ものつくりは楽しい
ものつくりに携わっているとその楽しさにワクワクする時があります。
家づくりでも同じで、初めて注文者の方にお会いして話をする時は不安と希望でドキドキです。長い事この仕事に携わっていますがそのドキドキは今でも同じです。
良く私は初めて彼女に出会った時のワクワク感に似ていると他人には言っています。この人はどんな性格でどんな事を望んでどんな家を建てたいと思っているのか等、これからもしかして、この人の家を建てる事になるかも知れないと思ってドキドキワクワクです。
私の場合、注文者の方と初めて出会って様々な要望を聞きだして、それを形にし予算を調整し、そしてやっと手続きや工事契約を交わし着工し徐々に完成に近づいていき無事お引渡しが終わるまで結構、時間がかかります。
先月、お引き渡しした建物は注文者の方にお会いしてから完成まで1年3か月掛りました。もう少し要領よく効率的に出来ないものかといつも自問しているのですが中々、これが効率良く出来ません(笑)。
最近では「ものつくりには近道無し」なんて開き直って思う事にしています。でも本当に最近そう思うようになりました。
仕事柄、実は時々、住宅展示場やマンションの完成披露なんかのイベントにこっそり出掛けていく事があります。最近の新築住宅やマンションの仕様はホントに良く出来ています。
住宅産業もすっかり工業製品化されて扉や壁や床の仕様が統一されて大量に効率よく生産される様になっています。だから良く出来ているのですがどうも私の感覚だと上手く言えないけどしっくりこない。
その原因はその空間に漂う匂いだとか建具や壁や床の手触り感がどうもしっくりこない・・・匂いは普段、自分たちが身に着けている自然の木の匂いがしない事に違和感を感じます。何だか有機質な匂いがどうも嫌だったりするのです。
手触りの方は例えば実際に手に触れる扉の感触だったりします。何が違う?一言でいうと扉が軽い・・・まるで段ボールの様に軽い。手にしっくりこない。そりゃ無垢の木の扉って訳にはいかないから違うのは当たり前なんだけど、それがどうも感覚的に落ち着かない。
その点、やっぱり手作りの無垢の木の建具だったり床だったり壁だったりすると何となくどっしりと安心出来るのです。その代り手間もかかるしそりゃ少しお金も掛る。でも健康には代えられない。だからものつくりはやめられないし楽しい。でも時間がかかる(笑)。
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