3人の子供達
私が最初の子供を授かったのが26歳の時でした。その時は自分に子供が出来るとは思っていなかったし事情があって子供は出来ないかも知れないと思っていたので本当に驚きました。
とても嬉しくもあり又、自分が本当に父親になる資格があるのかとも思ったりしてちょっと戸惑ったのを覚えています。
生まれたのは我が家の長男でした。その後長女、次男と3人の子供達を授かり我が家は一時期最大、人間5人、犬1匹、猫3匹(笑)の賑やかな所帯になりました。
あれからそれなりの時間が経ち子供達はそれぞれ成人して旅立っていき先日、1人が別の自分の家族を持つようになりました。何だか考えてみるとこんな話は普段いつも聞いている話であるけども、いざ自分の事になると、とても不思議な気持ちになりますね。
元来が自分勝手で好きな事をやってきた人間なので3人の子供達には本当に親らしい事は何一つやってあげる事は出来なかったけれど子供達はそれぞれが自分の時をしっかりと刻んで大きくなってくれました。もう君達に何もしてあげる事は無い!何て・・・元々何もして貰わなかった(笑)という声が聞こえてきそうではありますが・・・
先日、いつもの様に会社の仕事を終え夜、事務所を出て夜の森の中の道を自宅にむけて車を走らせていたら左側の谷に向かって落ちていくガードレール付近を蠢く何かに気付いて急ブレーキを踏みました。
暗くて一瞬の事だったのですが何かが動いたのです。車のライトに浮かび上がったのはいつもその辺をこの時間にウロウロしているイノシシでした。いつもは夫婦でデカイお尻をフリフリしながら歩いていくのですが今晩は少し様子がおかしいのです。動きが鈍くてしかも父親が居ない・・・変だなと思い車に乗ったまま後をゆっくり付いて行くと何とそのイノシシの足元にチッチャナ本当にチッチャナ「ウリボウ」が4匹、母親のお腹の下に隠れて付いて行ってました。
だから母親はゆっくり歩いていたのです。子供の大きさは身長がほんの20cm位、本当にチョコチョコ付いていくのがやっとという感じでした。その姿が微笑ましくてずっと見ていたのですが余り驚かしてもイカンと思い「邪魔したね」とその場を後にしました。
しかし、「親父はどうしたんだよ?と後で思いましたが、いずこも同じか(笑)・・・」何て何だか分った様な分らない様な理屈を自分1人で納得して帰りましたがその後ずっとその微笑ましい姿が忘れられなくてやっぱり写真撮れば良かったかな?と反省もしてしまいました。
その時は一瞬、カメラを取り出そうかなとは思ったのですが、車を止めて外に出ると驚かしてしまうかな?と思ったのと、もしかしたら母親が子供を守る為に反撃に出るかも知れないという思いがあって断念したのです。そのイノシシ夫婦はいつも夜出会うのですが本当に大きいのです。当たり前の事だけどその子供達が親に比例して余りに小さいのでそのギャップが凄く面白かったのです。
あのウリボウ達もこれからそれぞれ自分達の人生ならぬ猪生を生きていく訳ですね。余り畑を荒らして人に迷惑掛けるなよ何て勝手な事も思ったりはするのですが、もともと彼等が先に棲んでいた所かも知れないので彼等の方が「勝手に他人の土地に家建てんなよな(笑)」と思っているかも知れませんね。
私自身は父親はもう亡くなっており母親がまだ郷里の高知で健在ですが今、考えてみても父親との繋がりは余り深くなくて元々、父は余り家庭を大事にする方では無かったのでどうしても母親との繋がりの方が深かったですね。
今の若いご夫婦をみていると、とても父親が子煩悩で羨ましかったりします。昔は父親って家庭の中で一番偉そうにして余り多くを語らずに「俺の背中を見ていろ(古っ!)」何て勝手な生き方をして台所には一切入らないなんて気風があって特に高知とか九州とかはそんな傾向が強かったように思うのは私だけですかね?
ともかく我が家の3人の子供達はもうそれぞれ自分達の道を自分達の足で歩いているので親は・・・今度は後付いていくから歳老いてもヨロシクね(爆)
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