« 御柱祭 | メイン | 2022年を振り返って »

2022/11/26

会話する森の樹木達

先日読んだ「樹木たちの知られざる生活」ペーター・ヴオールレーベン著 長谷川 圭訳の本はドイツ発で世界で100万部を突破した森林管理官であるペーター氏が普段、知られる事の無い樹木達の生態を記したノンフィクションの傑作です。

 本自体も素晴らしいものですが更に偶然、先日、TVのドキュメンタリー番組で同じ森の樹木達の神秘的な活動を森林の研究者達が科学的に解明していく番組を見る機会があり、この本の内容と似たような科学的な分析結果が報告されていてビックリしました。

 今までも様々な研究から樹木達が何らかの方法でお互いにコミュニケーションを取っているのではないかという事は知られていましたがそれが徐々に明らかになってきました。

 元々、樹木達は根をとおして何らかの伝達をしているのは知られていました。ある樹木に刺激を与えるとその根に微弱な電流が現れ、それが隣接する木々の根と繋がって次第にその微弱な電流が広がっていくのです。

 そして森の中で何らかの原因で木が倒れると隣接する木が根を通して倒れた木に栄養を送り新たな生命の誕生を手助けするのです。

 TVで報道されていたものは更にそのコミュニケーション方法が複雑である事が報告されていました。

 森の中で1本の木が虫に襲われ大切な葉が食害の危機に晒されるとその木はそれ以上の食害を防ごうと虫の嫌う毒性を葉に送り自分を守ろうとし更に、葉から分泌物質を空中に飛散させて廻りの仲間の樹木に「虫に襲われている!至急、防衛策を取る様に」との信号を送るそうです。そうすると廻りの樹木達は一斉にその毒性物質を体内に生成して虫達の攻撃に備える事が出来るそうです。

 又、1本の健康な木の両側に2本の木を並べて植えて1本の木はその健康な木との間の土に遮断壁をいれて完全に健康な木との関係を遮断し反対側の木は何もせず健康な木の横に植えます。そしてその健康な木の両脇に植えた2本の木に遮光性の袋を完全に被せてしまいます。

 普通なら光合成が行えないのでこの両脇の木は直ぐに枯れてしまう筈です。ところが暫くしてその両脇の木から遮光性の袋を外して見ると健康な木との間に遮断壁をいれて関係を断たれた木は枯れてしまい、もう一方の木は袋をとっても普通に葉を付けて健康なままでした。

 遮光性の袋を被せられていて光合成が出来ない筈のこの木は隣の健康な木から根を通して栄養分を供給して貰い命を繋いでいたのです。

 動く事も出来ない、話す事も出来ない、ただ立っている事しか出来ないと思われていた森の樹木達は人間が知らないだけで本当は人間にも負けない伝達方法でコミュニケーションをとり助け合い、人間達より遥かに長い年月を地球上で暮らしていたのです。

 今の地球温暖化を引き起こし、たちまちのうちに地球を危機に陥れている人間達の行動を森の樹木達はどう思っているのでしょうか?何だか身につまされます。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/602693/34255348

会話する森の樹木達を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

アシストのHPへ
八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

プロフィール

フォトアルバム

kikori

フォトアルバム