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2010/04/04

天下の奇祭「諏訪大社の御柱祭」

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初めてその祭りを見かけたのは今から
12年前の事だった。たまたま買い物に出掛けたホームセンターの駐車場でふと大きな歓声とラッパの音を聞いて「何の音だ?」とその音の方向を探して道路の反対側に顔を向けた時、大きな木に大勢の人が群がって高い坂の上から落ちるところだった「あっこれが御柱祭か!」と、その時まで気が付かなかった。

 諏訪大社に伝わる天下の奇祭、「御柱祭」の存在は知っていたがそれがたまたまその時に開催されていた事や、「木落し」と呼ばれるその祭りのハイライトがこんな所で開かれていたとは全く知らなかった。

 その時の祭りでは木落としの会場で飛び出した観衆が落ちてくる木に触ろうとして命を落とした。全くとんでもない奇祭だと思った。7年に一度、干支の申と寅歳に開催されるので実際には6年に一度だが伝統的に数え年で数えるので7年目に開催されると一般的に言われている。

 八ヶ岳に来てから20年、「御柱祭」を迎えるのは3度目になる。昨年は残念ながらタイミングが合わずに見る事が出来なかった。今回は木材関係の取引先が招待してくれたので思い切って見に行く事にした。

 「御柱祭」のハイライトは3日間に渡って開催される「山出し曳行」と傾斜角度27度の坂から御柱を引き落とす「木落とし」宮川の川を渡る「川越し」である。

 「山出し曳行」は山から切り出した御柱を氏子達が里まで曳いてくる行事で途中、狭い路地があり両側の家並みに「めでどこ」と呼ばれる御柱に刺した2対の木がぶつからないようにうまくかわしながら練り歩く豪勢な曳行行事である。

 途中、穴山地区で狭く直角に曲がった「大曲り」と呼ばれる難所をクリアしていくのが一苦労である。

 諏訪大社上社の「山出し曳行」の初日は朝から土砂降りの天気、私が開催場所に着いた時はまだ誰も居なかった。役員の方にお伺いしたが「何があっても必ず行います。地震が来ようが台風が来ようが絶対止めません。但し、何時来るかは分かりません。酒飲んで暴れるとちっとも来ませんから」と言われさすがに天下の奇祭、「御柱祭」恐ろしやと思いました。

 そのうち隊列の先頭を受け持つ旗隊が到着、「いよいよですね」とくだんの役員さんに聞くと「まだまだ曳き綱だけで100mありますから、曳き綱の先頭が着いてから大体1時間位したら本体の到着と思って下さい」「1時間ですか!・・・」いや~まさに大変な奇祭です。

 そして待つ事1時間、本当に土砂降りの中、若者達を乗せた御柱がそこだけ熱気で白く煙りながら曳かれて来ました。目の前で見る御柱は人の群れで本体は全く見えませんでした。

 1日目はこの山出しまでで終わり、2日目はいよいよ祭りのハイライト「木落し」です。御柱に付けられた2対の「めでどこ」には通常8人ずつが乗るのですが「木落し」の時はこの「めでどこ」を長いものに付け替えて1つの「めでどこ」に12人が乗っています。

 高所恐怖症の私には全く気違い沙汰(失礼)としか思えない行為ですが、これがこの祭りのハイライトなのです。そのために木落しが行われる会場には特設の桟敷席が設けられ一目この豪快な木落としを見ようとする観衆が詰めかけて立錐の隙間もありません。

 そして木落し坂にせり出した御柱が木遣り歌と喇叭隊の演奏を合図に一気にこの坂を引き落とされます。この豪快な一瞬に命を掛けた若者達が大木にしがみつき、観衆が息を飲む一瞬が過ぎて無事、御柱が坂を落ちると花火が打ちあがり観衆の大きな拍手が沸き起こります。

 最大の難関を越えたと思ったのもつかの間、その後にはアルプスの冷たい雪解け水をたっぷり含んだ川を渡る「川越し」が待ち構えています。隊列の一番前の旗隊が最初に川を渡り引き綱を付け替えた御柱が川岸まで曳いて来られて曳き綱が対岸に渡されるといよいよ御柱が川岸にせりだしで一気に川の中に引き落とされます。

 狭い岸辺から曳き綱を曳いていた若者も御柱に引きずられるように川の中に引き綱もろ共曳きこまれ川の両岸を埋めた観衆からはワ~という大歓声が上がります。

 勿論、川の中には消防署のレスキュー隊が8人程ウエットスーツを着て待機しており万一の事態に備えています。しかし、水温10度程の冷たい水の中で一日中、警戒にあたる裏方の方達の御苦労も大変なものです。天下の奇祭「御柱祭」次回見る事が出来るのは私が還暦を越えた時です。

コメント

由来を調べてみると中々面白いことが書いてありました。
6年に一度だと覚えているのも難しいです^^;
ここも地元の祭りはあるのでしょうけど、いつあるのでしょうね?(笑)

泉原原人さんこんにちは。
地元にも色々面白い祭りがありますが余り知られていません。
主に収穫祭が多いようです。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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