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2010/12/19

森の中の我が家

 年末が近づいたので恒例の屋根に一年間積もり積もった枯葉の掃除をすることにしました。2階のドアから1階の屋根に出てそこから雨樋のついた屋根に乗り移り箒で屋根に積もった唐松の葉を落としその後で雨樋に詰まった枯葉とカチカチに固まって凍りついた唐松の実を雨樋に手を突っ込んではぎ取ります。

 しかし、これが中々取れないんだな~。何せ一年間積もり積もってガッチリ固まってるし、そのうえにこのところの気温の低下ですっかり凍ってしまってまるで樋の形をしたアイスキャンデーの様に全体がつながっていてこれを端から順番にはぎ取っていかなくてはならず、しかも屋根の上から樋の端っこに手を突っ込む格好になるので落ちないようにしっかり身体も支えていなければならずこっちも気を使ってモウ大変です。

 作業がすっかり終わる頃にはすっかり体中、汗びっしょりという有様です。しかし、森の中に建っているいる家だからこれは仕方のないことで一年に1回だからまあ我慢してやるしかないのです。

 森の中の道の行き止まりに我が家を建ててから丁度20年になります。その間、この家で3人の子供達と猫3匹犬1匹が暮らしを共にし、人間の子供達はそれぞれこの家から旅たって行き3匹の猫と1匹の犬はその生涯を終えて今はこの家の敷地で眠っています。

 先日、ある雑誌社からこの家を取材させて欲しいとの申し出があり、今までこういう類の申し出は受けない事にしていたのですが20年になるこの家の区切りとして受ける事にしました。

 過去に一度だけ町役場の紹介だという事である人気バンドの全国ツアーのチケットの背景に使いたいからと申し出があり、どうしようかと思いましたが「どうして他にもっと立派で写真映えがするログハウスがあるのにうちなんですか?」と聞いたら「怒らないですか?」と言われ「はい?」と言うと「実は古い荒れ果てたアメリカ西部のログハウスのイメージなんです」「そのイメージにうちのログハウスがピッタリだと・・・・」「はい・・・」これには絶句しましたが余りに正直言われてしまったので引き受けるしか有りませんでした。

 このときは子供達は人気バンドのアーチストに会えたのでとても喜んでいましたが何となくイマイチ私は複雑な心境でした(笑)

 私がこの森の中に土地を求めた時は、廻りはうす暗い森が続いていて夜になると真っ暗だったのですが、そのうちに家の近くの森の中に大きな別荘地が開発され今では数十軒の家が建ち、永住者も何軒がいるようになりました。これも時代の流れなんだと思っています。

 それでも家の東側はいまだに未開発の森が広がっており毎朝、窓から見える森は四季の変化を美しく見せてくれて特に年末のこの時期は日々、夜明けの太陽が森の中から登ってくるのですが、朝食を食べながらその登ってくる太陽を眺めていると毎日、少しづつ南側にずれて行きます。

 そして、間もなくその南側にずれていく太陽もその位置が動かなくなり今度は徐々に北側に戻って行きます。考えてみれば当たり前の事ですが実際に毎日その変化を見ていると何だか何事にも代え難いような感動に接しているような気がします。

 我が家の洗面所の窓から見える景色には人工物は一切有りません。見渡す限りの森が広がっています。その森は一年の四季の変化に伴って色を変え、形を変えていきます。それは毎日見ている景色でも決して飽きる事がありません。

 これだけは本当に、この森に住んで良かったと思っています。都会では決して見る事が出来ない景色です。

 森の中に住んでいると枯葉掃除だとか薪の準備とか色々と不便な事もあります。新聞が家まで配達されないとかインターネット配線がちっとも近代化しないだとかTVが映らないだとかそりゃ色々と不便です。

 しかし、それらを差し引いたとしてもやはり私は森の中の生活に満足しています。これから先、何年ここに住んでいられるか分かりませんが許される限りいつまでもここに住んでいたいと思っています。八ヶ岳南麓の森の中が私にとっての生活の舞台なのですから。

コメント

大きな森の大きな?ログハウス!

いいですね!!

来春、「78上映会」をします。
詳しくはまだ内緒。

アンテナを張ってキャッチして下さい。

tairakuさん、こんにちは。
いえいえ、決して大きなログハウスではなく。アメリカ西部の古ぼけたログハウス(笑)ですから。
上映会楽しみにしています。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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