音楽の力
一年に何回かコンサートに行く機会があります。数百円~1万円位までの中小規模のコンサートがほとんどですがそれだけに気取ったところが無くて演奏する方も中小規模のホールやペンションだったり喫茶店だったり酒蔵だったりと気取らない雰囲気の所が多いので余り緊張せずに演奏出来る様でその雰囲気が聞いている方にも伝わってきます。
昨日はお施主様の自宅のリビングで「知り合いがイタリアから帰ってきてジャズの演奏するから来てください」と声を掛けて頂いて早速行ってきました。
まだ20代の若い彼は北杜市の地元の中・高校を卒業後、単身イタリアに渡りクラシックのトランペットを勉強していく中でジャズに興味を持って現在、教授から指導を受けながら演奏活動を続けているそうです。
ソロの演奏だったので大変そうでしたが若者らしく恥じらいながらも一生懸命、イタリアで学んできたものを披露してくれました。いつの日か著名なアーテストになって又、彼の凱旋ライブを聞ける日が来るのを楽しみにしています。
山梨には余り大きなコンサート会場はありませんが先日も甲府市内の800人程収容の小ホールでのコンサートに行ってきました。
シンガーソングライターの現在50代の彼女は昔、一世を風靡した著名なアーテストですが暫く子育ての為に日本を離れ海外で暮らしていましたが子育てを終えて帰国して全国の小規模なホールばかりを廻るツアーをしています。
地方都市にいると中々、時代の最先端をいくアーテストのコンサートが開催される事はありませんがこういう一時期、栄光の時代を過ごした後、様々な人生の経験を積んで新たにアーテストとしての別の価値観を見出した活動をしている彼女の様なコンサートが開催される機会があります。
勿論、彼女が昔、ステージ上で光り輝いていた時代も見ていましたがこうやって普通の一人の人間として親としての時間を過ごした後、復帰して又、あの時代の曲を生で目の前で披露してくれるのを聞く機会が持てるのはとても幸せな事だと思います。
彼女自身も「20代の頃の大ヒット曲を引っ提げてのツアーは会場と移動だけの時間しかなくて、もうそういうツアーはやりたくない」とステージ上で語っていました。
今は地方都市のコンサート前に地元の特産品を買ったり美味しいものを食べたり地元の方と触れ合ってから会場入りしてリハーサルをする事に決めているそうです。そうする事によってその地方の暮らしを少しでも体感する事で初めてその地方でのコンサートを開催する意味があるという事のようです。
彼女は演奏活動を通じて東北大震災の復興活動にも尽くし山梨の神代桜の苗木を東北に送り続ける活動もしています。
又、先月は知人の中国の著名なバイオリニストの演奏も聞く機会がありました。彼女は中国で文化大革命の影響を受け楽器を演奏する機会を奪われ自宅の地下に隠れ父親が大人のバイオリンをノコギリで切って子供用に小さくしたバイオリンで密かに練習を積み、やがて日本に来て大学に入学して外国人として初めて芸大の博士号を取得しました。彼女の演奏は本当に素晴らしくて私は涙が止まらなくて困りました。
あの東北大震災以降、多くのアーテストが復興活動に参加し演奏を続けてきました。「音楽は人を救えるか?」とよく言われますが、私は自身をもって「勿論です!」と言えます。
前出の中国人のバイオリニストも東北大震災後、復興活動で演奏していますが「悲しい時は悲しい曲を聴いて思いっきり泣くことも必要です」と言っていました。
残念ながら私自身は楽器はまるで駄目なのですが聞くのは大好きです。困るのはどうも年齢を重ねて涙腺が緩くなって素晴らしい音楽を聴くと感情が昂ぶって涙が止まらなくなるのが難点ですが(笑)
これからも多くの良い音楽を聴き続けて行きたいと思います。皆さんもたまにはコンサート会場に行って手を叩き、拳を振り上げませんか(笑)
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