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2009年8月

2009/08/24

「エコ」と「勿体無い」と「家電量販店」

 先日、女房と冷蔵庫を見に家電量販店に行きました。我が家の冷蔵庫はかれこれ20数年前に買ったものでまだ頑張っている。しかし、夜中になるとブ~ンと大きな声でうなり始めガタガタと身震いして止まる。ちょっと眠りが浅いと何事かと思って目が覚める有様です。

 そんな折に女房が最近、冷蔵庫を買った友人から電気代が毎月かなり安くなったという話を聞き、これはもしかしたら我が家の20年生の冷蔵庫をこのまま寿命が尽きるまで使い続けるのと、ここで思い切って買い換えるのとではどちらが得か良く考えてみなくてはナラヌと考え付いたのであります。

 さあ、それからは近くにある家電量販店に行って全てのメーカーのカタログを集め店員を捕まえて買いもしないのにあ~でもないこ~でもないと質問を浴びせ検討に検討を重ね、「これはやはり買い換えるべきである」との結論に達しました。しかもいまなら「エコポイント」もついているし政権交代になればこれもどうなるかワカラヌということになり「いざ出陣!」と相成った訳です。

 確かに計算では我が家の古い冷蔵庫と性能の良い新製品の今の冷蔵庫とでは1年で数万円の電気代の差が出る計算になる。そうすると数年で元が取れる事に計算上ではなる。しかもエコポイントで還元もある。この計算が正しいのかどうかは良く分からないけど家電屋さんで「下取り出来ない?」と聞くと「とんでも無い、良く20年も使いましたね。もうそろそろアチコチに支障が出てきてもおかしくないですよ」と呆れられました。確かに、多分、アチコチ無理が出てるとは思うけど冷えることは冷える(笑)この場合は冷蔵庫を買い換えるのが「エコ」となるのであろうか?それとも「勿体無い」から壊れるまで使うべきなのか?それが問題である。

 女房殿に言わすと「取り敢えず店に行って検討する」とおっしゃる。これが実は大変な問題なのである。私に言わすと「買うのか買わないのか決めてから行った方が・・店員さんも困るし・・」と思うのだけど女性の場合はどうやらそういう事は余り気にしないようでとにかく突撃あるのみである。

 で、出撃。取り敢えず昔テレビを買った店で現時点での価格を軽く調査・・女房と店員さんとのバトルの末「この価格で如何でしょう」「う~ん、それじゃちょっと考えさせて。ところでその価格は年末まで同じ値段?」「イエイエ、本日だけです。年末にはもうこの機種は廃番で生産中止になります。今日、決めて下さい」「う~ん、それじゃ後で連絡するから名刺頂戴」で軽くジャブを繰り出して次の店に・・・

 狙いを定めたメーカーの機種を探すと案の定、価格札に「更に値下げします」と書いてある。早速、店員さんを捕まえて「これ幾らになるの?」と聞くと「ちょっと相談してきますのでお待ち下さい」との返事。しばらくして戻ってきて「○○円でどうでしょう?」との返事。前の店より5千円程安い「う~ん、ちょっと考えてから又来ます」と軽くいなして店外へ。

 女房曰く「どうする?」「ここまで来たんだから徹底的に見てからにした方が納得するんじゃない?」「でも遠いしね~」「こうなりゃ、どこまでもお供しますよ」てな訳で隣の県にある別の量販店に移動。早速、お目当ての機種を探して近くいた感じの良さそうなオバチャンの店員さんを捕まえて価格を聞く「お客さん、ちょうどこの機種は人気で在庫が切れているのですが今日、手違いで戻ってきたのがありましてこれでよければ勉強しますよ」と仰る。こちらにとっても別に現品でも全く問題ない。「○○円でどうでしょう」と提示された価格は前の店で提示されたものとほぼ同価格、しかし、こちらは未使用とはいえ既に開封されて梱包をとかれた品、同じ価格ではちょっと引っ掛かる。という訳でこの店も「ちょっと検討したいので名刺下さい」とすぐに退散し次の店へ。

 既にこの時点でその店の閉店にあと30分程の時間になっていました。時間がないので目を付けていた機種へ一目散、もう今日だけで4店目なのですぐ見つけられる。すぐに近くにいた若い店員さんが近づいて来た。もう閉店近くなので短刀直入に切り出す。「これ幾らになるの?」「ちょっと確認してきますので少しお待ち下さい」といってなにやらレジに行って調べている・少ししてから戻ってきて「○○円で如何でしょう?」こちらも時間が迫って来ているので今までと違ってストレートしか投げない。「え~それじゃ○○店と10円しか変わらないね。ど~しようかな?もう少し考えてからにしようかしら?」とノタマウ。「分かりました、相談してくるのでもう1回待ってて下さい」と言ってお兄さんは再びレジのところで何やら上司と相談する様子。

 その間、こちらでは「幾らで言ってくるかな?」「せいぜいいっても○○位じゃないの~」とこちらの心積もりを相談しているうちに店員さんが戻ってきて「全部込みで○○円で如何でしょう」「!」実は女房と相談していた価格より5千円程低い価格での回答、内心シメタ!と思いながらも女房殿はそれでも「え~どうしようかな~」と仰ってこちらの様子を伺う素振りをする。

 店員さんはさすがに無言・・・「あのさ~もう決めようよ。ここまで来たんだし・・・」で漸く決定。購入手続きをしてエコポイントの申込書を貰って本日の「エコ」と「勿体ない」の関係については結局よく分からずに疲れ果てて家に帰り着きました。やれやれ・・・

2009/08/15

お盆と渋滞と夏休みと・・・

 今年もお盆の季節がやってきました。普段、森の行き止まりに建っている我が家に夜、訪ねて来る人はめったにいないし車も来ない。しかしっ!この時期は道に迷った車が夜中に入って来て当然のように行き止まりになった道を車のライトが照らし出し呆然とする運転手さんが我が家の前で立ち往生・・・苦労して方向転換して元の森の中の道へお戻りになる。

 しかも、こういう車に限って近くの貸し別荘を目指す若いカップルが多い、だから車もマフラーを改良してあるイケイケ車ときているからたまらない。エンジン音を「バウバウ」いわせながらUターンする羽目になりその度に我がオンボロ車にぶつけられないかハラハラするのである。

 先日も夜中に「バタンドタン」と外で音がするので「何か音がする」と女房に言うと「お隣の別荘の人が来たんでしょ。いい加減人に慣れなさいよ」と叱られた。「人に慣れなさい」とはどう言う事?と思ったけど確かに普段はキツネやらタヌキやらしか会わないのだからたまに人に会うと驚くのも仕方ないのである。どうもこっちの感覚が野生動物化してるのかも知れない。

 しかし、この時期は本当に人が多い、昨日も事務所近くのコンビニにお昼の弁当を買いに行ったら駐車場が満杯で駐車場にすら入れない。自慢じゃないがこのコンビニ、普段は大型観光バスが普通に駐車場に止まって乗客が買い物をしている位、広い駐車場なんだけどそれでも駄目である。

 こういう時は店の中も戦争状態できっとレジのオバチャン達も目が釣りあがっているし待っているお客さんも「ったく、早くしろよ!」という目をして睨み付けているので近づかない方が良いのである。でもって、近所のもう一つの地元の商店街にある別のコンビニにいったら此処も満車・・・それでも先ほどの店程でもないので空くまで待って何とか1車分の駐車スペースが空いたのでそこに車をいれてやっと昼のお弁当をゲットした。いやはやである。

 そしてこの時期、最も恐ろしいのが道を探しながら超スローで走っている県外ナンバーの高級車さん達である。何せ廻りを見ていないのでこういう車の後ろについたらひたすら我慢するしかない。止まるのか曲るのか、どうしたいのか全く分からない。せめて「道に迷ったからちょっと止まるので左に寄るね」と言ってくれればこちらも「何処に行きたいのですか?」くらいは聞いてもよいのだけど最近の高級車は皆大抵ナビが付いているので性質が悪い。

 田舎の道でナビで走ろうと思っても大抵検索外である。「目的地付近です。ナビを終了します」と一方的に切られて終わり。さあ、この「目的地付近」が曲者・・・例えば私の事務所のある北杜市大泉町西井出の住所は建物が建った順番に住所が付いている。つまり隣り合わせの家でも全く住所が違う、あっちこっちに広がっているのである。しかも大抵森の中で目印なんてない。

 よく道に迷った人から「住所は○○番地なんですけど」と聞かれるけどこの住所があっちこっちに散らばって付いているのだから探しようがない。でもって道の真ん中で地図とにらめっこする羽目になるのです。

 ドライバーの皆さん、せめて道に迷ったら後ろの車の為にウインカーを出して道の横に車を寄せてから道を探しましょうね。そして地元の人達はこの時期は何処へも出かけてはなりませぬ。ひたすら買い溜めをしてどこへも行かずに自宅でじっとお盆が終わるのを待つのです。ホラッこの時期は「迎え火」と「送り火」で忙しいではありませんか。ご先祖様をお迎えして静かに家で過しましょう。

 間違っても、暑いからといって近所のコンビニにビールを買いに行ったりしてはイケマセン。じっと自宅で我慢しましょう。外で怪しい音がしてもそれは亡霊ではありません。ちゃんと足の付いた人間の仕業ですので驚く事はありません。

 キツネやタヌキさんは人間と遭遇してしまっても慌てて逃げずに良く右左を見て車が来ないか確かめてから森の中に帰るようにしましょう。

2009/08/07

おくりびとの作法

 近所に住む友人が亡くなりお通夜とお葬式に参列してきた。つい最近まで元気にしていたのでちょっと辛い別れだった。そのお葬式の直会の席上での事「なんで山梨は、お通夜がすむと直ぐに火葬なんだろね?山梨だけなのかな?」「私は長野だけど長野でもそうですよ」「へえ~山梨だけじゃないんだ」地方や宗教によって葬儀の作法も色々変わるけど人の送り方もそれぞれですね。

 私も仕事の関係や知り合いの葬式で色々な形式を経験してきました。最近は無宗教で「友人葬」なんてのが増えてきましたね。これは本当に形式に拘らずに親しい友人に囲まれて私としては好ましいなと思っています。

 先ほどのお通夜での席でもちょうど年恰好の近い共通の友人が集まったので「あのさ、俺達の葬式ってどんなのにしたいってある?」「出来れば葬式なんてしたくないよな」「お前は会社の社長なんだからそうはいかないだろ」「でもさ、そんなのって厭じゃない?」「厭だって何だってやらない訳にはいかないだろ」「そうだよね」「しかしさ、くたばった方が厭っていったって本人死んでんだから分からないじゃない。だから本人が厭って言ったって仕方ないんだよ」「そりゃそうだ」「でも厭だな~」確かに辛い席であるほど葬式って厭ですよね。

 いつだかは○○学会の葬式に参加したのですが参列者全員が一心腐乱にお経を唱えてて、それも本当にお腹の底から絞り出すように男も女もそれこそ一生懸命お経を唱えててびっくりしました。他にも○○宗のお葬式では最初に「お経」を渡されて「これ、どうすんのかな?まあ、とりあえず貰っとけばいいか」と思っていたらいきなり「では、皆さんでいっしょにどうぞ」と言われて周りを見渡すと皆さん何も見ずにお経を唱えていらっしゃる・・・仕方なく私も口をモゴモゴと動かして唱えてるふりをしていました。

 田舎の高知では神道が多いので実家も神道の葬式が多いですね。自分が覚えてる一番はじめのお葬式は父方の祖父の葬式でした。子供心に初めて人の死というものに触れ、おじいちゃんが死んだという事実が中々理解出来ずに、ただただ棺に納められた祖父の死顔が怖かったのを覚えています。

 それと強力に記憶しているのが膝の痺れ・・とにかく痛かった!あの頃は兎に角、子供でも膝を崩すという事が許されなくて玉串を取りに行くのに立てなくて苦労したのを覚えています。

 最初に言いましたが高知というか一般的な神道のお葬式ではお通夜の翌日にお葬式が取り行われ参列者が見送る中、棺が霊柩車に乗せられて火葬場に向かって出発し一般の参列者はそこで故人と最後のお別れをする。

 というのに慣れているので山梨のお葬式に行くともう骨になって骨壷に入っているなんていうのがどうも拍子抜けして困るのです。何がって?そりゃ何となくやっぱりホラッ告別式の会場から霊柩車に乗って火葬場に行くのを見届けると「これが見納めだね」と自分でも気持の整理が出来るじゃないですか。それが、「もう骨になってます」と言われると何となく「あっ!もう骨になってるのね・・」となって覚悟してきたのに拍子抜けになっちゃうじゃないですか。そんな事ないですか?そうですか・・・

 元々、私の住む北杜市長坂町も土葬の習慣があるので地元の方は「親を焼くなんてとんでもない親不幸者だ」となってしまうらしくて北杜市に火葬場が出来たのもつい最近の事です。昔は火葬場がないので隣の市まで焼きに行っていました。

 私達が引っ越してきた時も「若い墓掘りが来てくれて助かった」と言われたものです。年寄りばかりだと墓穴を掘るのも大変ですからね。最近はそれでも大変なのでご先祖様には申し訳ありませんが機械の力を借りて掘っていたりします。時々、ご先祖様が出てきてちょっと寄って貰ったなんて話も聞きます。

 最近は納骨堂なんてのが増えてきて私も父の骨は納骨堂に入れて、永代供養料を納め、ちゃっかりお金で解決してしまっています。イカンイカンです。今年の夏はご先祖様のお墓の掃除をしに行こうっと・・・

2009/08/02

どっちが森の住人?

 朝、5時頃、森の中は夜明けで白々としてくる。私の寝ている寝室にはカーテンが掛かっていないので寝床から外の様子が丸見えである。それでもいつもならその時間はぐっすりまだ夢の中である。しかし、その日は様子が違った。

 白々としてきた森の中からひときわひきつったような声が森の静寂を切り裂いた。「ヒエ~ヒエ~ヒエ~・・・」「ウルサイッ!って、いや本当にウルサイッテ!」「お前誰だよ?」と叫びたくなるほどウルサイッ!どうやら森の中でひときわ高い唐松の木のてっぺんで叫んでいるらしい。布団をかぶろうが何しようが容赦なく叫び続ける声が耳に飛び込んでくる。「ヒエ~、ヒエ~、ヒエ~!」どうやらここ数日、森の中で煩く騒いでいる猛禽類の子供の声らしい。きっと朝早くから親鳥が餌を取りに行ってその帰りを待ってお腹が空いたのかしきりに鳴いている。

 大体、名前は知らないけど猛禽類の奴等は意外と子供が大きくなるまで甘やかして餌を運んで食わせるらしい。子供だってとっくに巣立ちをしているのに一人前には程遠くいつまでも親に餌を取ってきて貰うらしい。

 「全く、どこの世界も親が甘やかすからこういう子が出来る!」と訳の分からない文句をいいながら隣に寝ている女房に「何とかしろよ!大人しく泣きやまないと焼き鳥にするぞ!って言ってこいよ」「馬鹿言ってんじゃないわよ。自分で言ってくればいいでしょ」と取り合って貰えない。

 お陰で目はバッチリ覚めてしまい。それから延々とその馬鹿息子だか娘だかしらないけど鳴き続け、お陰で小鳥達は餌にされちゃかなわんと恐れをなして森の中から逃げ出してしまい、そいつの独演会はず~と続いた。

 結局、寝不足の目をしたまま会社に行く羽目になり、昼間、何とか眠い目をこすりながら仕事を済ませた。

 そして夜になり仕事を終えた帰り道、車を運転していると目の前をフッと何かが横切った。何だ?何だ?と確認する間もなく視界からその物体は消えた。

 そしてフト運転席から右横の山側の土手をみると車と一緒に走っている黒と白の斑の物体が!何だこいつ?と目をこらすと何と若いタヌキ!タヌキが車と一緒に走っている!きっと山道のカーブで遊んでいたら私の車が通り掛かり、慌てて逃げ出したのは良かったのだけど何故か車と同じ方向に走り出してしまったのでしょう。

 相手も「どうしよう!どうしよう!何故、追いかけてくるの?」と思いながら走っているし、こっちも「なんで並んで同じ方向に走るんだ?」と思っているからずっと並んで走る羽目になったという訳。

  で結局、しばらく並行して走った挙句、私は車を止めて、奴も立ち止まってお互いに顔を見合わせてお互いに「何だよう・・」と言いつつ、奴は山の中に入って行きました。

 こっちはやっと安心して車をスタートさせてしばらく走っていてもうすぐ家につく細い道に曲がる直角のカーブを曲がろうとハンドルを切ったその時!今度はかなり離れた所から大きくカーブを切りながらこっちに向かってかなり早いスピードで走りこんでくる茶色の物体!慌てて急ブレーキをかけて車を止めた。

 今度はなんだよ?と思う間もなく目の前に飛び出してきたのはいつもの若い狐。全く、何でこっち向いて走ってくるんだよ。反対側に逃げるだろ?普通・・・何でこっちに向かってくるんだよ。と思いつつ、轢かなくてよかった~と胸を撫でおろしました。

 「やれやれ今日は何て日なんだ」と呆れつつあと数十メートルで家の駐車場という所で今度はいつも夜中に家に遊びに来る近所の茶色と白のブチ猫とすれ違い思わず目が合った。

 その目は「お帰り、遅かったね」と確かに言った。何てこった、確かに森の中に住んでるけどここは全く人間の住んでいるところに奴らが出てくるのではなく、奴らが住んでるところに私が通りかかると言った方が正しいのかも知れない。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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