グレートジャーニー
先日、グレートジャーニーで知られる医師、関野吉晴氏の講演を聞くチャンスがありました。関野氏はTVで見たとおりの穏やかな口調で静かにご自身の体験を話され、とても興味深く共感できるお話しを聞く事が出来ました。
関野氏はグレートジャー二ーで人類の発祥の地であるアフリカから人類が移動した足跡をたどりアメリカ大陸までの道程を実際に自分で歩かれました。その途中で関野氏が感じられた事は現代の都会に棲む我々が忘れてしまった大切な価値観を思い出させてくれます。
私達は森の中にいると、とても精神的に癒された感じがします。それはもともと私達が長い間、森に棲んで狩猟をしていた時間が長くそれは現代の私達のDNAの中にも記憶として残っており現在、私達の住む都会という環境が自分たちの住む環境として馴染みにくく知らず知らずのうちにストレスをもたらしているからと考えられます。
関野氏はグレートジャーニーで人類のたどった道を追っていく中でアフリカの原住民たちと一緒に暮らし色々な話をされました。ある日、関野氏が原住民に「将来、何になりたいか?」と聞いたら彼等にはその意味が分からなかったそうです。
彼等、狩猟民達にとって時間という概念は「今」しかなく「将来」という観念がないそうです。「今日をいかに生きるか」その為に「食料をいかに捕ってくるか」が彼らにとって最も大切な事であり「将来の為に今日、何をするかという価値観がなかった」そうです。
又、「この中で一番足が速いのは誰?」と聞いてもやはり彼らには意味が分からなかったそうです。彼らには比較して順番を付けるという価値観もなかったそうです。但し「誰が狩猟が上手い」かとか「誰が料理をつくるのが上手い」とかの観念はあるのですが順番をつけるという観念がないそうです。
なので彼らには将来に対する不安とか希望とかいう観念もなく例えば足を怪我して歩けなくなってもそれを悔やむとかいうのではなく、歩けないからどうやって食べていくかという風に考えるそうです。
複雑化した現代の社会では中々こういう風にシンプルに物事を考える事は難しいかも知れませんが実は生きていくうえで最も大切な考え方を彼らが教えてくれている様な気がします。
又、関野氏は医師としてこの旅の中で人類の進化についても色々な発見があり、例えば人類がどうして今の様な進化を遂げる事が出来たのかという事についても興味深い話をしてくれました。
例えば人間の手は他の動物と比較して親指が他の指と離れている事でモノを掴むという能力に優れ「道具を持つ」「モノを持ち上げる」という能力を持つ事が出来たそうです。又、目についても他の動物と比較して顔の正面に配置され体の正面にある物との距離感を掴む能力に優れ獲物を捕らえる能力を持つ事が出来たそうです。
又、色彩を認識する能力を持つ事で危険を回避したりやはり美味しい獲物を識別する能力を持ったそうです。面白いですね~!人間って本当に面白い!
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