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2018/04/14

里山の窮状

先日、ある温泉が有名な里山で仲間達と泊りがけで話し合いがありました。

その里山は多くの里山がそうである様に人口の減少が止まらずこの先の未来が心配される状況でした。その里山に住む若者達がその自然に惚れ込み地元の方達と一緒に何とかその里山を活性化しようと懸命に頑張っていました。

しかしその一方で若者達の試みを心良く思わない人達もいて張ろうとしている志を止めてしまうという現状も各地であるように思います。

それでも例えば四国の徳島県と高知県の境にある「大歩危小歩危渓谷」では多くのカヤックを楽しむ若者が集まりTVでも放映されましたがとうとう世界大会の誘致にまで成功した例もあります。

もともとこの渓谷は国道や鉄道がその川岸を走る本当に奥深い渓谷で昔はよく国道から車が落ちたり土砂崩れがあったりと本当に厳しい環境の中、その渓谷にへばりつくように集落が集まっている地域でした。

私も高知に帰る時にはよくこの渓谷沿いを通るので小さい時からよくこの渓谷を見てきました。その渓谷が少し変わり始めたと思ったのはここ数年の事でした。

正直言ってさびれた所なので駅に電車が止まっても人の乗り降りなんて殆どないのですがある時から何故か外国人の方や若者の姿がチラホラと見え始めました。

「へ~何だろう?最近は秘境ブームなのかな?」何て思っていたら徐々にその数が増え始め電車の中にもこんなローカル線なのに外人や若者の姿が増えて来て皆さん大きなリュックを背負って楽しそうに話しながら降りていくのです。

「一体彼らはどこに行くんだろう?」と思っていたら先日たまたま見ていたTVからその懐かしい渓谷の姿が映し出され地元のおばちゃん達が「絶対この渓谷を世界中の方達があつまるカヤックのメッカにしてみせます」と宣言し、本当に世界大会の誘致に成功しました。

地域活性化の成功のポイントの一つは地域の特性を活かし地元の方達と一緒に一つの共通の価値観を築き上げるという事です。どうしても行政や政治が入ってきてしまうと有名企業の誘致に成功しただのどこかの大学を誘致してくるだのというトップダウン的な活性化が優先されますがそのやり方だと長期的に見て成功はありません。

やはりその地域が持つ特徴をいかした地域発信型の活性化でなくては本当の意味での活性化にはなりません。そうでないと逆に地域が利用されるだけ利用されていつかその企業なり大学が引き上げれば負の遺産だけが残されます。

何も無いように思われる里山に実は本当に人間らしい暮らしが出来る環境が整っているケースが多いのです。

先日、お邪魔したその温泉のでる里山での夕食は全て地元産の食材で造られ宿のおばちゃんが全て手作りで造ってくれたもので本当に身体にやさしい料理でした。次の朝、近くを散歩したら本当に素晴らしい景観が広がっていて心からリラックス出来ました。頑張れ!里山の若者達!

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