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2007/11/11

赤松亡国論

 知り合いの林業家と一緒に近くの里山の様子を見に行った。先月見た時にはそれ程でもなかったのですが今回みると赤松がほぼ全滅状態でした。松食い虫の被害です。山中の赤松の枝が赤くなってきていました。恐れていた通りの状況になってしまいました。前回見たときには山の一番端の赤松が枯れていたのでこれは多分全滅するだろうなと思っていたのですが改めて現実を目にするとちょっと恐ろしくなってきます。

 地球温暖化の影響はじわじわとここ八ヶ岳南麓にも確実に迫って来ています。既に標高の低い武川町にある国の天然記念物「舞鶴の松」は枯死してしまいました。

 赤松はここ北杜市の市の木に指定された木です。私は北杜市がなぜ赤松を選定したのか不思議でした。恐らく早晩こういう状況になるのは目に見えていました。それなのに何故、市の木に指定するのか不思議でたまりませんでした。

 近代日本林業の礎を築き「日本の森林を育てた人」として有名な本多静六氏は彼を紹介する言葉として有名な「赤松亡国論」と言うのを唱えている。詳しい内容は省略するが林業の世界では赤松の占有面積が広い土地は(つまり典型的な日本の山の状況)荒廃しやすく松の病虫害の被害を受けると赤松林は枯死し土地はますます荒れて雨が降れば土砂が流出し天気が続けば旱魃の被害をうけるという痩せた土地になりいずれ農工業に多大な影響を及ぼすというのが彼の理論でありこれは林業の世界では歴史的にみてもごく自然な林相の移り変わりなのです。

 別に赤松が悪いという話ではなくてこれが自然の営みなのです。つまり赤松林を豊かな土地に変えるには早い時期に赤松林を別の林相に変えていく必要があるのです。北杜市の木の赤松にはこうした自然の厳しい掟があるのです。赤松を市の木に決めた人はこういう事も知っていたのかな?

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