ねこの気持ち
最近、めっきり寒くなって俺たち猫にとっちゃ厳しい季節が来たもんだ。俺たちが(おっと俺と姉さん猫の2匹だけどさ)この山奥のログハウスの家に連れてこられたのが2月だからもうすぐ9カ月か・・・早いもんだぜ。
すっかり、この家の飼い猫になっちまって何不自由ない生活おくってるけど、この寒さだけは勘弁してほしいもんだぜ。何せ飼い主のやつらが出掛けると寒くてたまんねえ。せっかくウッドストーブがついてて暖かくてウトウトしてたのに何も消す事ないじゃねえか。寒いったらありゃしない。あ~早く帰ってこないかな~せめて炬燵だけでも付けといてくれりゃ暖かいのにケチだから全部切っていきやがる。
以前、マッサージチェアの上で遊んでたらうっかりスイッチを足で踏んで動かしてしまったらそれ以来、飼い主のやつ全部の電源、切っていくようになっちまって全くケチくさいったらありゃしない。おかげで日中は天窓から入ってくるお日様の明かりを追っかけて移動しながら寝るしかなくなっちまった。
でもこのお日様、うっかり長く昼寝してると気が付いたらすっかりあっちのほうへ移動しちまって寝場所は陰になってて寒くて気がつくなんて事がしょっちゅうで不便でたまんねえ。
それに最近は俺らの周りでやたらとピョンピョンと飛び回るちっちゃなバッタみたいなやつがウロウロしていてこの前、片っぱしから捕まえて食っちまったら何だかお腹痛くなっちまって困ったっけ。そういえばこの前、飼い主のメスの方が俺たちが食い残したバッタの足が部屋中に散乱しているのを見てきゃ~きゃ~騒いでいたっけ。あれ、結局飼い主のオスの方が始末してたっけ。こちとら感謝されても怒られる筋合いはないもんな。食ってやったんだから・・・
それから最近、夜になるとやたら床下でガリガリ音がするんだけどありゃ、ネズミだな。一度、出てきたところを押さえつけて首根っこ噛みついて殺してから朝、飼い主に見えるようにほっぽり出しておいたら「ヒエ~~」何て騒いでたな。でもあの時はオイラ頭撫でられて「エライエライ、良く捕まえたね」って誉められたもんな。どうやらネズミを捕まえると喜ばれるみたいだな。
しかし、この前あんまり寒いから風呂の蓋の上で横になってたら隙間から下に落っこちちゃって驚いたのなんの、あの風呂の中っちゅうのはとんでもないとこだね。何だか生ぬるい水が溜まってて幸いそんなに深くなかったから死なずに済んだけどもう少しで溺れるとこだったぜ。
といっても自力で逃げる事が出来ずにオイラがあんまり騒ぐんでメスの飼い主が気がついて溺れそうになってるオイラを風呂の中から救い出してくれてビショビショになった俺を優しく拭いてくれたから助かった様なもんだけどね。
この前もあんまり寒いからオスの飼い主の腹の上でまったりと丸まっていたらいきなりオイラを下ろそうとするもんだから思いっきり手を引っ掻いてやったら怒られた怒られた・・・こっぴどく怒られたな~。
だって眠い時に動かされるとつい引っ掻いちゃうんだよね何せ俺たち猫だからね。でも飼い主のやつらは何だか「躾だから、怒らなくてはだめ」なんて分かった様な事言っちゃってさ。俺たちの頭の大きさ考えりゃ分かるだろうに、そんな難しい事言ったって理解出来る訳ないでしょ。
それより俺たちの気持ちを理解して欲しいんだよな~眠い時には動かさない。引っ掻かれたくなかったらね。
俺たち遊びの天才だからどんなとこでも登っていっちゃうけど何だか俺たちの飼い主は外で遊べるようにでっかいネットを張った物干し場を作ってくれたのは良かったんだけど、ところがどっこい俺たちを甘く見てまさかこんな上にはいけないだろうってんで天井の一部をネット張らなかったんだけどちゃっかり姉さん猫はそのネットに張り付いて上まで登ってしっかり脱走しちゃったんだよね。
すぐ捕まっちゃたけどさ・・・「どっから出たんだろ?」何て不思議がってわざともう一回姉さん猫をネットの中に放して陰から脱走ルートを確認してから結局、そのルートも塞がれちゃったけどさ、その時はオスの飼い主は盛んに感心してたよな。「よくこんな所から脱走できたな~信じられない」何ていってたけど俺たち猫を舐めちゃいけないってんだよ。
エッ?俺?俺はホラッちょっと体型に問題があってそこまで行けねえんだよ。しょうがないだろ美味しいもの食ってゴロゴロしてりゃ人間だってそうなるでしょ。猫だって同じなの。アッ!メスの飼い主が帰って来た。わ~いオヤツが食べれるぞ~。ごろにゃ~ん。
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