電車通勤
実は思うところがあって引っ越しをし、八ヶ岳に電車通勤をする事になりました。電車通勤は東京でサラリーマン生活をしていた頃以来なので30年ぶりになります。
あの頃は「超痛勤電車」の典型で最寄りの駅から電車に乗った途端に超満員電車に押し込められて約2時間半程かけて都心の丸の内にある事務所に通っていました。
そのトレスもあって、それが八ヶ岳に移住する一つの原因にもなりました。なので八ヶ岳でマイカー通勤する事になって、それはそれは美しい八ヶ岳の景色を見ながらの快適な時間となっていました。
今回、その習慣を変えて電車通勤する事になったのですが、都会の満員電車と違ってローカル線の電車の利用客の大半は地元の学校に通う多くの学生や同じく地元企業に勤める会社員の人達なので余程の事がないかぎりそんなに混まずに座れるし、電車の車窓から見る八ヶ岳や南アルプスの姿は本当に美しく車に乗っていた時と変わらない快適な時間となっています。
又、何より私にとって嬉しいのは運転しなくて良いので多くの本を読む事が出来るのが有難いのです。元々、東京で通勤する時にも満員電車は嫌でしたが行き帰りの電車の中での読書は大好きだったのです。
八ヶ岳に移住して車通勤をするようになって一番犠牲になったのはこの読書の時間でした。
お陰で一気に読書のスピードが上がり常に5,6冊の予備の本を用意しておかなくてはならなくなり30年前と同じ読書環境になりました。
今は昔、読んだはずなのにもうすっかり忘れてしまった名著を読み返したりしています。ちなみに今日はヘミングウエイの「老人と海」を行き帰りの電車で読んでしまいました。
読書は自分の世界を広げてくれる大切な時間です。私は本屋に行くと時々本棚に並んでいる本を右から左まで全部読破してみたい誘惑にかられます。
実際はそんな事が出来ない事は分かっているのですが、本屋というものは不思議なもので自分の心の状態によって手に取った本が全て面白いと感じられる日があると思えば何故か日によって手に取った本があまりパッとしないと感じられる事もあります。
並んでいる本がそんなに短時間で大きく入れ替わる訳ではないので多分、手に取る方の心の持ち方や感情の起伏によるものだと思うのですが棚の右から左まで全部読みたいと思うのは手にした本が全て面白いと感じられる時なのです。
この感情は私だけかも知れませんが私にとってはそれも本が持つ不思議な魅力の一つだと感じています。ネット全盛となり中々印刷された本が読まれなくなっているようですがやはり本棚で本を実際に手に取ってパラパラとめくる時のワクワク感は本大好き人間にはたまらない時間です。
出来れば多くの若い人達にも読書を好きになって欲しいものです。スマホの画面では得られない何とも言えない不思議な自分の頭の中で繰り広げられる世界を楽しんで欲しいと思います。
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