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2011/02/06

藤沢周平作品に「葉枯らし・冬季伐採」が描かれていました

 田舎の母親の様子を見に今年に入ってからは初めて高知に帰ってきました。昨年の大河ドラマ「竜馬伝」が終了して高知の町中は少し静かになっていました。

 昨年、帰郷した時には竜馬記念館のそばを通りかかったらもの凄い人と車でとても近づける状態ではなかったのですが今回は見事に静かで(笑)いつもの落ち着いた風情に戻っていました。

 全国的に冬の寒さが緩み高知も暖かかったのですがそれでも夜は結構冷え込みコートが離せない状況でした。

 最近はいつも帰郷の際は飛行機を利用しているのですが空港までの行き帰りは高速バスを利用し高知県内はレンタカーを利用して移動しています。

 レンタカーを運転している時はダメですが僕は基本的に移動しているときは本をよむ機会が多く、いつも何冊か本を持ち込んで移動しています。

 今回は藤沢周平の「闇の穴」という新潮文庫を持ち込んで読んでいました。藤沢作品は「蝉時雨」を始め男女の心の機微を描いた作品が好きで良く読んでいます。

 今回は昨年末に丁度、秋田県の庄内地方を訪問した事もあって手に取ったのですが文庫本の「闇の穴」は短編の作品をまとめたもので丁度、高知から羽田への帰りの機内で最後の短編「夜が軋む」を読んでいる時でした。

 小説の主人公である木地師の女房が亭主の仙十郎の仕事の段取りを説明するくだりが描かれている文章に目が釘付けになりました。引用すると「大体新しい葉が出始める4月の末から5月にかけて山入りをし、柾見をしておいて、秋に伐るというのが、木地師の仕事の運びだったんですよ。伐り倒した樹は、枝をはらわないで、そのまま山に寝かせておいて、一冬越させる。そして次の年の春になってから、6尺から8尺ぐらいの玉伐りにして山をおろすと、かるく皮を剥いで、さかさに立てておく。これが木干しの方法で・・・・」という一文。

 えっ!これって我々がやっている「葉枯らし」と同じじゃないかと驚きました。元々は戦前、当たり前のように山で行われていた伐採方法ですが口伝が廃れて今では殆ど行われる事はなかったのですが新月伐採と併せてこれは絶対に良い木になるはずと思って捜してやっと行き着いた方法なので藤沢周平がどうしてこのくだりを描いたのかは分かりませんが彼は山形県で1927年に生まれているのでこの「葉枯らし、冬季伐採」についての知識があったとしてもおかしくは有りません。

 何だか自分が大好きな作家が自分の仕事に関係した事を描いていたなんて本当に嬉しくて、何度も同じところを読み直してしまいました。

 例え小さな旅であろうと旅の中では色々な人との出会いや心の触れ合いやたまにはハプニングや事件も起こります。それが旅の良さでもあります。今回の帰郷ではこの藤沢周平作品の「夜が軋む」の一文に出会えた事が大きな収穫になりました。

コメント

葉枯しは知りませんでしたが、
広葉樹では冬季伐採は当たり前。

針葉樹は夏(8月中旬以降らしい)にも
伐っていると初めて聞いてびっくりしたのは、
つい数年前の話でした。

伐採は用材、木材としての利用のみが目的ではないですからね。
紙の原料も木ですしね。
よく考えれば夏に伐っても用途が違えば当たり前の話。

tairakuさん
そうですね。我々はとかく木材としての利用しか頭にありませんが
違う用途もあってしかりですね。

社長さま
今月号の夢丸、見ましたよ。ご自宅も素敵ですが奥様も素敵! 僕もサンルーム増築したいです。その前に家がありません。なんとかせねば・・。

takeさん
ご無沙汰です。取り急ぎ自宅を建設しなくてはなりませぬな。
良い建設会社をご紹介しますよ(笑)

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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