環境 Feed

2006/09/03

秋晴れの里山

20060903_184904656 ここ数日、じつに気分の良い秋晴れの日が続いています。こういう気持ちのよい天気が続くと本当に八ヶ岳の麓に住んでいて良かったな~と得したような気分になります。この写真は知り合いの農場に併設されているビオトープです。南アルプスの山並みが水面にうつって美しい景色を作り出しています。この日はトンボが飛び回っていました。天気予報をみているとどうやら南の海上には太平洋を横断して「ハリケーン」から「台風」に名前の変わった大型台風が日本を狙っているそうですが今日は全くそういう気配は感じられません。

八ヶ岳に住んでいると一年のうちに何日かは本当に涙が出そうになる美しい風景に出会う瞬間があります。それはあるときは南アルプスに夕日が沈む瞬間に見せる美しい夕焼けの光だったり、冬の冷え込んだ夜、星あかりに浮かび上がる八ヶ岳だったりします。そういう瞬間は住んでいないとなかなかチャンスに巡り合えません。こういうお金では買えない時間がここには存在します。

この話を信じられない方は是非、一度一年間八ヶ岳に暮らしてみてください。きっとあなたにも分る時が来ますよ。

2006/07/01

自然のポテンシャル

P1010123 1週、森の囁きをお休みさせて頂いて北海道を仲間達と研修を兼ねて廻ってきました。目的は北海道における新月の木の活動状況を見るのと活動の普及を兼ねたものでした。訪ねたのは帯広から北海道に入って、新得、富良野、釧路と廻って帰ってきました。この旅では訪ねた所で様々な人に会って自然のもつ力(ポテンシャル)の偉大さを改めて認識させられる旅となりました。

富良野では東京大学演習林に入り80年前に開拓民達が直面したであろう時代そのままの原生林の姿を目の当たりにして倒木の上でしか更新できない幼木のけなげな姿に感動しこれが自然界の掟である事を知らされました。

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その後、新得の新得協働学舎にお邪魔して昨年、今年と2年続けて日本人として初めて世界一になった「さくら」というチーズの製造過程を見せて貰いました。代表の宮嶋氏は大変、自然のポテンシャルを科学的に解明される方でそのチーズ造りには自然のポテンシャルを随所に生かした製造工程を施しています。先ず、驚いたのが牛舎が全く臭くない事、虫も全然飛んでいなくてなにより牛を繋いでいないのです。牛達は厩舎に勝手に寄り添って過ごしておりその顔はどの牛も驚くほど穏やかで私がいつも見ている厩舎で繋がれて餌を食べている悲しげな牛の表情とは全く違うものでした。この厩舎の下には大量の炭がひかれており特殊な土壌処理がされている為に匂いも虫も寄ってこないのです。その方法は極めて自然の力を利用したものです。この牛から取れる牛乳がこの世界一となったチーズの秘密に繋がっているのです。

そして、最後にこの文章の最初に掲示した写真は釧路の斎藤牧場という牛が拓いた牧場で有名な所です。牧場主の斎藤さんは寒冷地の厳しい荒野での牧場経営に行き詰まりある日牧場に立っている1本の木に登りどうすれば良いのかボンヤリ牛を眺めながら考えていました。牧草を食んでいる牛を見ているうちにフト気が付きました。そうだ、牛にまかそう!自然のままに放り出してみよう!こうして石だらけ、木だらけの牧場の構想が固まりあとは牛頼み・・・その結果どうなったか?牛達は自分達の意思にそって朝、勝手に起きだして山の麓から徐々に牧草を食べながら頂上を目指します。そして夕方誰に追われるでもなく自分達で群れをなして勝手に厩舎に戻ってきます。群れの中には雄牛がいるので周辺の牧場が軒並みクマに襲われる中、斎藤牧場では1頭も襲われる事は有りませんでした。見事に雄牛が群れを統率しているのです。こうして山肌をそのまま生かした牧草地は牛達が勝手に食べて勝手に排泄した糞で見事に自然のサイクルが出来上がり美しい牧草地になって行きました。実際に会った斎藤さんは本当に時代の重みを顔ににじませたいい顔をしたオジイサン(失礼!)でした。「オリャ何もしてない、牛達が勝手にこの牧場を作ってくれたんだ」と言われ今でも4輪駆動の車を運転して我々を牧場の中まで案内してくれました。牧場の中にまともな道なんてありません。まさに山の中を勝手に上がっていくといった感じでした。それがまた気持ちよく、途中の川で冷やしたビールとジュースを振舞って頂き牧草地をボヤ~と見ていたらこの写真の牛達が牧草を食べながら上がって来てすっかり囲まれてしまったと言う訳です。牛達は我々を気にするでもなく「邪魔な奴だな~」ってな顔をして通り過ぎて行きました。ただ、雄牛だけは気を付けるように注意されました。群れの雌牛を守るためにいつもぴったり寄り添っており下手に前に立つと角で突き上げられるからです。ここでも自然の力に逆らうことなく逞しく素直に生きている牛と人間が暮らしていました。

今度の旅で思い知らされて事は、自然の力を正しく理解してその力に逆らう事無く暮らすことこそ人間らしい生き方であるのだな~という事です。これが一番単純で簡単そうでこれが現代では一番難しい事かも知れませんね。

2006/05/29

山登り

久しぶりに山登りに行ってきました。山登りといっても私が関わっているNPOのイベントの一環として八ヶ岳の原生林をみにいくツアーに参加したのですが、天女山の登山入り口から入って前三つ頭の下、標高2000mまで行って引返してきました。

今年はまるで梅雨の様な天気が続いており当日も朝から生憎の小雨が降ったり止んだりの天気で予定ではもう少し上まで行く予定だったのですが30人近くの参加者が一度に山に入っているので安全を配慮して2000mの標識のところで引き返しました。

登山道の入り口は標高1300mくらい、登り始めてすぐ白樺の林が右手に広がります。最近、間伐作業が入り、唐松を切り倒してありました。残念ながらどこの間伐も山の中に切り捨てられており運び出されたり利用されたりする事はありません。足元にはミヤコザサが生い茂り次第に高度が上がってきます。

暫くいくと見晴らし台のように広がった場所に出ます。晴れていれば南アルプスや富士山が一望できる場所なのですが当日は生憎の霧で全く視界はありませんでした。気温は多分7度くらいでしょう。このあたりから登山道左側に石積みが見受けられてきます。これは高山植物を保護する為に登山道としてこの石より先に行かないように配慮されたものです。敢えて名前は言いませんが可愛い高原植物が可憐な花を咲かせていました。この後もう少し上がっていった所では心無い人達がこの貴重な高山植物を根こそぎ盗掘した跡があり、なんだかやるせない気持ちになってしまいました。

気を取り直して尚も高度を上げていくと周囲の景色は次第に亜高山帯(標高1500~2500m)になってきていつの間にやら白樺が少なくなってダケカンバに変わって来ていました。樹齢100年はあるだろうと思われるダケカンバの木はその樹肌がピンク色に輝いており美しくその威厳に満ちた姿を見せていました。又、シラビソの樹も段々2000mが近くなるとオオシラビソに変化して行きます。標高2000mのちょっと下あたりに天然唐松の巨木がありこれも周囲を圧倒する姿です。途中で皆でコメツガの葉やシラビソの葉、トウヒの葉の見分け方等を学びながら登って行くと標高2000mの標識に行き着きました。

私は登山はいつも少人数か単独行で登るのでこんなに多くの人達と登るのは初めてでしたがこれはこれで別の楽しみがあるものです。何より私は余り周りの植物とか気にしないでひたすら登る方ですのでこんなに樹によって違いがあるなんて全く知りませんでした。なにより久しぶりの登山で足は大丈夫かなと内心ひやひやしていたのです。何せ里山に暮らすようになって移動手段はほとんど車で移動するので全く歩かなくなっていたのです。何とか無事に降りてきたときにはちょっとホットしました。

久しぶりの山登りは楽しい時間を与えてくれました。今は中々時間が取れないけど又、時間を見つけて山登りに行こうと思います。

2006/03/29

日本で最初に咲く桜

 先日、故郷の高知に用事があって帰ってきました。ちょうど桜の季節で市内のいたる所で桜が咲いており山梨の標高1000m付近に住んでいる身にはオオッ!春だ!と改めて驚きました。

 高知の桜で有名なのは高知城、三の丸に咲いている気象庁が定めた標準木、正式には「植物季節観測用標本木」となっているソメイヨシノです。今年も気象庁発表の公式記録として日本で一番最初に開花宣言が出された桜です。そしてちょうど私が帰郷した前日に同じく日本で最初に満開宣言が出されました。あくまで気象庁が定めた標本木としてですので実際にはもっと早く咲いている桜もあるのでしょうが公式にはこの高知城の桜が日本で一番最初に咲く桜となっています。

 ところで子供の頃にはガキ大将だった私はいつも高知城は遊びのフィールドで登ってはいけない石垣を登ったり鬼ごっこをしたりして走り廻っていました。その頃にもきっと標本木はあったのだと思いますが現在のこのソメイヨシノがそうだったのかは全く記憶がありません。もっとも桜を楽しんでいるような子ではありませんでしたから気が付かなかっただけだとは思いますが・・・現在の標本木となっている桜は高さ3m程の木でよくみると高知気象台の標本木であるというプレートが掛かっておりフト根元をみるとかわいい子供の枝が残っていてそこに一輪の桜が一生懸命咲いていました。

 高知を離れ訪れる事の少なくなった高知城ですが今年はNHKの大河ドラマ「功名が辻」で山内一豊が放送されているのでそれにあやかってお城は改修工事が進んでいました。来月4月からオープンだそうです。ところで日本で天守閣から追手門まで現存している城は3箇所しかないそうです。知らなかったけど地元にいると以外と知らないものですね。

 私にとってはお城はいつもそこにある高知のシンボルであり辛い時、楽しい時、悲しい時にいつもお城にいたような気がします。本当にいつもその節目に何故かお城に足がむくのです。年月が過ぎて城下の風景は一変してしまいましたがお城はいつもその周囲に住む人間のシンボルであり心のより所だったんだなと思います。子供の頃いつも覗いていた追手門の近くの露天の縁台将棋は今でも市民の憩いの場所として賑やかに行われており何だか昔にタイムスリップしたようでした。

 日本で最初に咲く桜・・・来年も鮮やかな姿を見せてくれることを願います。

2005/12/24

ホワイトクリスマス

昨日の夜から降り始めた雪が今朝になっても降りやまず、大泉の事務所前は3cm程の

積雪になりました。今日はクリスマスイブなのでホワイトクリスマスになりそうです。

今年の冬は全国的に異常な寒波ですが八ヶ岳はそれでも比較的晴天に恵まれていた

方だと思います。でも、12月になるまで暖冬で暖かかったせいで体が急激な変化について

いけずに山梨県内でもインフルエンザが流行っていて学級閉鎖が増えているようです。

新聞によると山梨県内の鳥インフルエンザに対するワクチンの備蓄は日本で最低の状況

でほとんど0ということだそうで・・・大丈夫かな?と心配になります。

八ヶ岳では例年はこのクリスマスの時期に一度雪が降って白くなり年明けから本格的な

雪と寒さになるのが例年の冬の始まりなんですが今年はどんな新年になるのやら・・

とりあえずホワイトクリスマスを家の中でウッドストーブを囲んで楽しむしかないか・・Photo

2005/12/23

異常な寒波

本日より新しいHPがオープンしました。皆さん新しい森の囁きもよろしくお願いします。

実は本来なら今日から石川県へ新月伐採法の講演会に出かける予定でした。

ところが異常な寒波で日本海側は大雪との事、今朝現地と連絡をとって「もう少し様子を見て判断します」との連絡があって1時間後、「やはり無理なようです」との連絡があり急遽中止となりました。八ヶ岳は朝のうちは快晴で午後からちょっと吹雪いてきましたがそれほどひどい雪にはなりませんでした。

 先日の雪では出身地の高知でも80年ぶりの大雪だとかで、そういえば子供の頃に真冬に一度だけ10cm程の積雪があって確かそのときも観測以来初めての大雪と言っていたのでこの時期の降雪としては異常でしょうね。

 そんな訳で八ヶ岳も厳しい寒さが続いています。これからはこのブログを利用して様々な情報を公開していきますのでどうぞ宜しくお願いします。そしてこのHPを作ってくれた友人の八ヶ岳ネットワークの管理人、清水さん本当に有難うございました。

アシストのHPへ
八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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