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2007年5月

2007/05/27

憲法ミュージカル「キジムナー」

 「キジムナー」とはガジュマルに住む木の精霊、市民100人が造る憲法ミュージカルのタイトルです。三多摩地区を舞台に開催された今年の憲法ミュージカルの最終公演を観て来ました。町田、小平、立川と公演を続けてきたミュージカルの最終公演は八王子市民会館で行われました。昨年、山梨県立県民文化ホールの大ホールを超満員にした市民ミュージカルは今年、三多摩地区に舞台を移し新たな物語で行われました。今年も追加公演を含み大変な盛況で入りきれない人も出たようです。

 最終回の八王子市民会館も混雑が予想されるとの事だったので開場より1時間も早く会場に着いたのですが既に入場待ちの人の列が出来ていました。何故これだけの人が集まるのだろうと考えてみましたが、要はこれは市民参加のミュージカルなのだな~と言う事です。つまりここに集まっている人達は何らかの形でこのミュージカルに関わっている人達が多いという事です。スタッフやキャストの友人、家族、知り合いの知り合い等々・・・だから一種独特の舞台と観客席との一体感があるという事ですね。

 さて、今年のタイトルは「キジムナー」ガジュマルに棲む木の精霊、そう沖縄が舞台です。この憲法ミュージカルは舞台を通して憲法9条を考えようというものです。今年は沖縄戦の悲劇をキジムナーの目をとおして見つめ直しています。沖縄戦の悲劇は2度と繰り返してはいけまんせん。最近、高校の教科書からこの沖縄戦での集団自決の事実が消されてしまいました。軍の主導で行われた集団自決の事実、しかし教科書で昨年までこの事実の記載があったのに今年は消えています。

 都合の悪い事は無かった事にしてしまうこの国のやり方、いつも歴史は繰り返されます。何故、事実を事実として伝える事が出来ないのかと思います。最近の憲法改正の動き、仮想敵国からの脅威をことさらに強調し軍備強化を目指すやり方は全く過去の歴史の過ちと同じ事を繰り返す事に何故気がつかないのでしょう。米国によるイラク爆撃も結局はそんな脅威は無かったのに・・・今は出口が見えない泥沼の戦いになっています。過去のベトナム戦争と同じ繰り返しです。

 戦争からはけっして平和は生み出されない。そんな人間の愚かさをガジュマルに棲む精霊、「キジムナー」は見続けて来ました。キジムナーは語ります。そろそろ止めないか・・人間達よ。

2007/05/20

ツリークライミング

Kinobori1 Kinobori2 Kinobori3

昨日、私が担当している「八ヶ岳森つくりの達人」講座でツリークライミング体験を実施しました。この講座は昨年から2年掛けて様々な観点から「森つくり」を考えようという講座でNPO「八ヶ岳南麓景観を考える会」が主催し、私が担当している講座です。

 一昨日の天気予報では当日は明け方まで雷雨、明け方以降は急激に天候が回復するという予報で、実施するか中止するか大いに悩む天気予報でしたが「エエイ!ママヨ!」の気合で実施することに勝手に決定し、当日の朝、目が覚めたらベッドの頭のある天窓には大粒の雨が降っているじゃアリマセンカ!オマケに雷は天空に響き渡り、そういえば講師をお願いしたインストラクターの先生からはくれぐれも「雷がなったらとにかく中止ですからね。いいですね。」と念を押されていたのを思い出し「夢だ、夢だ、これはきっと悪夢だ」と言い聞かせもう一度布団をかぶって寝たフリをする事に・・・・

 しばらく寝たフリをしてからもう一度布団をはぐって天窓を見上げたら当たり前のように大粒の雨・・・アアどないしょ・・・てな事、考えても仕方なく、兎に角実施と決めてしまったのでもう後に引くわけには行かず集合場所へ・・・三々五々集まってくる参加者は手に手に傘を持って「ホントにやるんですか?」「ヤリマス!」「ホントニ?」「ホント!」「雨降ってますよ」「もう直ぐ晴れます!」「もう直ぐ?」「もう直ぐ!」てな事を言いながら何とか時間を稼ぎつつ先生に電話「そちらの準備状況はどうですか?」「準備たって雨で出来ませんよ」「こちらは晴れてますよ」「こっちは雨です」「何とかなりませんか?」「何ともなりません」「そっちに行ってもいいですか?」「来ても車の中で待ってもらう事になりますよ」「・・・・・」

 ダメカナ、と思ったとき何と雨が小降りになり何やら薄日が差してくるではアリマセンカ!胸を撫で下ろしながら「ホラッ晴れたでしょ」何て当然といった顔でノタマワッテ一路現地に向かいました。車で10分位行った森の中が今回のツリークライミングの体験場所「先生、何とかヨタヨタとやってきました後は宜しく」てな訳で何とか先生にバトンタッチ。

 「ツリークライミングとは何ぞや」とか「初心者の心構え」といった一通りのレクチャーを受けた後いよいよロープを使って木の上の空中散歩へと皆、旅立ちました。それが上の写真。いい大人12名と子供2名がワーワーキャーキャー言いながらエッチラオッチラ、ロープと格闘しながら徐々に空中に登って行きます。こうなるともう歳は関係無いですね。ひとすら上を目指すのみ。面白いのなんの!子供の方が慎重で大人達はもう競争のようにひたすら登って行きます。地上約10mほどの樹の上に到着すると一時の至福の時間が訪れ、しばらくボーとした後、「オーイ、降ろしてくださ~い」と下で見守っている先生にお願いする。そう、初心者の悲しさで登る事は登るのですが下りる技術は無いのでひたすら先生にお願いして下ろしていただくしかないのである。

 もともとカナダの林業従事者達が森林保護の為に編み出したロープテクニックから今はレジャーにまでなったツリークライミング、楽しい!とにかく楽しい!樹上の旅をとおして森の現状を見詰めて欲しいという究極の目的をもって樹に感謝しながら登らせて頂く・・・あなたも如何ですか。詳しくはTCJ(ツリークライミングジャパン)までお問合せ下さい。先生、今回は天気に泣かされましたね・・・ヤレヤレ

2007/05/12

サラバ新丸ビル

 先日、新丸ビルが新しくなって竣工しました。私はまだ行ってないのですが素晴らしい近代的なビルになったようです。

 もう、20年以上前迄、私はこの新丸ビルの3階に事務所のある会社に勤めていました。東京駅の目の前、当時としては伝統あるビルでした。世界最大の不動産会社、三菱地所が建設したビルで建設した当初は厳格な施工管理で徹底した精度が求められたと聞いていました。確かに、細部まで行き届いた建物でちょっと事務所の改装をしようと思っても中々許可がおりずに例えば通りに面したところにはエアコンの室外器を出してはいけないの床に傷をつけてはいけないのと難しい事が色々ありました。

 それはさておき何よりも今、思い出しても確かに当時としても古いビルではありましたが私には浪漫溢れるビルでした。廊下はやたら広くて大理石貼り、事務所の入り口の扉はとにかく大きい、しかも全て古ぼけた同じデザインで統一されていて確か室名札も決まりがあったように記憶しています。ビルの真ん中に吹き抜けがあり廊下を挟んで通りに面した方が事務所で吹き抜けに面した方が給湯室や階段、機械室等に当てられていました。

 事務所が3階だったのでエレベーターを使わずに階段を駆け上がる時もありましたが、この階段も大理石で出来ておりやたら広かったように記憶しています。何せどこもかしこも石貼りで出来ているのでやたら反響音がすごくてカンカンと歩く音が響いていました。

 地下にもテンナトさんや事務所が入っておりよく地下の薄暗い印刷屋さんに図面を焼きに行ったりしていました。当時は図面は「青焼き」といって青いバックに白の線で図面が描かれていました。務めていた事務所にも印刷機はあったのですが大きな版は焼けなくてこの地下のやたら薬くさい印刷屋に持って行って焼いて貰っていたのです。

 私は建築担当だったのでよく事務所の改装に立ち会ったのですが昼間の工事は当然、許可にならないので夜間、皆が帰った後から作業に入り翌朝までに改装を終わらせなくてはならずに大変でした。確か夜間12時頃まではビルの裏口の扉が開いていたのですが12時をこえるともうビルから出ることは出来ませんでした。設備としてはかなり老朽化していた為によく停電したり電話配線が複雑で分らなくて電話が復旧せずに大慌てなんて事もよくありました。誰もいなくなったビルの中で朝までのつかの間の時間、事務所のソファーの上で仮眠を取るのですが中々寝付けなくてこっそり真夜中のビルの中を探検したりしました。時々、ガードマンが点検に廻ってくるので注意しないと「誰だ!」なんて事になるし第一、夜間工事の届けを出しているので現場に居ないと翌朝、お叱りを受けるなんて事になるのでビクビクでした。

 夜間、残業をしたり夜間工事の時はいつも地下の蕎麦屋に晩飯を食いに行きました。お気に入りのメニューは「力うどん」なんだかいつも食べていたような気がするな~。地下の出口の前にすぐ地下鉄丸の内線の改札口があり朝晩の出・退勤時には大変な混雑をしていました。

 そういえば退社時間になると何故か事務所裏の階段付近に事務所の女の子達が着替えてお化粧して佇んでいたのですが皆、帰りにデートの約束をして待ち合わせをしてたっけな。

 その会社を辞めて八ヶ岳に移住しようと決心したある日、いよいよ上司にその話をしようと退社時に新丸ビルの地下の出入り口付近でその上司の出て来るのを待ち伏せしていました。暫くしてその上司がエレベーターから多くの人達と一緒に出て来ました。駆け寄った私は「済みません、折り入ってお話があるのですが・・・」「分ってるよ。大事な話なんだろ、明日にしよう。明日の朝、話し合おう」と上司は言ってその日はそのまま私は肩透かしをくって上司は帰って行きました。私が後戻り出来ない人生の岐路を迎えた瞬間でした。上司は普段の私の様子でうすうす察していたようでした。

 それから数十年たったある日、何気なく眺めていた週刊誌にその上司の事が載っていました。社内の派閥争いで反社長派として名前が載っていました。普段から反骨精神のある私が尊敬する上司でした。

 大学を卒業してから若いサラリーマンとしての時代をすごした新丸ビル・・・壊されて無くなっちゃったけど私の記憶にはその浪漫あふれる姿は焼きついています。古かったけど美しい確かに、日本の歴史を代表する記憶に残るビルでした。サラバ、新丸ビル、俺は忘れないよ・・・

2007/05/05

GWに出会った人と動物

今年のGWも、もう直ぐ(後、一日)終わり。19年前にサラリーマンを辞めてからGWというものと全く関係無くなってしまったので、もうGWが待ち遠しいとか楽しみとかいう感情は全く無くなってしまいました。むしろ近くのコンビニ行っても駐車場に入れないほどの混雑でちょっと食傷気味です。そんな今年のGWに出会った人達と動物達を紹介します。

1、隣の別荘の住人Tさんご夫妻とその友人  

隣のTさん夫妻とは我が家を建ててからの長いお付き合いで、もともと手造りの小屋で静かな別荘生活を楽しんでおられた処へ子供3人連れた夫婦が変な丸太小屋を建てて転がり込んできたもので憐れ、Tさん夫妻の静かな別荘暮らしは終わり、それ以来、我が家の子供達のオジチャン、オバチャンという親戚関係になってしまい、別荘に来られる度に食事&飲み会に呼んで貰いいつも楽しくお付き合いさせて頂いている。子供達が成人して東京に出てからも親戚のオバチャン、オジチャンとして子供達の面倒を見て頂いている。だから、我が家の子供達はTさんご夫婦には頭が上がらない。一番下の子供の小学校の運動会なんか、どんな都合があっても必ず駆けつけてくれて、ひどい時は東京から日帰りで小淵沢からタクシー乗って駆けつけて終わり次第、東京にとんぼ返りなんて事もあったりした。本当にもう我が家には欠かせないオジチャンとオバチャンなのである。そしてその友人達とも飲み会、食事会を通して紹介されて楽しくお付き合いさせて頂いた。いつも気持ちの良い人達ばかりが集まってくるから不思議である。

2、猫の夜会

このGW、多くの猫の夜会に出くわした。もともと自宅のそばの道路の側溝には必ず4,5匹の兄弟と思われる子猫が夜な夜な潜んでいて道路に出てはじゃれ回って遊んでいる。しかし、この前は道路の真ん中で行為に及んでいる不届きなカップルがいてこれには参った。邪魔しちゃかわいそうかなとも思ったけど中々終わりそうもないし其処どいて貰わないと家に帰れないし、仕方なく中断して貰ってやっと家に帰りつきました。人里離れた森の中にも何故か猫達が集まってなにやら会合を開いていて通り掛ると慌てて解散していきました。一体何を話しあっていたんだろ?

3、狐の散歩

夜、会社を終えていつもの道を帰っていると久しぶりにいつものカーブでいつもの狐に出会った。しかし今回、彼は私の方に尻尾を向けてなにやら向こうを一生懸命見詰めている。だから私が車で近づいている事にちっとも気付かない。ヘッドライトが自分を照らして影が出来ている事に漸く気付いた時にはもう数メートルまで近づいていました。ビックリした様子で直ぐに道の横の藪の中に飛び込んで行きましたが彼が見詰めていた闇の方はじっと目を凝らしても私には何も見えませんでした。

4、竹炭焼人の嘆き

前回、失敗した竹炭焼、こんどこそとリベンジに燃えた炭焼き先生から一枚のFAXが送られて来た。もうそろそろ良いだろうと思って窯を開けたらまだ熱くてとても窯の中に入れない。だからまだ出来ないから窯出しの日程を延期する。という内容であった。電話を入れて「ダメですか?」「ウン、まだダメだね。出来たら連絡するからそれまで待っててくれないか」というやり取りの後、先生に会いに行った。ひとしきり世間話をした帰り道、そっと窯を覗きに行った。窯の蓋はすっかり開けられて中には土を掛けられた灰が・・・先生、あんまり責任感じないで下さいね。無理しないで下さい。分っていますから・・・

5、山桜の頑張り

我が事務所の前に近くの森の中で伐採されて切り倒される運命だった山桜の木が先日、引っ越してきた。この時期に移植して大丈夫かな?と皆で心配していたら数日前から花が咲き出した。今年は多分、満開は無理だろうけどどうやら命を繋いだらしい。今は、アチコチの枝からロープが張られ我が事務所横の小屋にそのロープで繋がって支えられている。がんばれよ・・

こうして今年のGWも終わって行きます。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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