スマートコミュニテー展2014
毎年、東京ビックサイトで開かれる「スマートコミュニテイー展」というイベントに参加させて頂いてます。
今年も木に関係する仕事をしている仲間たちと一緒に展示を行い多くの人達に訪れて頂いて話をさせて頂きました。
隣には東日本大震災の被災者住宅として実際に建てられた仮設の木造建築が展示され多くの方の目を引き付けていました。この建物は釘や金物を一切使用しない込栓工法と呼ばれる工法で作られており、大工さんでなくても被災者の方達自身の手で建てられる様に工夫されており実際に福島県で食堂施設として大切なコミュニテイを形成する建物として利用されています。
3日間に渡るイベントで多くの方に訪れて頂きましたがその中に印象的なお客様がおられました。上品な顔立ちのお年寄りで私のブースにふらりて立ち寄って頂いて展示を熱心に見て頂いていたので「ご説明しましょうか?」と話しかけたらちょっと困った顔をされたのですが「結構です」との返事もなかったのでいい気になって展示してある写真や木が戦前の伝統的な伐採方法である「冬の月が欠けていく頃に伐採」し山で葉を付けたまま乾燥させる「葉枯らし乾燥」という方法が用いられている事、さらにこの伐採方法は宮大工の間で受け継がれてきた事等を知ったかぶりして説明し、その丸太を見ながら拙い知識を駆使して(笑)説明しましたが、そのご老人は何も言わずに話しを聞いて下さいました。
「何か変だな?反応が余りないし、かといって興味が無い風でもないしな?」と思っていた所に知り合いの女性建築士の方が「あらっ?先生、こんなところにいらしたんですか?」とそのご老人の奥様と思われる老婦人を連れて来ました。
私が「お知り合い?」と聞くと「ええ、この先生は建築家技術者集団を束ねる有名な先生で建築研究所の所長さん」と紹介され「え~!早く言って下さいよ。偉い先生の前で偉そうなウンチクを散々説明して、恥をかいちゃった。さっきの話は忘れて下さい」というと「いえいえ、大変参考になりましたよ」と今度は満面の笑みを浮かべて笑って下さいました。その途端、私は冷や汗が全身から吹き出しました。
でも、その方はちっとも偉そうでなくてその後も色々と楽しい話をして下さって「ああ、本当に優れた技術者というのはこういう人をいうのだろうな」と本当に関心してしまいました。3日間多くの方達との一期一会の出会いがあり本当に有意義な時間を過ごす事が出来て感謝でした。
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