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2007年4月

2007/04/30

週末DIY大工のつぶやき

昨晩、自宅に帰ったら家の中がすっかり模様替えされていた。実は昨年の今頃から家の中というかデッキを含めて増改築しているのを以前、お話したけれどやっと外から見た大体の感じは終了した。というか中はまだまだなんだけど何となく外観は出来たという事なんだけど・・・で、女房が待ちきれずに家の中の模様替えに踏み切ったと言う訳。

今まで外のデッキだった所に屋根を掛けて床を貼って増築し、玄関も外に出して床を造って「風除室」風に変えました。本当はもっと早くしたかったんだけど色々事情があって中々進まずに(何せ週に一日ずつしか進まないんだからしょうが無いんだけどね・・)ここまで掛かってしまったのです。しかも未だ室内は断熱材がむき出しでまだまだこれから室内の壁板を貼ったり、収納を造ったりとやらなくちゃならない事は山積で、しかも大体の形が出来てくると女房のリクエストが段々具体的になってきて収納棚の位置だとかコンセントの位置だとか次から次と要望が増えて来て困っている。マア、最初の家作りは全く私の好きで造ったログハウスなので今回は少し要望を聞いとかないと熟年離婚なんて言葉も浮かんできそうなので立場が弱いのです。

しかし、天窓をつけたサンルームは中々好評で一番、喜んでいるのは我が家のバカ猫のようです。一時は癲癇の発作で生死のハザマをさまよったのですが今も薬は欠かせないものの日がな一日天窓から差し込んでくる光を求めてサンルームのソファーの上でほぼ一日寝転がっている。今までリビングだったところには誰も寄り付かずひたすら新しく出来たサンルームの中にいるのだから住環境というのは面白ですね。ちょっと雰囲気を変えてやるとこんなにも住んでいる人の動きも変わってしまうのですね。

玄関も今までは開けるとコンニチハ状態で家の中まで丸見えだったのが風除室になったお陰で室内がすっかり落ち着いて来ました。自分が最初にプランを描いた時は出来るだけシンプルなプランで作りたかったので何にも考えずに「コレデヨインダ」とエイヤッと造ってしまったのですが20年近く住んでると段々、生活環境も変わってきてやっぱりもう少し住み易くしたいな・・・なんて思い始めたのがきっかけではじめた週末大工だったんですがほぼ一年が経過した今、ちょっと落ち着いてきて「フムフム良くなったじゃないか」と自己満足に浸る余裕が出来てきました。

これからまだ新たにベランダをつくったり2階の布団干しスペースを作ったりとまだまだ改装は終わりそうもないし何だか一生、終わらないんじゃないかという気もしてきてマア、それはそれでも良いか何て思うこの頃です。何だか「北の国から」のゴローさんの気持ちがわかるような気がしてきました。

自分の家を自分でいじるという幸せにどっぷりと浸かってしまいエンドレスな週末大工職人の溜息はまだまだ続きそうです。ああ、早くゆっくりとデッキでビールを飲みながら星でも眺めたいんだけどな・・・でも終わっちゃうと寂しいかな。

2007/04/23

竹炭つくり、失敗!

Sumi1 Sumi2

先週、釜に入れた竹がそろそろ炭になっている頃なので昨日、皆で楽しみに取りに行きました。現地で集合して講師をして頂いた先生に改めて挨拶して貰ったところなにやらちょっと心配気味な話が飛び出しました。釜に火を入れて順調に煙が出始めてから空気の取り入れ口を最低限に閉めて煙の様子を2昼夜観察しながら釜の火の調節をするのですが火をいれた当日の夜中、先生が見に行ったところ順調に煙が出ていたので安心して次の日の早朝に見に行ったところ、いつもなら煙が出ているはずがすっかり消えていたという話・・・ウンッ?火が消えていた→竹がすっかり灰になってしまった、もしくは途中で火が消えて生の竹になってしまった。のどちらか??

 心配顔の先生と一緒に釜に行き土を被せてしっかり閉鎖しておいた釜のフタを開けるべく土を除き、蓋を開け思わず全員が煤に煙る釜の中を覗き込む!結果!アリマシタ!灰が・・・・そう見事に灰になってました。出来上がっていた竹炭はごくわずか・・大半は竹灰になってました。ガッカリする先生は釜の中にはいって灰を含んで全ての竹炭を出して「悪かったね・・」イエイエ先生!めげるもんですか!もう一度やりましょう!てなワケで全員、再度竹林に戻り、前回伐った時に余って残っていた竹を割って再度、釜に入れてリベンジする事になりました。

今から考えれば、前回、釜に火を入れた日は春の嵐のような異常な雨上がりの後で突風が巻いて釜の中に空気が逆流し我々もすっかり煙に燻されてしまったのですが、確かにあの時煙突から空気が釜の中に逆流しかなりの勢いで煙が噴出してたな~きっとあの勢いで竹に火が入ってしまったのだろうな・・・

NPO「八ヶ岳南麓景観を考える会」で私が担当する「森つくりの達人」講座、今年最初の竹炭つくりはこうして逆境にもまれながら不屈の精神で二度目の(懲りずに?)チャレンジをしたのでありました。フ~ ツ・カ・レ・タ

果たしてリベンジななるのでしょうか・・・

2007/04/15

竹炭つくり

Take1 Take2 Take3

会員になっているNPO「八ヶ岳南麓景観を考える会」で私が担当する森つくり講座が開かれて「竹炭」を造りました。私自身も始めての経験だったのでどの様に造るのか興味津々だったのですが講師を務めて頂いた高橋さんの指導のもと20名程の参加者が集まって北杜市須玉町の津金で高橋さんが廃材を集めて造った自家製釜を利用して竹炭つくり講座を開いたという訳です。

竹炭に使う竹はあらかじめ乾かしておかなくてはならないので一月程前に近くの竹林から事前に伐りだしておいたのですがそれを釜の大きさに併せて切り揃え釜の中に入れます。それが左側の写真です。ちなみに釜は土木作業に使う土管の古くなったのを貰ってきたものです。

そしてその土管に隙間なく竹を詰め込んで、あっそうそう、竹の一番下には着火を良くする為に少し乾いた古い竹を入れておくと良いみたいです。それが真ん中の写真。そしてその後釜を密閉する為に蓋をし、更にその廻りを粘土状にした赤土で塞ぎ更に土を被せて完全に密閉します。ちょっとでもどっかから空気がもれると竹が燃え尽きてしまい失敗するのでご用心ご用心・・・

 そしていよいよ、着火。焚き込み口に乾いた木片と新聞を詰め込んでマッチで火をつけます。当日は風が強く空気が煙突から逆流して中々釜の中に煙が入りません。高橋さんが家からウチワ代わりのでかい袋を持ってきて焚き込み口を一生懸命扇ぐ事10分、突然、煙突から白い煙が上がり始めました。やっと釜の中の竹に火が廻った証拠です。一同、感激の雄叫びを「オ~~」と上げたのは良かったのですが折からの強風がさかんに風向きを変えるのでその度に逃げ回らなくてはならず「何で俺を追い回すんだよ!」と煙に八つ当たりする始末。しかも竹に火が廻ったもんでその白い煙はますますその濃度を増し、目に染みるなんてモンじゃない。みんな顔が真っ赤になってすっかり燻されてしまいました。「マア、体の悪い菌を殺菌したと思えばイイカ・・・」と半ばアキラメの状態。

そして着火から待つ事約1時間半、すっかり竹炭の煙に全員が燻された頃、高橋先生の「そろそろ塞ぎますか」の声、これで焚き込み口も最小限に塞いで約2日間待っていると煙突からの煙が白から青に変わり竹炭が完成した証拠の狼煙が上がると言う訳。我々参加者はこれで引き上げですが高橋先生は2日間、この釜の煙を四六時中監視していなくてはならないのです。うっかり白煙の色が青に変わったのを見過ごすと憐れ、釜を開けると残ったのは炭ならぬ灰と言う事もたまにはあるそうな。

私達がこの釜を開けるのは一週間後、果たして竹炭は出来ているのでしょうか?それは来週のお楽しみ・・・ちなみに高橋先生の家では灯油は一切使わずもっぱら冬の暖はこの竹炭を炬燵の中にいれて過ごしているそうな。う~ん、竹炭もなかなか奥が深い。ご飯にいれたり水の中にいれるとミネラル一杯の美味しい水になるらしい。ちなみに我が家でもお水をいれたポットの中で竹炭がガランガラン言っている。

竹炭つくり意外と簡単に出来ますよ。皆さん興味のある方は試してみたら・・・但し煙に燻されるのは覚悟して下さい。

2007/04/08

本当の「新月の木」とは?

20070408_160941875 私が所属しているNPO「新月の木国際協会」から電話があり「突然だけど今日、打ち合わせに箱根に来れる?」との事、幸いなんとかやりくりすれば行けない事もなかったので一昨日、アタフタと箱根に駆けつけました。もともとは昨日が講演会だったのでそのつもりでスケジュールを組んでいたんだけど突然の召集で駆けつけたワケです。

 今回の講演会は日本における森林学の大御所「本多静六」氏についての話をその親戚でもある遠山 益氏や孫にあたる本多健一氏に語って頂くのが基調講演になっていたのです。遠山先生の話はシロウトの私達にも分りやすくユーモア溢れる素晴らしい内容でした。

 しかし、私が呼ばれたのはそういう話ではなく現在、私達が進めている新月伐採法の普及活動に支障が出始めたのです。日本の山を活性化し国産材の普及と安全で良質な木材を提供する為に日本で古来より行われていた新月伐採法を現代に併せて復活させようという運動が広がりをみせたのは非常に嬉しい事なのですが、最近これを真似た活動が並行して広がりをみせ紛らわしくなってきたのです。

 具体的には「新月の木」という言葉が一人歩きを始めて本来、樹木が持つ自然のポテンシャルを引き出そうというのが目的なのに単にエコロジカルな営業戦略のキーワードとして使われ始め実態が全然伴わないという事なのです。

 「新月の木」は単に「新月の日」に伐れば良いという単純なものでは有りません。自然のポテンシャルを考慮しどのタイミングが一番、伐採に適しているのかを研究し、それが何故良いのかをテストピースを取って研究機関と協働研究を行い繰り返し検証を進めていく必要があります。又、「新月の木」は名前の響きが良いのでとかく「伐り旬」ばかりが取りざたされますが実はもっと大事なのは山で葉を付けたまま一定期間、天然乾燥(「葉枯らし」もしくは「熟成」と呼んでいます)し、更に最も大事なのはその過程が確実に行われたかを第三者(「現認者」と呼びます)が立会いその記録をつける事なのです。

 つまり食品と同じようにその木の履歴保証を確実に行うことによりその木に「品格」を与えようとするものなのです。いくら立派な事を口で言ってもそれを証明する記録がなければ意味がないのです。これは最近の企業活動では重要な要素となり履歴保証=トレーサビリテイーと呼んでいます。これが無い、もしくは捏造されたが為に近年、企業の不詳事が絶えないのです。履歴保証は良い事ばかりではありません企業が隠したい悪い事も含まれます。当然、木についても同じ事が言えます。正直にこの不詳事、もしくは意に反する事実を公表するのはとても辛いことです。だけど、現代の情報社会ではこれをしていかないと企業としては成り立たないのです。林業の世界ではこの点がかなり遅れていたと言えると思います。しかし、漸くこの業界でもこのトレーサビリテイーの重要性が認識されてきました。今までははっきり言ってこの木が一体どこで採れた木かも分らない、もしくは分らなくしていたのです。

 「新月の木」はこれらの履歴保証をはっきりさせてこの木が一体どこにどのような状態で立っておりどのような姿をしており何時、誰が伐採しどこに運ばれて誰が製材して出荷したかまで記録をつけてその情報を公開しようとするものです。これは山側に大変な負担を強いる事になるのですが今、これをやらないと日本の林業は良くならないという使命に燃えた山側の人達が集まって喧々諤々議論を交わしています。(だからいつも深夜まで議論が絶えないのが悩みですが・・・)

 小さな活動が徐々に広がりをみせるにつれこれらの上辺だけを真似する人達が出てくるのは世の常ですが何とかその活動の妨げだけにはならないで欲しいと願います。

2007/04/01

電脳生活者の暮らし

 ここ2カ月位、自分の会社のHPをリニューアルしようと思い、息子に「お前、出来るか?」と聞いたら「多分、出来るよ」というので依頼する事にした。これまでのHPは知人のプロのデザイナーに頼んで創って貰ったものでデザイン的にとても綺麗で気に入っていたのですがもう一年になる事もあり作り直す事にしたのです。「どの位時間かかる?」と聞くと「う~ん、2カ月位・・・」という返事、私にはその辺の事情が全く分らないので「ふ~ん、そんなに掛かるのか」と曖昧な返事をしておいた。そういえば前回のHPも友達価格でやって頂いて「暇な時にお願い・・・」と頼んでおいたので一年近く掛かった。何故、そんなに掛かるのかな~?と思いつつ作業に突入。

 その日からHPに載せる原稿作成やら写真の選定、新たな写真撮影などの雑多な作業が始まった。HPそのもののプログラム作成は息子の仕事だがそこに載せる原稿や写真の選定、全体の構成は私の仕事である。

 考えてみたら息子との協働の仕事をするのは今回が初めてである。最初は何だか気恥ずかしいような感じでスタートしたのだがHPを造る作業そのものについては全く息子に頼るしかない。小さい時からゲームに始まりコンピューター関連の作業は大好きだった息子なので社会人になった今は一人前にPCを操っているようである。

 普段から徹夜の作業が多い息子なのだがこの仕事に入ってから更に不規則な生活が続いた。HPに関して全く知識のない私に色々とその仕組みを教えてくれるのだが殆ど理解できないまま「ウンウン」と分ったふりをしていた。

 しかし、それでも何となく分ったのは電脳生活者の仕事というのも意外と地味な細かな作業の積み重ねなのだなという事である。

 私の仕事は家を造ることである。それこそプラン作成から始まって家が完成するまで地道な作業の積み重ねである。モノづくりというのはそういうモノだと思って来た。その反面、こういうコンピューターを使ったグラフィック的な仕事は我々とは全く違う一種、モノ造りとは対極的な職種なのだなという理解しかなかった。しかし、今はどうやら電脳生活者の仕事も意外と職人的な一面も持っているのだなと思い始めた。

 出来上がったHPの出来栄えはこれから様々な意見が出て来るのだと思うが息子が言うには「これは世界認定を取った正式なHPだからね、価値があるんだぞ。だからこの認定マーク貼っとく?」と聞かれ、良くその意味が分らない私は「取りあえず今はいいや」と答えておいた。きっと電脳生活者にとってはHP作成の世界ルールを守った作品という意義を訴えたいのだろうなと思った。

 う~ん、電脳生活者の暮らしもなかなか厳しいのね。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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