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2008/03/15

なんで0円?

 最近よく耳にする「0円」もしくは「○○料サービス」というキャッチフレーズにどうも抵抗を感じるのです。例えば一時期、流行した「携帯電話0円」の謳い文句、何のことはない私も会社の携帯をそのサービスを利用して買ったのですが実はその時にちょっとしたショックを受けたのです。同じ系列のある店では確かに0円なのに別の店に行くと同じ電話がウン万円するのです。もう頭の中は???です。

 まあ、しかし落ち着いて考えてみればどんなにキャッチフレーズで「0円」と言ってみたってこんなに高性能な携帯電話が0円で出来るわけがなくそれには当然、販売店のカラクリがある訳で、そんな事はよく考えれば当たり前なのですがそれが当たり前に思わなくなるのが現代の魔法というか価値観を狂わせる危険性を孕んでいるように思うのです。

 もし私がこの高機能な携帯電話の生産や開発に関わっている人間ならそれを「0円」で売ると言われたら多分「冗談じゃない!」と絶対思いますね。苦労して開発して生産したものが何故0円なんだと言いたいですね。そりゃメーカーと販売店との契約できっとその辺は旨く話が出来てるんだとは思いますがそれでも納得いかないのが人間というもんです。私は嫌ですね。

 建築でも相談料無料とか坪単価○○円とか色々な誘い文句でお客を掴もうとしていますが、人に錯覚を与えて契約を結ぶやり方は物造りをする人間には許されない方法だと思います。我々造り手側も色々と工夫して出来るだけ安く良い材料を工夫して使ってコストを抑えようと、それは当たり前の事としてやっています。だけど費用が掛かるものをいかにも掛かっていないように錯覚を与えて売るのは良いことではないですよね。

 お金がかかるものは「掛かる」として理解した上で話し合いをしないと何が本当なのか分らなくなると思うんです。そうしないと結局一番、負担を強いられるのは現場で働いている実際にお客様に関わる仕事をする人達になるのは分りきっている事です。

 他にも「配送料無料」とか「格安航空券」とかすごく得したような気になりますが良く考えてみたら配送料無料なんてありえない訳ですよね。誰かが動いて配達してくれている訳ですから費用は絶対掛かっている訳で誰かがそれを負担している訳です。格安航空券だってジェット機が飛んでいる以上タダみたいな運賃なんて有り得ない訳でどこかで誰かが負担している訳です。

 それが廻りまわって結局自分に降りかかってくるように絶対なっているのです。それが中々一般の人達には見えてこないのです。

 私は物の価値観を正しく判断して安くする工夫はもっと別の次元で考えないと大きな過ちを犯す事になるような気がします。効率よく生産してコストダウンを計る工夫こそ大事ですが苦労して作った物の価値を否定されるような世の中は決して正しい世の中ではないと思うな。ウン。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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