ITオリンピック
4年に一度の世界のアスリート達の祭典オリンピックがイギリスで開幕しました。私は元々スポーツを見るのが大好きなのでオリンピックはたまらない楽しみです。
学生の頃は陸上部だったので男子100m走のウサイン・ボルトの走りは驚愕の思いです。私達の現役の頃は100m走の人類の限界は人間の体が受ける風圧と脚力の関係から9秒6と聞いていたので彼の走りは人類の限界を越える走りとしか思えません。正に人類最速の男ですね。
しかし、今回のオリンピックの運営を見ていて気になるのは競技の判定にIT化が進みジャッジが正確になるのは凄く良いことだと思うけどその為に競技が中断されたりするのは何となく拍子抜けしてしまいます。
陸上競技の100m走も私達の頃は当然、IT機械なんてないのでストップウオッチで計測するのですが、これが人によって押すタイミングが違うので微妙にずれるのです。
当時はゴールラインに測定員がいてスターターのピストルが発射された時に出る「煙」を見てストップウオッチのボタンを押して計測していました。スタートラインからゴールまで当たり前ですが100mあるのでピストルの音を聞いてからストップウオッチを押していたのでは遅くなるのです。だからせいぜい10分の1秒位までしか出せませんでしたが今は100分の1秒まで測定できるのですから凄い進歩ですね。
フライングも当時は2回までOKでしたが今は1回で失格なので厳しくなりました。スターテイングブロックという選手がスタートする時に足を乗せる機械にセンサーが付いていてそれでピストルがなってからどの位で反応したか分るし勿論フライングしたかも分る仕組みになっています。
今大会で私が知っている限りではその他の競技でIT判定を採用しているのは水泳、フェンシング、柔道、テニス、自転車、体操等、多くの競技でIT機器が使われています。
しかし、今大会の柔道で使われている映像判定にはちょっと違和感があります。それは柔道という競技の中で主審1人と副審2人という一番近くで見ている3人の審判の存在価値が失われる可能性があるからです。
勿論、正確を期すのは当然だと思いますが際限なく機械に判定を委ねるのは逆に競技の進行を妨げるだけになるのではないでしょうか?テニスの様にプレー中に1回だけ映像判定を求める事が出来るとかにしないとその内に審判は要らなくてそれこそロボットが判定する(笑)時代が本当にくるかも知れません。
私がスポーツ観戦が好きなのはそこに嘘がないからなんです。口はぼったい言い方をするならそこに筋書きの無いドラマがあるからたまらんのです。競技するのが生身の人間だからそこに色々なハプニングや番狂わせがあるから楽しいのです。
それは誤解を覚悟でいえば裁く側の人間にも言える事です。人間だからミスジャッジもする可能性がある。だからそこにドラマが生まれる。そのミスジャッジでその人の人生が変わるなんて話も本で読んだ事があります。
たった1球のストライクかボールかの判定がそのボールを投げたピッチャーの人生を変える事さえあるかも知れません。だけどそれが人間なのです。
過去に柔道のミスジャッジだとかサッカーの神の手と言われるミスジャッジだとか既に伝説になるような話もあります。日本でも長嶋選手の天覧試合でのサヨナラホームランがファールだったなんてのもそうですよね。
きっとその場面にIT機器が採用されていたら、その場面に関わった人達は違った人生を送ったかも知れません。私はひねくれているのでその辺の曖昧な人間味のある出来ごとが実は大好きなのです。
確かにIT機器がその場にあって正確な判定ができていたなら違った展開にはなったと思いますが、なかったからこそ真相が最後まで分らないという、いかにも人間臭いドラマが生まれるのです。エッ?いい加減にしろ?ハイ、今日はここまでにします。あ~でもだからオリンピック大好き!
オリンピックは壮大なドラマを見ているような気がします。勝った側はもちろんですが、敗者の顔が好き、なんておかしいですか。どちらも「あまりに美しい」から。
また、これと関係ない話で恐縮ですが、地元の小学校が廃校になりますね、ある大学で「月山青春音楽祭」というのを山形の廃校になった小学校でやるみたいです。このキーワードでブログにありました。だから何?って、関係ないですけど・・・すいません。
投稿: 寺岡 | 2012/08/11 07:18
寺岡さん、いつも有り難うございます。敗者の顔、さすが良い処に目を付けられてますね(笑)4年間の精進をかけて戦いに挑んで敗れたからこそ涙がでるんですよね。卓球の愛ちゃんが大会で優勝した時にガッツポーズを要求されて断ったコメントが「負けた悔しさを一番知っているから出来ない」と言ったそうです。だから私はスポーツが大好きなのです(笑)。月山、美しい山ですよね。ヒント有り難うございます。
投稿: kikori | 2012/08/11 13:32