春の訪れ
「春の訪れ」なんて書くと普通なら桜の開花状況とかになるのだと思いますが我が家ではそろそろ燕が渡ってきて春の訪れを告げてくれています。
燕は夏鳥と言われますが春先に日本にやってきて結構、長く秋頃まで此方で過ごして又、去っていきます。燕と言っても日本にくるものには何種類かいて、我が家に飛んでくるのはそのうちの「イワツバメ」と呼ばれる種類です。
文字通り岩場に巣を造るので「イワツバメ」と呼ばれるのですが最近では人家の高い所にも巣を造ります。近所の方も最近では「ベランダが汚れるので巣を造れない様に囲っているのよ」何て言われる方もいて、どこでも段々、野生の生き物と人間の接点が離れて行っている様に思います。
我が家でも洗濯物を汚されるのは困るので造っても良い場所を決めて「そこだけは造っても良いよ」という風にしており毎年そこに巣を造ります。と言っても昨年、造った巣を壊すわけではないので毎年、渡って来た燕達がそれを補修して又、同じ巣に新たに卵を産んで育てています。
この巣作りが面白くて、スズメ達も一斉に来るわけではなく先発隊や本隊と徐々に増えてくるので、この巣の場所を決めるのに正に争奪戦になります。
先ず、多くの燕達が前年、巣作りに良さそうな場所を巡って内覧会?を始めます。何回も何回も廻って来てどこの巣にするか決めるんでかね~?そのうちに、その中の一つのつがいの燕がここと決めた巣に陣取ります。
そうするとサア後から来た燕を追い返すのが大変な騒ぎになります。「ここは、私んちなんだから来ないでよ!あんたあっちに行けばいいでしょ!」何て事を言っているのかどうか知りませんが、彼らも自分達の種族を守るのに必死なんだと思います。
夏ごろに子供達が一人前になって巣立ちが終わると「やれやれ今年も無事にお勤めが終わった」とこっちも気を許して燕達が汚した後を掃除していると、いつの間にか次のつがいがちゃっかりと巣に入っている事があります。
「ありゃ!これから子育て!うそでしょ!」何て事もあります。彼らも必死なんだと思います。
しかしマア、昨今、燕の数もメッキリ減ってきて人間との接点も少なくなってきている事だし、ここはお互い助け合いという事で・・・最後の子供達が巣立つのをジッと待つことになります。
それにしても毎年、子供達の中でも巣立ちの遅い子が必ずいるので最後の一羽が飛び立つときは何度見ても感慨深いものがあります。
時たま、旨く飛べなくて巣の下にポトンと落ちたりするとサア大変!「あんた、早く飛ばないとお母さん達に置いて行かれるよ!頑張れ!」と応援したくなります。今年も既に第一陣が飛来してそろそろ最初の借主が決まりそうです。今年も春が始まります。
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