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2006/10/08

自然って何?

 私の家はログハウスです。ここ数年、忙しさにかまけてログ外壁の塗装をサボっていたらある日、表面からキクイムシが出てきました。コリャ大変と思いつつそれでも中々決心がつかずサボっていたら段々増えてきて今年こそは塗装しなくてはならないと肝にめいじています。勿論、塗料は昨年から既に用意はしてあるのですがね・・・

 そこでフト、思った。何もしなければこのログはどうなってしまうのだろうかな?と・・私は仕事柄、木について色々な方と話す機会があります。「新月の木」に関する活動も続けています。そこで自然の木ってどういう意味かなと思った。木材業界ではキクイムシは嫌われ者である。木の辺材部の栄養分の高い部分に入り込み卵を産み付ける。それが成長して穴を開けながら出て来る。その結果どうなるかというと業界でシラタと呼ぶ辺材部に小さな穴が開きその部分を製材すると板に穴があいて商品にならないからだ。でもその小さな穴があいているからといって使えないわけではないし強度が落ちるわけでもない。

 そこで思うわけです。自然って何?虫なんか一匹も付いてない木が良い木で虫が入っている木はダメな木なのかな?と・・・野菜でも自然農法で農薬を使わないものには虫が付いています。先日も知り合いの自然農法を実践されている方から「うちは農薬使わないから小さいし、見栄えは悪いけど持ってくか?」といわれてムラサキ芋を頂いた。これがものすごく美味しかった。確かに小さいし見栄えは決してよくないけど味はピカ一でした。

 森の中に立っている木々をみているとこれらの木には果たして本当に一匹の虫も付かないのだろうかと思ってしまいます。残念ながら私にはその知識がないので実際のところは分りませんが確かに立ち枯れてしまった木には多くの虫や鳥が寄ってきていかにも弱って見えます。しかしそうでない木は元気に立っています。

 昔、戦後間もない頃に極端な住宅不足から日本中の山の木が皆伐されて使われその後、植林された木は残念ながらその頃流通し始めた「新建材」と称する腐らない、曲がらない、汚れない新製品にその主流の座を奪われ行き場を失ってしまいました。しかし、その製品はとても自然の木とはかけ離れた存在でした。現在はエコロジーブームです。世の中は自然に対する感心が高まっています。「新月の木」も昔から口伝で伝えられてきた伐採方法を踏襲し山で葉をつけたまま天然乾燥し出来るだけ人工的なものを使用しないで自然の力を利用して「木」本来の姿で流通を図ろうという活動です。

 私は昔もてはやされた「無節」で「柾目」の木が価値ある木だとは思いますがそれは何故、価値があるかというと簡単には取れない木だからです。自然に育った木のなかではそういう条件でとれるチャンスが少ないからです。逆に虫が入った木はダメだとも思えません。その木を生かす方法はあると思います。もう一度、自然って本当はどういう事かとじっくり考る時ではないですかね。なんてフト思ってしまいました。

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コメント

うちの大黒柱は原木買いして製材するまでの間、市場で転がしてあったので、上の方は虫が歩いた跡があります、歩いたというか皮剥いだら虫がいたと言うか?
でも、それはそれでよいデザインになっていると思います(笑)

さて、今別件で北杜市サイト見たらこんなのはじめたらしい。。。
キコリさんたちが発起人だったりして。。。
http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/hokuto/news/viewNews.jsp?id=1160096444735&dir=200610

ドラミさんこんにちは。今度自然が刻んだ模様付き(笑)大黒柱見に行きますね。残念ながら発起人ではありません。

見たい?
11月に呼ぶね。。。今ちょっと忙しいから。。。

見たい・・・

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