先日、いつものように高速バスに乗って東京に打ち合わせに行きました。ちょうど小雨が降っていてバス停の近くの駐車場に車を止めてバス停に行く間、傘をさすべきかどうか迷ったけど大した雨では無かったのでそのまま走って屋根のあるバス停に駆け込みました。
バス停には中年の女性の方が既に一人座っておられて、決して広いバス停ではないので普段、雨でも降らない限り屋根付きのブース内の椅子には座らないのだけど今回は小雨が降っていてしかも傘をさすのが億劫で走ってきたので「こんにちは」と小声で挨拶して隣に座らせて貰った。
暫くして同じく中年の男性が傘をささずに走って来て「どうも」と言って入って来たので少し詰めあって3人で座った。
そしたら今度はもう一人中年女性が慌てて入ってきて同じく「こんにちは」と小声で挨拶して入ってきたのでお互いに詰めあって結局4人で小さなベンチに詰めあって雨を凌いでいた。
その時は狭かったけど何となくお互いに全く知らない人だけど小声で挨拶して譲り合ってベンチに座るという行為にちょっと心嬉しく思いながらバスを待って持参した小説を読んでいた。
その内にバスが来て指定された席について小説の続きを読んでいると次のバス停でキャリアウーマン風の女性が私の斜め前の席に座った。たまたま私の席は窓側で隣は運よく空いていたのもあるかも知れないけどその女性は座ってから直ぐに何も言わずに勢いよくリクライニングシートを目一杯倒して睡眠体制の準備を始めた。
うちの女房は一緒にバスに乗るとリクライニングシートを倒す時に必ず後ろの人に「ちょっと倒しま~す」と平気で声を掛ける。関西のオバちゃんなのでそれが隣に居る私は恥ずかしくて「やめてくれ~(笑)」と思う時もあるけどそれはそれで「偉い」と本当は思っていました。それでも目一杯倒す事はまずないですけどね・・マア、別に悪い事をしている訳でもないのでちょっと驚いたけど今時のキャリアウーマンさんは疲れているのだろうと思っていました。
そしたら次のバス停でそのキャリアウーマンさんの隣の空いていた窓側の席の方が乗り込んできた。
オバちゃん風のその方は窓側の席に座るのにそのお姉さんが目一杯リクライニングシートを倒して座っているので入り難くて「すみません」と声を掛けたのですがそのお姉さん「・・・」何も言わずにちょっと膝を曲げて別に席を立って譲る気は無さそうでいかにも「早く座ってよ」と言わんばかり・・・
仕方なくそのオバちゃんは苦労してそのお姉さんの膝に乗る様にして隣の席にやっと着いた。その様子を見ていて私は「やれやれ」と思ったけどマアいいかと再び読んでいた小説の中に戻って行きました。
そして暫くすると今度はあろうことかそのお姉さん、すっかり睡眠体制を確立したいらしく隣のおばちゃん側の椅子のヘリに頭を持たせかけて寝始めました。
さすがに前のオバちゃんは頭に来たらしく時々、肩をゆすって威嚇しはじめ(笑)さてどうなるかなと思って見ていたらお姉さん、諦めて反対側に頭を傾けて寝る体制を取り始めました。やれやれです。
高速バスにのっていると時々こういう人間模様みたいな事に出くわすのですが、最近いつも思うのは近頃、言葉が足りない人が多くなったなという事です。
一言、他人を気遣う言葉があるかないかで人間随分違った印象を持つものです。先ほどのバス停でもお互いが何も言わずに入ってきていきなり狭いベンチに座れば「何だよコイツ!」となるけど一言「どうも・・」とか「こんにちは」があると「どうぞどうぞ」となる。
この違いって実は結構大事なんですよね。私もいつもこの一言を言うタイミングを失って後で厭な思いをする事があります。
元来があんまり他人と話すのが得意な方ではないのでこの「一言」のタイミングを逃すと結構辛いのです。反対にグッドタイミングでこの一言が言えるととてもハッピーな一日になります。
仕事でも話かけても返事が来ない人が結構います。「何で?」って聞いたら「前にも言いました」と言う。その時、いつも思うのです。何で同じ事言ったらイケナイの?そんなに損する事?話かけても返事が無いととても厭な思いがします。「え~」でも「ま~」でも何でも良いのです話掛けられた事に対して反応して貰えると次の話がしやすくなるのです。
皆さん、一言を惜しまずに言いましょうね。大事です。
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