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2009/04/05

3本足の障害犬

 その犬は私の廻りに2匹いる。1匹は近くのガソリンスタンドに住んでいる。今から6,7年程前、誤って配達中のガスボンベがその犬の前足の上に落ち大怪我を負ってしまい直ぐに動物病院に連れて行って手術をしたのですがその後、経過が思わしくなく結局片方の前足を切断する事になった。

 

 名前を「シンノスケ」という。シンノスケはその後も毎日、ガソリンスタンドに出て暫くは近所の人が毎朝、散歩に連れて行っていた。シンノスケは片方の前足がないのでピョンピョン撥ねながら散歩する。だから少し歩いては休憩し又、暫く頑張っては休憩しながらそれでも結構長い距離を頑張って散歩していた。

 

 見ていてもピョンピョン撥ねながら歩くので大変そうで本人?も嫌なのではないかと思って見ていたけどそれでも近所の人が毎朝、迎えにいくと嬉しそうに散歩に行っていた。

 

 いつしかその近所の人も見かけなくなり最近は店の店員さんが散歩に連れて行っている。いつも店にガソリンを入れにいくと事務所前に特にリードで繋がれるでもなくベターと横たわって大人しく店番をしている。

 

 最近、シンノスケに新しい若い仲間が出来て2匹で店番をするようになり心なしかシンノスケは元気がないように見える。若い仲間はまだ子供の犬で元気一杯なので事務所の中に閉じ込められている。そんな元気な犬と比較してしまうからかもしれないが何と無く元気がなさそうに見えてしまうのです。シンノスケいつまでも元気で頑張れよ。

 

 もう1匹は自宅の近所でいつも飼主のご夫婦と一緒に散歩している犬で毎朝会う。もう5年程になると思う。この犬は名前も知らないが初めて会った時はすでに前足が片方なくてビッコをひいていた。

 

 シンノスケと同じように頑張って毎朝散歩していたがやはり体力的に辛いのだろうと思うが時々うずくまって動かなくなる。そんな時、飼主のご夫婦は決して立たせようとはしない。じっと本人が納得して立ち上がるのを待っている。

 

 そんなある日、いつものようにその犬にばったり道で会ったら前足に手作りの台車が添えられていた。きっと飼主のご夫婦がその犬の為に造ってあげたんだと思う。嬉しそうにその台車に前足をのせて器用に歩いていた。それでも長くは無理のようで休み休みなのだがしっかり自分の力で歩いていた。

 

 暫くはそんな日々が続いたが気が付くと暫く見なくなってしまった。もしかして、やはりダメだったのかな~と時々思い出しながら車でいつもの道を通勤していたらある日、突然見慣れたご夫婦が現れた。しかも手作りの木製の乳母車を押している。まるでテレビの子連れ狼に出て来るような手作り乳母車である。しかも、良く見ると乳母車には歩けなくなった例の犬が乗っているではないですか!いやはや、もうまるでその光景には執念のようなものさえ感じました。

 

 ここまでしてこの犬の為に散歩を続けているかと思うとこのご夫婦のこの障害犬にたいする愛情は尋常なものではないと思い知らされました。しかもその障害犬は全く歩けないのではなく時々、立ち止まってはその乳母車から下りてピョコピョコ歩き、又疲れたらその乳母車に載せられていつもの散歩コースを進んでいるのである。

 

 いやはや、振り返ると自分がもしこういう風になったら自分の家族はここまでやってくれるだろうか?なんだかこの犬が本当に羨ましくなってしまった(笑)体に障害があってもその分、懸命にそのハンデを支えてくれる家族や友人がいてくれるという事はこんなに素晴らしい事なんですね。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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