2022/02/26

ワクチンと冬季オリンピックと・・・

今年に入り新型コロナウイルスの変異型が猛威を振るっていますが。私も高齢者の3回目ワクチン接種の案内が送られてきて先日、やっと受けて来ました。

 私の場合はファイザー+ファイザー+モデルナの順番でワクチン接種しましたが3回目のモデルナがちょっと悪寒が1日ほどしましたが発熱する事は無く、無事に接種を終えました。接種部位の腫れは1週間ほど続きましたがこれも赤くなる程度でそれほどきつくはありませんでした。このまま、感染が落ち着いてくれれば良いのですがまだ要注意ですね。

 そうこうしているうちに冬季オリンピックが始まり日本の活躍をTVで応援させて貰いましたが何だか今回のオリンピックはルール違反による失格やら判定の不満やらドーピング問題の曖昧な適応やらで何だかスッキリしませんでしたね。

 そしてこれからパラリンピックと思っていたらロシアが突如、ウクライナに侵攻を開始して本当に今年は年初から驚く事ばかり起こります。

 あまりに心を痛める事が多いので最近は寝る前に心を落ち着けようとTVのユーチューブで寝る前の心落ち着く音楽とやらを掛けて、睡眠導入効果のあるお茶をゆっくり飲んで寝る様にしています。そうでもしないと寝る寸前まで心がざわついてて、そのまま床につくようになって眠れなくなってしまいますからね。

 今年もそろそろ冬が終わりをつげ、心待ちにしている春の穏やかな桜の時期が待ち遠しいですが世の中のざわつく騒ぎが早く収まる事を願います。

2022/01/25

2022年の始まり

新しい年が始まってもう1か月を迎えようとしていますが今年は年初から新型コロナウイルスの変異株の猛威が広がって波乱の始まりとなりました。仕事的にも又、木材や設備機器の調達が難しくなり新型コロナの感染が初めて話題となった2年前と同じ様な状態となり振り出しに戻った様な状況です。

一体いつまで続くんだろう?と思ってしまいますが嘆いても仕方ないので自分で出来る限りの対策をとって何とか乗り切ろうと思います。

今年は昨年、東京オリンピックが一年延長になった為にもうすぐ冬季オリンピックが開催されるので何だか不思議な気がします。又、日本選手の活躍が楽しみです。

私的には昨日、高齢者向けの3回目のワクチン接種の申し込み手続き書類が送付されて来ました。何だか3回も接種して貰って申し訳ない様な気もします。関係者の皆さんの大変な苦労を思うと感謝しかないですね。

今年は地域的にも諏訪湖の「御神渡り」が出来そうで中々出来なくてヤキモキしています。先日、結構な厚い氷が張って「これはもしかしたら・・・」と思ったのですがその後、溶けてしまい「御神渡り」は出来ずしまいでした。又、今年は7年に一度の日本有数の奇祭「御柱祭」が予定されています。木に関係する仕事をさせて頂いているので、とても楽しみにしているお祭りですが新型コロナウイルスの感染拡大で今回はどうなってしまうんでしょうね。ちょっと心配です。

新しい年の始まりはいつも「今年はどんな年になって、どんな方達と出会うんだろう?」と楽しみです。今年もどうか「森の囁き」を宜しくお願い致します。

2021/12/18

2021年の私的重大ニュース

新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄された2021年も、もうすぐ終わろうとしています。そこで今年を振り返って超私的見解の重大ニュースにしてみました。

①新型コロナウイルスの感染拡大により世界的なサプライチェーンの麻痺が発生:一昨年も同じような事態が発生しましたが今年もその規模を拡大して世界中でサプライチェーンの寸断が起きました。ただ、今年は一昨年の単純にコロナ禍による製造ストップだけが原因ではなく、いち早くコロナ禍から立ち直った中国やロシア、アメリカ、ヨーロッパ等の経済復興が需給のバランスを崩してしまい流通のコンテナの滞留や大幅な資材の高騰を引き起こしました。

②東京オリンピック開催:コロナ禍に揺れ賛否両論が出る中、東京オリンピックが開催されました。開催準備が進む過程で主催者側幹部の女性蔑視発言や感染拡大を引き起こすのではないかといった開催反対意見が噴出し実施が危ぶまれましたが、何とか開催にこぎつけました。しかし国民の中に政府に対する不信感や不満が根強く残る開催となりました。

③ワクチン接種が始まる:新型コロナウイルス対策として国が進めていたワクチン接種がいよいよ始まり私も高齢者枠(笑)で2回接種を受けました。集団接種会場となる自宅近くの体育館で接種を受けましたが何だか緊急災害時の避難会場で手当てを受けている様で今更ながらこれは大変な事が起きているんだなと改めて感じました。そして対応している職員の方々には本当に感謝しかありませんでした。ご苦労さまです!

④有限会社アシストは20周年を迎えました!:2001年6月に会社を設立以来、今年でアシストは20周年を迎えました!これもひとえに支えて下さった皆様のおかげです。本当に感謝申し上げます。20年という年月は大変な時間です。この20年の間に勿論、良い時も苦しい時もありました。それでも心掛けてきたのは兎に角、その時、出来る事を全力でやろうという事でした。その時、それが良かったのか悪かったのかは後々、分かって来る事で、結果が良かったなら更に良くする努力をし悪かったのなら反省して改善していく・・・当たり前の事のようですが実はこれが一番難しいという事は自分が一番わかっている事です。20年間支えてくれたスタッフに感謝、そして支えてくれた地域の関連業者の皆さん、そして一番感謝しなければならないのは400名を超える顧客の皆さん、全てのアシストを支えて下さった皆さんに感謝です。有難うございました。そしてこれからも宜しくお願い致します。

激動だった2021年も残すところ2週間程です。来年がどうぞコロナ禍が収まり皆様が又、以前の様に普通の生活が送れるような年になる事を願ってやみません。今年一年、「森の囁き」を読んで下さって本当に有難うございました。来年も宜しくお願いします。

2021/11/23

田舎に棲む喜び

私の住んでいる八ヶ岳周辺は、いわゆる里山という地域になるのかも知れません。こういう地域に住んでいると四季折々に色んな農作物のおすそ分けを頂きます。

 今の季節は農家の方が一年かけて育てた貴重なお米を頂くことがあります。それも毎年、友人や仕事関係の方が決まって持って来てくれる貴重な地元の名産のお米です。

 八ヶ岳周辺なら武川米という、毎年品評会で日本一を取る様な貴重なお米や、敢えて手間のかかる低農薬の一般には出回らない様な貴重なお米のおすそ分けを頂きます。

 「造りすぎたから」と言って大量の白菜やジャガイモを沢山頂く事もあります。又、この時期は美味しいお芋が沢山、手に入るので事務所の前の空き地で毎日のように焼き芋をやります。焼きたてのホカホカの焼き芋は、どこの焼き芋より美味しくて最高の贅沢です。

 最近はさすがに少なくなりましたが以前は大きなビックリする様な松茸も「山で取れたから」と言って買ったら一本数万円もする様なデッカイ松茸も沢山頂きました。

 それ以外にも季節によってレタスやダイコン、トウモロコシ等も大量に頂きます。都会にいると中々手に入らない様なこれらの貴重な自然の恵みを何も手伝っていない私達が頂けるというのは田舎ならではの風物詩です。

 又、こういう近所の方との交流が何ものにも代えがたい貴重な時間ともなっています。新型コロナウイルスの感染拡大で人と人との交流が制限される事が多くなっていますが田舎のこういう貴重な交流は無くなって欲しくない習慣です。

 田舎に棲むという事は不便な事もあるけどもこういう季節のおすそ分けを頂けるという有難さもあります。今年も貴重なお米を沢山頂きました。これを少しずつ精米して育てた方に感謝しながら頂きたいと思います。本当に有難うございました!「

2021/10/16

仲間達との再会

 新型コロナウイルスの感染拡大も漸く収束の兆しが見え始め、山梨県でも、ここ数日は新規の感染者数はいない状況となっています。

 勿論、油断は出来ないし、これからも新型コロナウイルスが無くなる事はないと思いますが感染対策を取りながら、そろそろ次のステップに進む段階になって来たように思います。

 地元八ヶ岳でいつも一緒に色々な活動をしてきた仲間達とも先日、久しぶりに清里でミーテングを開いてリアルに会う事が出来ました。ほぼ一年ぶりの再会になりました。

 一応、毎月発行している地元情報の配信記事の編集会議という事になっていますが最近はお互いの生存確認の様になってきました。メンバーも段々、年齢を重ねて「あっちが痛い」「こっちが痛い」と病気自慢の様な話も増えてきましたが歳の割には皆元気で、あちこちで探してきた情報を持ちあったり近況報告をしたりして楽しい時間を過ごしました。

 一度はネット会議もやりましたが、やはりリアルに会って話をするのが一番だと感じました。残念ながらテーブルには各自の席毎に隔離のアクリル板が置かれ、話をするのも邪魔でしょうがないし、食事も以前みたいに皆でシェアしながら食べるのは禁止だし、いちいちマスクを付けたり外したりしなくてはならなくて話しにくいことこの上ないのですがそれでもネット会議よりは格段に会って話をする方が楽しいですね。

 気が付けばいつの間にか話が盛り上がり思わず席を立って「見て見てこの写真!」と言ってスマホの画面を見せに隣の席に行って話をしたりして「アッ駄目じゃん」と気付くこともありましたがマアマア、皆さん2回目のワクチン接種も終えている事だし余り厳しい事はなしという事で楽しく会議を終える事が出来ました。

 八ヶ岳もこれから紅葉のシーズンを迎え、ずっと我慢して自粛を続けていた皆さんが我慢出来ずに八ヶ岳に訪れてきており、週末は多くの県外客が訪れる様になりました。

 やっといつもの光景に少しづつ戻りつつあります。新型コロナウイルスの感染拡大なんて誰も想像もしなかった事がおきると今更ながら平凡な日常がどんなに大切で幸せな事か改めて感じさせられます。どうぞ、皆さんも感染に気を付けてしっかりと対策をした上で八ヶ岳に遊びに来て下さい。

2021/09/18

世界で最も貧しい大統領「ホセ・ムヒカ」の言葉

ウルグアイの第40代大統領「ホセ・ムヒカ氏」が遺した言葉には世界中の人々が感銘を受けて絵本にもなって子供達の心にも多くの感動を残しています。

ホセ・ムヒカ氏はウルグアイの貧しい家庭に生まれ若い時には極左ゲリラ組織に入ってゲリラ活動にも従事し逮捕されて13年近くも収監されて厳しい拷問にもさらされた経験を持っていました。

収監を解かれた後に政治家を目指し2009年11月に大統領にまで上り詰めました。大統領就任中はその報酬の大部分を貧しい子供達を救う活動に寄付し自分は毎月1000ドル程度で暮らしたそうです。

彼を一躍、有名にしたのは2012年6月にリオで開催された国連の「持続可能な開発会議」での彼のスピーチでした。この会議は地球の未来を話し合う重要な会議でしたが世界中の大国の首長らのスピーチは皆さんが想像出来るような内容で、これといった決め手を欠き各国の首長達は自分のスピーチを終えたらさっさと退席し最後の講演者となったホセ・ムヒカ氏の順番が廻って来た時には会場は閑散としていました。

各国の首長達はその地位に恥じない立派な服装を纏っていましたが最後のスピーカー、小国ウルグアイの大統領ホセ・ムヒカ氏はノーネクタイにジャケットというラフな服装で語り始めました。

始めは穏やかに、しかし話が核心に近づくと徐々に声は力強く張りを増して、最初は関心無さそうに聞いていた会場の雰囲気が明らかに変わりました。

そして彼が短いスピーチを終えた後は会場は割れんばかりの拍手に包まれました。その内容の詳細はここでは記しませんが普段、表面的な当たり障りのないスピーチが続く国際会議では普通の雰囲気が一変し、誰もが口にしない本音の疑問や当然の問題を誰はばかる事なく口にし自分達が言いたくても言えない本音を彼が世界中を相手に声高にスピーチした事に聴衆は驚き、感銘を受けたことがこの鳴りやまない拍手に繋がったのだと思います。

彼はその後、日本で自分の事が絵本となった事もあり招きに応じて日本にも来訪し若者達と言葉を交わし多くの名言も残しました。彼が遺した名言には本当に多くのメッセージが含まれていますが少し代表的なものをご紹介します。

「発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子供を育てる事、友情をもつこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。」

「貧しい人というのは、ものをもっていない人のことではない。真に貧しい人というのは、際限なくものを欲しがり永遠に満たされない人のことである」

「国を治める者の生活レベルはその国の平均でなければならない」

「私達は発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになる為にこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまします。命より高価なものは存在しません。」

「本当のリーダーとは、多くの事を成し遂げる者ではなく、自分を遥かに超えるような人材を育てる者」

「人生で最も重要な事は勝つことではありません。歩み続けることです」

多様化し情報が氾濫し何が本当で何が間違っているのか分かり難い世の中でホセ・ムヒカさんの言葉は本当に大切なものはなにか?言葉の力とはどんなに大切かを教えてくれている様に思います。

2021/08/21

新型コロナ感染が身近になってきました。

新型コロナ感染拡大が山梨県でも身近になってきました。ただでさえ政府の行動制限の呼びかけの効果が薄れて多くの観光客が山梨県に入って来ており感染拡大は避けられない状況となっていましたが、その上に更に感染力の強いデルタ株の猛威で感染が更に拡大しそうです。

我が家も2年ぶりに子供達が帰省を楽しみにしていたのですがとうとう諦めざるえなくなり中止する事になりました。

仕事の上でも濃厚接触者となる人達も出て来て、いよいよ身近に迫ってきている事を感じます。

そして最近、特に個人的に心が痛いのがオリンピック・パラリンピック開催に伴う賛否両論の意見の分断です。色々な考えがあるのは勿論分かります。スポーツ好きの私からすれば勿論、世界のアスリート達の活躍を目の当たりにすることはとても嬉しい事です。

そしてアスリート達には何の落ち度もありません。選手達がオリンピック・パラリンピックの開催を心待ちにするのは当たり前の事でそれを否定するのは間違っています。

しかし、それと新型コロナ感染拡大の問題は全く別の問題だと私は思います。私自身はオリンピック・パラリンピックは今の新型コロナウイルス感染拡大が顕著となり救える命が救えなくなる環境で100%開催が正しいとはとても言えません。

4年間このオリンピック・パラリンピックの為に練習を重ね努力してきたアスリート達の事を思えば心が痛みます。東京オリンピック2020はそういう環境の中で開催され多くの感動を見る人に与えました。

しかし、だから正しかったかと言えばオリンピックの開催意義が曲解され本当に平和の祭典と呼べる大会だったかと問われると胸をはってやって良かったと言えるとは思えません。

しつこい様ですがオリンピックに参加して活躍したアスリート達やメダリスト達が与えてくれた感動には何一つ落ち度はなくその価値も他のオリンピックと比較して劣るものでは決してありません。

しかしそれでも尚、華やかなイベント開催の裏でどれだけの新型コロナの感染が広がっていたのかは分かりませんが、現に今これだけの人が新型コロナ感染拡大に晒され命の危機が迫ってきている事を思えば、もっと多くの命を救う事が出来たのではないかと思います。

開催のメイン会場だった国立競技場や選手村を感染拡大防止の施設として治療場所として使用出来なかったのか?多くの医療スタッフを感染拡大抑制の治療に専念して貰う事が出来なかったのか?と考えてしまいます。

今、多くの方が病院にも搬送して貰えず自宅で不安な気持ちを抱えて新型コロナと戦っています。今こそ政治の力は多くの国民の命を守る為に何を最優先させるべきなのか国民にメッセージを送るべきではないかと日々、思っています。

皆さんどうぞ自分の命を守る為に最善の行動をとりましょう。頑張りましょう!

2021/07/19

地元あるある話~交通マナー編~

私は八ヶ岳南麓に30年近く住んで今はお隣の長野県から通勤しています
が、もともと両県の県境に住んでいたのであまり違和感は感じていません。
それでも県が違うと県民性の違いもあって時々フッと苦笑いする事があります。
最近思うのは「交通マナー」。一時期、話題になった「横断歩道一時停止率」
   

知っておられる方もいると思いますが、長野県が日本一です。これは片側1車線の道路という条件で全国で統計をとったものですが、その割合は全国平均で21.3%です。

そして統計開始以来、ダントツの日本一を続けているのが長野県でその
割合は何と72.4%! 2位の兵庫県が57.1% 山梨県は35.8%で6位につけています。

山梨県も決して悪い数字ではありません。

しかし、それでも長野県はダントツの割合で横断歩道で一時停止するのです。
ちなみに最下位は宮城県の5.7%です。

これは長野県に移住した人間にとってカルチャーショックです。何も他
の県が悪いと言っているのではなくて長野県の人達がいかに一時停止を
守っているかという事です。私も最初は気にしなかったのですが自分が
車を運転していて横断歩道を人が渡ろうとしているのに気づかずに通り
過ぎると後ろの車が必ず止まって歩行者を横断させているのを見て、
   

段々、自分が情けなくなってきました。「そんなの当たり前だろ!お前が悪い」と言われればその通りなのですが八ヶ岳の余り人が歩いていない道を普段、運転している時にたまに横断歩道で人が立っているのを見て一時停止すると後ろの車が自分を追い越していこうとして横断中の人とぶつかりそうになるなんて経験が何度かあります。

しかし、長野県でこれをやるとハッキリいって廻りの人から白い目で見
られる事になります。「これは何でなんだろ?」と不思議に思っていた
のですがフト最近、思う事があって、これは普段から横から車が出そう
になっていると譲ってあげたり、勿論、横断歩道で当たり前の様に車が
止まるのを見たり、同乗しているその家族や知人も見ていて経験しているとそれが当たり前り前になるのだなと最近、気付きました。

昨日も小淵沢駅前の横断歩道で立っていると右から2台、左側から1台、
当然の様に別に私を気にする事もなく通り過ぎて行きました。帰りも今
度は反対側に立っているとやはり右側から車が1台、当然、一時停止す
る事なく通り過ぎて運転していたオジサンがこっちを見て頭を下げて行
きました。あれは「ゴメンね」の挨拶でしょうかね?

横断歩道の一時停止違反は違反点数2点、反則金9000円ですよ。くれぐ
れも一時停止を守る様にしましょうね。歩行者に優しい運転を目指しま
しょう。

2021/05/21

「愚子見記(グシケンキ)」って知ってますか?

今日は少し真面目に建築についてお話しようかと思います。日本の近代建築の始まりは明治維新後の学問としての分野として確立した帝国大学の建築学科から始まります。

当時は海外建築が優れた建築として紹介され主にイギリスを始めとするヨーロッパの建築がその手本とされました。当然、日本にも世界に誇れる木造建築技術がありましたが当時の木造技術の伝統は「口伝」を原則として門外不出の伝統技術とされ、中々一般に広まる事はありませんでした。それどころか例えばお城を建築するとその秘密を守る為に職人を殺したなんて話も良く聞きます。

その口伝で伝えられる技術は昔で言う「宮大工」の間で固く守られてきました。しかし実はその口伝を文章として残したものがありました。それが「愚子見記(グシケンキ)」です。

この本は日本最古の建築技術書と言われ作者は平政隆(タイラマサタカ)という江戸時代前期の大工とされています。彼は江戸城西丸御殿や本丸御殿の造営に関わった大工で自分で口伝で教えられてきた様々な大工技術を9冊の技術書として残しました。

「愚子見記(グシケンキ)」の名前のいわれは「自分が今まで見聞きしたものを忘れない様に自分の為に書いたもの」とされています。口伝の伝統である門外不出を破るものではなくあくまで自分の為のメモとして残すのだから良いだろうという事でしょうね。


「愚子見記」全9冊は法隆寺に代々、門外不出の書として保管され近年では日本最後の宮大工と言われるる西岡常一棟梁が受け継いでいました。

西岡棟梁はその後、法隆寺金堂の再建を託されましたがその構造補強に学者達が鉄筋補強を強硬に押し付けた事に反発しこの「愚子見記」を法隆寺に返納し法隆寺の棟梁を辞めてしまいました。

こうして様々な変遷をへた日本最古の建築技術書「愚子見記」は今も大切に法隆寺で保管されていますが、その他にも写本として何冊かの写しが各地の図書館等に保管されています。

そしてこの中には日本人がその自然をいかにうまく取り入れて世界最古の木造建築物といわれる法隆寺等の貴重な木造建築を残してきたかが詳細に記されています。

余談ですがその愚子見記の中に私達が実践している新月伐採に関する記述も残っています。その記述のひとつが「竹ハ八月ノ闇ニ伐リテ吉シ」と記されています。竹はもともと水分の多い植物なので伐採時期を間違うとすぐ腐ってしまいました。当時は農業の収穫物を竹籠に入れて保管していたので、その竹が腐ってしまうと困ったのでしょうね。ちなみに八月というと真夏の様に思いますがこの八月は旧暦なので今でいうと9月の秋ごろになります。そして「闇ニ伐リテ吉シ」とは「新月の時期に伐れ」と言う意味だと解釈しています。

「愚子見記」の中には日本人が大切にしてきた木造技術が記されており現代建築が未だに対応出来ていない大地震でもビクともしなかった法隆寺や五重塔の技術の源がこの「愚子見記」に残されているといっても良いかと思います。

現代の最先端技術で造られた「スカイツリー」にもこの五重塔の技術が用いられており、どうして昔の大工がこの様な大地震にも耐えられる木造技術を持っていたのかが研究されています。

日本人は昔から木と深く関わりその性質をうまく生活に取り入れる術を持ち得ていたのです。今はどうでしょう?コロナ禍に自粛生活を送らなければならない時間、こんな事をフト考えておりました。

2021/04/28

コロナがもたらす建築環境の変化

 新型コロナウイルスの感染拡大が未だもって終息の兆しが見えず色々な方面にその影響が出ています。

 建築業界にも様々な影響が訪れていますが、昨年の今頃は建築資材のうち衛生機器や換気扇といった部材が多くの生産拠点を中国に依存していた事によりサプライチェーンが切れて生産がストップしてしまい現場が完成をする事が出来ずに混乱しました。私達もキッチンの一部やトイレの調達に苦労した覚えがあります。

 そして今、再び建築業界にコロナの影響が出て来始めました。コンテナ船の運行に支障が出て多くのコンテナが偏った地域、特に欧米・中国等の経済大国に荷が集中し建築資材、特に木材の流通に支障が出始めています。

 原因はコンテナ船の運航だけではない様で経済のバランスで資材の供給が偏った地域に集中している様に私個人は感じています。新型コロナウイルス感染拡大を抑えていち早く国内の経済復興を果たした中国や、もともと経済が好調だった欧米に資材が集中いるのではないかと思います。

 既にKD材と呼ばれる乾燥材の供給や米松といった外材の調達が難しくなってきており材木の調達を国産材に切り替える会社が増えて国産材の調達も難しくなってきている様です。

 ウイルスの感染はどうしても人の移動が原因となって広がっていくので感染を抑える為には移動を制限しなくてはならず、そうすれば流通に支障が出るのは避けて通れません。その結果がこのような建築資材の流通にも影響が出ているのだと思います。

 昨年の年初から日本でもこの新型コロナウイルスの感染拡大が始まった訳ですが1年を経ても尚、その影響は続いており感染拡大が収まるどころか更に広がっていく状況です。

 ここ北杜市でも依然としてウイルスの感染を避けて人の密度が低くて自然環境に恵まれた土地柄に生活基盤を移す人達の住宅建築や既存中古住宅のリフォーム需要の活況が続いています。

 どうもこの新型コロナウイルスがもたらす生活環境の変化は一時的な環境変化もたらすだけでは収まらず人々の生活スタイルまでもしばらく変えてしまうかも知れませんね。いずれにしても一日早く、終息後の生活プランを築けるようになるのを願うばかりです。

アシストのHPへ
八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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