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2016年3月

2016/03/27

ものつくりは楽しい

 ものつくりに携わっているとその楽しさにワクワクする時があります。

家づくりでも同じで、初めて注文者の方にお会いして話をする時は不安と希望でドキドキです。長い事この仕事に携わっていますがそのドキドキは今でも同じです。

 良く私は初めて彼女に出会った時のワクワク感に似ていると他人には言っています。この人はどんな性格でどんな事を望んでどんな家を建てたいと思っているのか等、これからもしかして、この人の家を建てる事になるかも知れないと思ってドキドキワクワクです。

 私の場合、注文者の方と初めて出会って様々な要望を聞きだして、それを形にし予算を調整し、そしてやっと手続きや工事契約を交わし着工し徐々に完成に近づいていき無事お引渡しが終わるまで結構、時間がかかります。

 先月、お引き渡しした建物は注文者の方にお会いしてから完成まで1年3か月掛りました。もう少し要領よく効率的に出来ないものかといつも自問しているのですが中々、これが効率良く出来ません(笑)。

 最近では「ものつくりには近道無し」なんて開き直って思う事にしています。でも本当に最近そう思うようになりました。

 仕事柄、実は時々、住宅展示場やマンションの完成披露なんかのイベントにこっそり出掛けていく事があります。最近の新築住宅やマンションの仕様はホントに良く出来ています。

 住宅産業もすっかり工業製品化されて扉や壁や床の仕様が統一されて大量に効率よく生産される様になっています。だから良く出来ているのですがどうも私の感覚だと上手く言えないけどしっくりこない。

 その原因はその空間に漂う匂いだとか建具や壁や床の手触り感がどうもしっくりこない・・・匂いは普段、自分たちが身に着けている自然の木の匂いがしない事に違和感を感じます。何だか有機質な匂いがどうも嫌だったりするのです。

 手触りの方は例えば実際に手に触れる扉の感触だったりします。何が違う?一言でいうと扉が軽い・・・まるで段ボールの様に軽い。手にしっくりこない。そりゃ無垢の木の扉って訳にはいかないから違うのは当たり前なんだけど、それがどうも感覚的に落ち着かない。

 その点、やっぱり手作りの無垢の木の建具だったり床だったり壁だったりすると何となくどっしりと安心出来るのです。その代り手間もかかるしそりゃ少しお金も掛る。でも健康には代えられない。だからものつくりはやめられないし楽しい。でも時間がかかる(笑)。

2016/03/12

5年目の3・11

 5年前の3月11日、東日本大地震が発生した日、八ヶ岳は3月とは思えない程寒い日でした。地震により山梨県にも大きな揺れが襲い大規模な停電が発生しました。停電は丸一日続き、寒さにより配管や設備機器が凍結し多くの被害が発生しました。

 あれから5年、東北では今でも多くの方が避難生活を強いられ地震の影響は続いています。中でも福島第一原発の事故による深刻な影響はこの後も長く続くことが予想され、5年前に起きたこの大地震がもたらした心の傷は人々の心から消える事は無いと思います。

 地震大国である日本に住んでいる以上、地震災害は避けられない自然現象ですが同じく21年前の平成7年1月17日に発生し同じく大きな被害を出した阪神・淡路大震災と比較してもその規模、被害の大きさには深刻なものがあります。

 特筆すべきはやはり福島第一原発の事故だと思います。世界でも例を見ない甚大な被害の全容は5年経った今でも分からない事が多いのですがそのことが事の重大さを物語っているように感じます。

 私自身はやはりこの地震大国日本では原発を再稼働すべきではないと思っています。今後、近い将来、発生が予想される東海・東南海・南海の巨大地震でもし同じ様な原発事故が発生したら日本は壊滅状態になるかも知れません。

 自然災害は避ける事は出来ませんが原発が引き起こす被害は明らかに人災です。しかもこの人災は壊滅的な被害をもたらし何よりも目に見えない被害が長期間に渡り続き、自然に与える影響は計り知れないものがあります。

 3・11から私達が学ぶべきものは自然に対する畏怖の念を忘れないという事です。どんなに科学が発達しても人間の能力は大自然の掟の前では無力です。その事を3・11は教えてくれました。

 私達は自然のもつ優しさと厳しさの前で謙虚でなければなりません。日本は廻りを海に囲まれた美しい国です。この島国で再び原発事故を起こさない為に我々はすべきことを考えなくてはなりません。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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