。今回のテーマは「香り」です。昔から日本人は様々な「香り」に対する文化を持っていました。歴史的に有名なのは「沈香木」や「白檀」といったもので小野小町はこの香りを好んで使っていたそうです。

 最近では「アロマセラピー」という言葉が良く使われ、これは「Aromatic compound(芳香族化合物)」という言葉からきているようでこれは「良いにおい」がする物質を指していますが世の中には当然、嫌な匂いもありこれを効果的に使って忌避物質として防虫剤なんかに使っています。

 では人間はどうやって匂いを感じるのでしょうか?当たり前のことですが人間は鼻から匂いを取込み鼻の中の粘膜でその成分を感知して嗅覚神経を通して脳細胞の「海馬」というところに匂いの記憶としてしまい込むのだそうです。だから良く昔、好きだった男性や女性の匂いをある日、どっかで感知すると思い出したりするのですね(笑)

 最近は森林セラピーという言葉が認知されて森の中でリラックスする効果が期待されています。ではどうして森の中にいると人間はリラックスできるのでしょうか?現在、この現象について様々な分野から研究が行われていますがこれを「香り」という観点からも研究が進んでいます。

 現在までの研究ではどうしてもアンケート調査に重点が置かれこの場合はデータに主観性が入ったりしてハッキリとした効果を説明出来ない事もあるのですがこれを今後、科学的に解明していこうという研究も進んできました。

 人間の自律神経には大きく「交感神経」と「副交感神経」があり「交感神経」は活発に人間が活動する時に効果を発揮し「副交感神経」は睡眠中や安静にしている時に優位に働いています。この「副交感神経」の効果が近年のストレス社会を過ごす現代人には大きな期待がもたれています。

 森の中にいると檜や杉の香りに包まれます。この木の香りが人間の体にどのような作用を起こしているのでしょうか?例えばマウスによる実験では「サイプレス(豪州ヒノキ)」という木の板材を床材に使用した飼育箱とそうでない飼育箱で育てたマウスとではその体重変化に顕著な差がでたそうです。

 その体内で何が起きていたかというと血中のコレステロール濃度が木の板材を使用していたマウスの方が三分の二に低減していたそうです。

 人間の被験者に対する実験も進んできており被験者に外部との環境を隔離した状態である一定の香りを定期的に嗅いで貰い脳波の変化を測定すると様々な条件下で明確な反応が出る可能性が分かってきました。

 具体的にいうと例えば杉やヒノキから香り成分(精油)を抽出しその香りを嗅ぐと副交感神経が刺激されて鎮静効果が得られると言われています。しかし、これにはまだまだ統計学上の実験数を増やしていく必要があります。

 これからは森林の香りが人間の体に及ぼす癒しの効果について医療関係者との共同研究や林床実験が必要になってきます。

 しかし、人類は間違いなく森林の恩恵を受けて長い年月を過ごしてきました。これからも森林を大切にして守り通していかなくては人間の明るい未来は無いと思います。

2015/03/28

季節の移ろい

 長くて寒かった今年の冬もようやく威力が衰え八ヶ岳の麓にも春の兆しが訪れる様になりました。

 森の中に残っていた雪の塊も徐々に解けていき気が付けばすっかり下草が見えるようになりました。

 標高の低い地域ではもう桜の開花情報が聞かれるようになり、いよいよ花の季節が始まろうとしています。

 先日、東京から移り住まれた方とお話していたら「こちらに来て随分、体の調子が良くなって自分でもこんなに都会での暮らしでストレスが掛かっていたなんて気が付かなかったよ」と言っておられました。

 具体的には本当に些細な事なのですが例えば車を運転していても渋滞がなく信号が少ないので運転が楽だとか、夜、余計な騒音が全く聞こえず安眠できるだとか本当に日常での些細な事なのですが人間は知らず知らずのうちにこういうストレスが徐々に溜まっていくことに気が付いていないようです。私もそうでしたから・・・

 自然の中で暮らすという事は不便な事も多いですがその分、ストレスが少なくて済むというメリットもあります。

 高原で暮らしていると冬は寒くてちょっと辛いですがその分、春の訪れが心から待ち遠しくて春を感じた時の嬉しい気持ちも格別です。季節の変化がはっきりしているので自然の移ろいが目に見えて感じられます。

 これから森の中は徐々に美しい新緑の眩しい草色に染まっていきます。新しい生命力を一年で一番感じる季節です。又、その様子を徐々にお伝えしていきます。

2015/03/23

ついに日本カモシカに出会った・・・けど

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山梨に移住してからもう27年が経とうとしています。この間、どうしても会いたい動物がいました。

 廻りには居る筈なのに何故か出会う事がなくいつか出会えるだろうとタカを括っていたら何故か出会う事がなく今まで時が過ぎてしまいました。

その動物とは国の特別天然記念物の「日本カモシカ」です。八ヶ岳にも高度の高い地域に生息していますがたまに里山近くまで降りてくる事があり運が良ければ出会うことが出来ます。

 なので私もいつか出会うことがあるだろうと思っていたのです。実際、私の廻りには何度も出会った事があるという人が沢山いて何だかそういう話を聞くたびに「何で出会わないのかな~」と会った人たちが羨ましかったのです。

 しかし、ついにその時が来たのです。先日、仕事中に携帯に着信履歴が残っているのに気が付きました。誰だろうと思って画面をみると事務所の隣で指圧師をしている友人からで「何でもないんだけどカモシカが歩いてるのを見たから知らせてあげようと思って・・・」「エッ!何時?」「もう大分前・・・でも、もう居なくなっちゃった」との事。「またしてもダメか・・・ホトホト縁がない」と落胆していました。

 仕方なく事務所で仕事を続けていたら隣の事務所の事務員さんが外を眺めて「来て来て!」と呼ぶので外に出てみると「ホラッ!あそこ」と指差した向こうにあれほど恋焦がれたカモシカがついに姿を現しました。

 その神秘な国の特別天然記念物は何と・・・隣のアパートの庭の下草をムシャムシャ食べていたのです。その姿が写真の姿です。

 近寄っていっても別に逃げるでもなく普通に窓下の草を食んでいて「これじゃまるでヤギじゃないか・・・・」あれ程会いたくて長年、夢に見た日本カモシカが・・・・・ヤギだった(笑)

2015/03/12

3.11あの日を忘れない

4年前の3月11日、私は北杜市大泉町の事務所にいました。突然、ガタガタという大きな音と共に大きく建物が揺れ始め立っていられない程でした。少し揺れが落ち着いたところで外に出て周りの様子を伺いました。

 周囲の建物からも人々が出てきて不安そうに周りを見ていました。すぐに停電したために情報が入ってこずに何が起こったのか分かりませんでしたが隣の事務所の方が発電機をもってきてTVを付けてみたらそこには信じられない様な映像が映っていました。まるで映画を見ているような恐ろしいシーンが映し出されて本当にこれは何かの間違いか空想の事ではないかと思いました。

 直ぐにスタッフに連絡をとり事務所に戻って来るように指示してそれぞれの自宅に帰して家族の安全を確保する様にしました。

 その後、停電は直ぐに回復するだろうと思っていましたが結局、一日回復することはなく丁度、八ヶ岳は寒波に襲われていたので停電により多くの方は暖房や炊飯の為のエネルギーを失い大変な思いをしました。我が家は幸い、ウッドストーブだったので暖房は確保でき明かりはローソクと懐中電灯で凌ぎました。

 しかし、軒並み停電による配管の凍結が起こり、その後の被害の拡大に繋がっていきました。

 あれから4年、徐々にあの時の悲惨な思いが薄れつつあります。当たり前の日常が実は当たり前ではなかったという事実も、いつの間にか又、当たり前の事になりつつあります。

 あれ程の被害をもたらし今尚、被害の収束に大変な労力を強いられている福島原子力発電所の現状を知りながらそれでも又、各地にある原発の再稼働を始めようとしています。

 もう一度あの様な原子力発電所の事故が別の場所で発生したら日本は一体どうなってしまうんだろうと心配しています。

 あの日を忘れない・・・当たり前の様に暮らしていける毎日の暮らしが実は自然災害によって当たり前ではなくなってしまうかも知れない。その事を忘れない為に「あの日を忘れない」

2015/03/03

猫との暮らし

我が家には2匹の猫がいます。2匹とも里親制度を利用して貰ってきた猫で今年で5歳になります。

 2匹は全く性格の違う猫で雄猫の方はとにかく甘えん坊で一日中くっついています。もう1匹の雌猫は野生に近く、我が家に来た時も2週間程キッチンの流しの裏に隠れて出てこなかった程です。それでも今はやっと食事の時に膝に乗って甘えるようになりました。

 猫との暮らしはここの森に暮らす様になって5匹目になります。私は子供の頃から猫を飼っていたのでいつも身近に猫が居たように思います。猫という生き物は犬と違って決して飼い主に媚を売るようなところがなく、良く「猫は人間に飼われているのではなく世話させてやっていると思っている」と言われますが本当にそんな気がします。

 他にも猫は一日の中で自分で決めた習慣やルールがあり例えば夕方、家の者が帰ってきたら必ずオヤツを貰って食べるとか女房が洗濯物を干す時は必ず一緒に傍に居て頭を撫でて貰うとか朝食の時は雄猫は女房の膝に乗り雌猫は私の膝に必ず乗り決して入れ替わる事はありません。又、私が花粉症なので良く家の中でクシャミをしますがそうすると必ず雄猫はニャーニャーとクシャミのマネをしながら私に文句を言いに寄ってきます。

 何でこれらの習慣が始まったのか分かりませんが一日の中でどれか一つでも怠ると結構根に持って文句を言いにきます。特に夕方のオヤツは貰うまでしつこく文句を言いにきます。冬の間は夜、ウッドストーブの周りに猫のベッドを置いてやると朝までそこで寝ていますがこっちが起きる気配を感じると寝室のドアの前で必ず待っていて起きてこないと又ニャーニャーと文句を言ってドアを引っかいたりします。

 猫との暮らしはもう生活の一部になっているので今では猫のいない暮らしは考えられないです。これからもきっとこの猫達と共に森の中の生活を続けていくと思います。

2015/02/22

小さな幸せ

八ヶ岳の森の中での暮らしは小さな幸せが沢山あります。

 今日は外出先から車で帰ってくると家のすぐ前で沢山の小鹿達が餌を求めて下草を食んでいました。そっと近づいても少し怯えた素振りをするものの逃げようとはせずにジッとこっちを見ていました。動物園の鹿達とは違ってやはり野生の威厳が彼らにはあります。

 冬は寒くて辛い時もありますが家の中でウッドストーブに薪をくべてジッと炎を見ている時は小さな小さな喜びです。

 家から見える2000m級の山々は冬、美しく白く輝きそれはそれはそれは神々しい姿を見せてくれます。

 私の大好きな映画館には車で1時間程かかりますがそれでもそんなに遠いとは感じません。

 都会に出ていった子供達には「何時までここに住んでるつもり?」と聞かれますが私は何時までもここに住んでいたいと思っています。

 確かに都会と比べて不便だし車が無いと何処へも行けないしちょっと飲みに行くにも誰かに送って貰わないと酒も飲めません。周りは夜になると真っ黒で何も見えない程暗いし、朝だって新聞すら自宅に届かないけどそれでも都会にはない小さな幸せが沢山ここにはあります。

 都会と違って夜は人工的な音は一切聞こえず聞こえるのは動物の鳴き声や森の木々が風に揺れる音だけです。それが何とも言えない静けさなのです。だからここの生活はやめられないんだな(笑)

2015/02/15

冬の終わり

寒かった今年の冬もまだまだ寒さは厳しいもののそろそろ終わりを迎えています。気温そのものはまだまだ寒いのですが日中の日差しは明らかに変わって来ています。

 朝の気温は氷点下6~7度位が普通ですが日の出の位置も徐々に北に移ってきたのが分かります。これからは里雪といって湿った重い雪が結構な量で降る事もあるのでまだまだ油断は出来ません。昨年も丁度この時期に山梨県の観測記録を塗り替える2m近い大雪に見舞われました。

 又、体感的にも寒暖の差が大きくなるこの時期は気温の割に寒く感じる事が多くて結構辛い時期でもあります。それでも段々、道の雪が解けていくのを見ていると冬の終わりが近い事を感じます。

 今年の冬は今のところ例年並みの寒さと雪だった様に思います。これから徐々に暖かい日が多くなり白く雪に覆われた森の中の地面も所々穴が開いたように土が見えてきてやがて気が付くと若葉の季節を迎えています。

 早く新緑に覆われた美しい森の中を見てみたいものです。新しい春を迎える頃はまた色々な新しい変化が始まるような気がしています。それが良い変化になる様に願っています。

アシストのHPへ
八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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