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2008/12/02

宇宙の真理

 先日、新月の木の集まりがあって東京に行って来ました。年に一度の研究発表会で特別講演として「高エネルギー加速器研究機構」教授の山本 明先生の「素粒子物理学」の話を聞きました。

 話の内容は難しすぎて私のようなアナログ人間の頭ではとても理解出来るものではありませんが、どうもそれなりにこの頭で理解するところによると宇宙の起源となるビッグバンから収束となるブラックホールに到るまでの事を解明するには人間のまだ知らないミクロの世界の素粒子を研究していかねばならないらしい。

 人間の存在や地球の成り立ちとは全てその素粒子のなせる過程にしか過ぎない。つまり我々が見ている世界というのはほんの宇宙の本当にミクロな世界でしかないと言うことである。マア、そりゃそうだろうなというのは何となくこの頭でも分かる。つまり我々が認知できる可視光線の波長でしか我々は感じる事が出来ないわけですからね。

 しかし、ここで私が思ったのはその難しい理論の内容ではなく今年、ノーベル賞を受賞された小林先生、益川先生始め、こういう常人にはとうてい思いも付かないような事に疑問を持ち辛抱強く研究を重ねていく人達がいるからこそ人間の知識は深まってきたのだなという事なのです。

 普通の人ならなにも疑問に思わないような事に疑問をもち、そこから人間の進歩は始まるのですね。「目に見えないものがもしかしたら世の中にはあるのじゃないか?そうでなくては理屈が合わないではないか」何て事をず~と考え、自分の疑問に答えを出す為に研究を重ね続ける研究者がいるから新たな発見が生まれるのですね。

 その昔、プレートテクトニクスなる理論が叫ばれた時に時代は天動説一色で統一され地動説は異端とされた訳ですが今では皆、当たり前の事として理解しています。誰かがその当たり前とされている事に疑問を感じ、自分のその疑問を解き明かす為に真実を探し求めたのですね。

 現代はあまりにも情報が氾濫しすぎてどれが真実だか分かり難くなっています。だからこそ情報を整理しその裏に隠された真理を追い求める必要があるのですね。日本の教育は折角ゆとり教育を目指していたのに学力が低下したからといって又、詰め込み教育に戻りそうですが本当はテストによって学力を決めるのではなく子供達が自ら疑問に思ったり感じたりした事を伸ばしてやる事が大事なのかもしれませんね。

 数学も答えが正しいかではなくどうしてそういう答えになるのかという過程を説明してやるほうが授業としては楽しいかも知れません。私も昔から歴史の授業が苦手でどうしても年代の記憶が出来なかったのですが今頃になってその時代の人間模様なんかの背景を書物で知るようになってから興味が湧いてきました。

 「1たす1は何故2になるのか?」なんて説明しろと言われたらほとんどの人は説明出来ないんじゃないかな?疑問に思わないものね。でもそこに疑問を持つ人がいるから科学は面白くなるのでしょうね。

 山本先生の講義を聞いた後、新宿から高速バスにのって山梨に帰ってくる途中に車中で読んだ本の中で円周率は3.1より大きい事を証明しろという問題をどうやって解くかを解説してありました。それを読んでいて世の中にはつくづく頭のよい人がいるんだな~と感心してしまいました。

 そういえば私は子供の頃、中学受験をしたのですが小学6年生の時は自分は天才だと思っていました。受験に必要な問題は特に苦労も無く解けていたし、それなりに自分でも勉強し努力もしていました。そして某進学校に入学した途端、世の中には自分の知らないとてつもなく頭のよい人が沢山いるんだと口をポッカリ開けて思い知らされる事になり、奈落の底に突き落とされた気分でした。

 しかし、その時、自分は大したこと無いんだと思いしらされた事が後の人生に大きな影響を与える事になりました。今ではすっかり開き直って生きてます(笑)

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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