よろず相談話
森の近くで工務店と設計事務所の仕事をしていると色々な相談事が寄せられます。建築は、よく言われる人々が暮らしていく中の三大要素「衣・食・住」の最後を飾る言葉ですが時代の変化によって「住」の世界も変わってきます。
最近、良く寄せられる相談はバブル期に頑張って働いてお金を一生懸命貯めて森の中に憩いの為の別荘を建てたのは良いけど自分達が段々、年齢を重ね通ってくるのも億劫になってきて、いっそ子供達に託そうかと思ったら「要らない」と言われてホトホト困った、どうしたら良いかな~という相談です。
ここ数年、本当に増えてきました。それぞれ事情は違えども皆さん似たような話がほとんどです。今の若い方達は車も持たないし家も欲しくないらしい。勿論、皆さんではないですが・・・なのでこの問題の解決策も「これです!」というものはなく、それぞれの事情に寄り添って解決策を探るしかないのですが、特にログハウスという建物は大切に扱えばそれこそ100年以上持つ貴重な建物です。建築に携わった自分達からすると出来れば長く大切に残して頂ければと切に思ってしまう訳です。
そうは言っても・・・という所にこの問題の解決策を探る手掛かりがあるように思います。特にこの相談は私達が建てた建物だけじゃなくて他の工務店が建てた建物のオーナーの方でも思いは一緒です。
この場合の解決策の例を挙げれば
①自分達の子供達に引き継げないのでやむおえず別の引き継いでくれる方を探し譲るケース
②いっその事、自分達の都会の住まいを引き払い森の中に生活拠点を移し永住してしまう
③自分達の子供達に出来るだけ負担を掛けずに引き継いで貰えるように自分達がまだ元気なうちに出来るだけリフォームをして引き継ぎ易くして後は子供達に委ねる。
なんてケースが具体的に解決方法として行われています。
住宅はそこに住む人達の環境の変化に伴って変わっていかなくてはなりません。又、変われるようにしておく必要があります。
又、近年の地球温暖化の影響もあり森の環境も大きく変わってきています。それに応じて仕様も変えなくてはなりせん。どれも人間達の暮らしぶりの変化がもたらしたものですが建物はそれを包み込まなくてはならないので結構大変なのです。
ログハウス自体はその特徴から森に立っていた木を倒して自分達の家に作り替えるとてもシンプルな建物でその性質そのものが変わる事はありません。しかし、その大切な森の木、そのものが環境変化によって性質が変わってくる恐れはあるように思います。
八ヶ岳周辺でもメガソーラーの台頭により森の木が大量に伐採され禿山になってきているところがあります。自然エネルギーそのものは私は賛成ですがその為に折角大気中のCo2を吸い込んで酸素を作り出してくれ更、にその体内にCo2を長く固定してくれる貴重な生命を奪ってしまっては元も子もありません。
どんなに人間の事情が変わっても地球上の環境の変化を悪化させては結局、自分達の首を絞める事になりかねません。
等という事を廻らない頭のなかでボーと考えながら生きていたらチコチャンに「ボ~として生きてんじゃないよ!」と叱られそうです(笑)
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