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2006年3月

2006/03/29

日本で最初に咲く桜

 先日、故郷の高知に用事があって帰ってきました。ちょうど桜の季節で市内のいたる所で桜が咲いており山梨の標高1000m付近に住んでいる身にはオオッ!春だ!と改めて驚きました。

 高知の桜で有名なのは高知城、三の丸に咲いている気象庁が定めた標準木、正式には「植物季節観測用標本木」となっているソメイヨシノです。今年も気象庁発表の公式記録として日本で一番最初に開花宣言が出された桜です。そしてちょうど私が帰郷した前日に同じく日本で最初に満開宣言が出されました。あくまで気象庁が定めた標本木としてですので実際にはもっと早く咲いている桜もあるのでしょうが公式にはこの高知城の桜が日本で一番最初に咲く桜となっています。

 ところで子供の頃にはガキ大将だった私はいつも高知城は遊びのフィールドで登ってはいけない石垣を登ったり鬼ごっこをしたりして走り廻っていました。その頃にもきっと標本木はあったのだと思いますが現在のこのソメイヨシノがそうだったのかは全く記憶がありません。もっとも桜を楽しんでいるような子ではありませんでしたから気が付かなかっただけだとは思いますが・・・現在の標本木となっている桜は高さ3m程の木でよくみると高知気象台の標本木であるというプレートが掛かっておりフト根元をみるとかわいい子供の枝が残っていてそこに一輪の桜が一生懸命咲いていました。

 高知を離れ訪れる事の少なくなった高知城ですが今年はNHKの大河ドラマ「功名が辻」で山内一豊が放送されているのでそれにあやかってお城は改修工事が進んでいました。来月4月からオープンだそうです。ところで日本で天守閣から追手門まで現存している城は3箇所しかないそうです。知らなかったけど地元にいると以外と知らないものですね。

 私にとってはお城はいつもそこにある高知のシンボルであり辛い時、楽しい時、悲しい時にいつもお城にいたような気がします。本当にいつもその節目に何故かお城に足がむくのです。年月が過ぎて城下の風景は一変してしまいましたがお城はいつもその周囲に住む人間のシンボルであり心のより所だったんだなと思います。子供の頃いつも覗いていた追手門の近くの露天の縁台将棋は今でも市民の憩いの場所として賑やかに行われており何だか昔にタイムスリップしたようでした。

 日本で最初に咲く桜・・・来年も鮮やかな姿を見せてくれることを願います。

2006/03/21

やさしさ回帰

最近、色々な環境保護や公害問題とかシックハウス症候群の話を聞く機会が多くて色々な人の話が耳に入ってくる。先日も面白い方の話を聞いた。その方はメデイア関係の方だったんだけど「世の中どんなに技術が進歩しても人間様が生まれるには10月10日かかるんですよ。それが自然の摂理なんです。これは誰も変えられないんですよ。」と言われたのを聞いてナルホド、そりゃそうだなと思いました。

自然の摂理・・・人として生きていく上で最低限必要な「思いやり」や「やさしさ」といった当たり前の事が今、当たり前じゃなくなったからおかしくなった?そんな気がする。食事を食べる時に「いただきます」食べ終わったら「ごちそうさま」こんな当たり前の会話・・皆さんしています?食べ終わった食器片付けますか?最近、「木」にまつわる会合が多くて色んなところで人生の先輩といった方達と同室でよくごろ寝の宿泊をする機会があるのですがこのオジサン達、必ず自分の布団は自分で畳む・・・オジサンである。食事の時は「いただきます」と「ごちそうさん」そして食べ終わったらいそいそとオジサン同士、食器の片付けを始め、中には当然のように食器洗いまでしてしまう。皆さん会合が終わって帰れば立派な会社の社長さん達ばかりである。でも会合ではオジサン同士なのである。時には議論白熱して緊迫した場面になる時もあるがそれはそれで布団は自分で畳む・・・

私の好きな倉本氏の富良野塾での生活を書いた本を読んでいると倉本氏が塾生に求めるのは演劇やシナリオライターとしてのテクニックではなくその前に人としてどう生きるかというテーマである。そしてそれをどう人前で表現できるかという事である。塾生は自分の食べ物は自分で調達するのが原則なので近くの農家に出稼ぎに行く。必然的に演劇を学ぶのは夜間になる。倉本氏の講義は無料。但し、昼間の疲れで居眠りなんかしたら一括されて追い出される。いつも真剣勝負である。人が人として生きていく上で何に感謝して何に感動させられるのか・・それをいつも塾生に問いかけているのです。だからいつも倉本作品には感動が溢れている。その本の中のエピソードを一つ・・ある日塾生の入塾パーテイーで盛り上がり塾生が即興劇をお客様の前で披露し始めた・・・とたんに倉本氏の表情が一変しお客様に向かって「今日は有難うございました。申し訳ありませんが今日はこれでお帰り下さい」と言い。客が帰った後、塾生は呼び集められて「君達はプロを目指した入塾した以上、恥ずかしい劇を見せてはいけない!」と一括したという話がある。言われてみれば当たり前の事ではあるがこんな事、いつも心に本当に思っていないと出てこない言葉である。何に感謝し何に価値を見出して暮らしているかが問われるエピソードである。

もう一度自分に振り返って自分はやさしさを持って暮らしているだろうかと思ってしまう。やさしさとは何でしょうね・・・凡人にはなかなか分りません。

2006/03/12

新月の木を考える

060311 2日間に渡り東京で新月の木に関わる会合が開かれて北は北海道から南は九州福岡まで全国からこの活動に何らかの形で参加されている方達が集まり熱い思いを話合いました。この写真は1日目を終え2日目の午前中の会議の模様です。前日、時が過ぎるのも忘れて結局、酒を飲みながら日付が変わるまで話をしましたがそれでも話は尽きず、この写真のように改めて別の会議室で話題を変えて議論をしてきました。

毎度毎度の事ですが木及び山に関わる人たちの思いはいつも熱く真剣で私は聞いていていつも関心してしまいます。それだけ日本の山の現状は厳しい状況があり今、何とかしなくてはという思いが皆さんの心にあるように思います。同じように設計事務所や工務店側の人たちもどうやったら本当に良い家が「造れる」のか、どちらかというと我々の会に参加されている人達はどうやったら「売れるか」ではなくどうやったら健康で長持ちする家が「造れる」のかにこだわっている人達が多くて「そこまでやってんだ!」って思わされる話が多くていつも勉強になります。

勿論、建築とは全く関わりのないメンバーも多くてそういう方達の話にもいろんなヒントが隠されていて凄く為になります。私にとって多くの方達との交わりが何ものにも代えがたい財産になっています。今回、私は司会という立場で参加させて頂きましたがまた、新しい多くの出会いがありました。今後、この出会いがどういう風に自分に変化をもたらしていくのかが楽しみです。

2006/03/04

与作ツアー0602

0602 今年2度目の与作ツアーが天竜で開催されて私もお客様と一緒に参加してきました。というか私は新月伐採の現認も兼ねて履歴を取ってきました。現認というのは伐採された木の立っていた森の状況や木自体の生育状況(樹齢、樹高、葉のつき方、曲がり、傷等)を1本1本記録してその木が最終的に利用されるまでその情報を開示するものです。最近、食品には当たり前になった産地表示をもう少し詳しくしたようなものですね。

今回の参加者は15名程でしたがみなさん熱心に伐採体験したり倒される木の迫力を噛締めておられました。樹齢80年を超える杉が主体でしたがその巨体が倒れる瞬間に上げる悲鳴のような音に皆さん驚かれていましたね。私達よりはるかに先輩の生物の命を頂いて家の部材に変えようとするのですからその命の重さを実感して大切にその命を受け継いでいかなければならないと知らされる瞬間です。当社のお客様もわざわざ会社の仕事を終えてから真夜中に現地に移動されて参加されましたが、それだけ関心を持って参加されるという事は山で仕事をしている人間にとってはとても有り難い事ですしもっと早くこういう努力をしてこなければならなかったと思います。

今後もこういうイベントがある限りバックアップしていきたいと思います。皆さんもよかったら是非参加してみて下さい。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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