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2009/03/14

お葬式

 ここの所、何故かやたら葬式づいている。冬、寒い所に住んでいるので結構、地元ではこの時期になると葬式が多くなる。しかし、今回はそれとは関係なくスタッフの親御さんが亡くなられたり八ケ岳でお世話になった元外務大臣の柿沢弘治さん、そして自分の親戚と何だか気分としては毎週、葬式に参加している感じである。余りに葬式ばかり出てるので喪服をクリーニングするチャンスが無く先日、思い切って今だ!と隙を狙ってクリーニングに出した程だ。その時はどうぞクリーニング中に葬式が出ませんようにと思わず願ってしまいました。

 

 そんな時フト、自分にとって初めて葬式というものを意識したのは何時だったかな?と思い返してみると自分の父方の祖父の時でした。まだ小学生の頃だったと思うけど初めて自分の周りで普通に接していた人間が死んだ。そして初めて死体というものを見た。爺ちゃんの棺桶を覗き込んだ時の衝撃は今でも覚えている。その時初めて人の死というものを意識した。

 

 あれから一体いくつの死体を見てきたのだろう?自分が青春時代を送っていた時期は全く人の死というものを意識した事は無かった。そんなものは自分と関係ないと思っていた。しかし、段々年月を経て数年前に健康診断で始めて要精密検査を言い渡され「もしかしたら癌の恐れもありますよ」と脅かされ(結局、検査の結果無罪とはなったのですが)自分の死というものを意識させられ、冗談じゃない今度は自分の番かよと初めて覚悟を決めた時もありました。

 

 先日、アカデミー賞で外国映画賞のオスカーを獲得した「おくりびと」も公開されてすぐ見ました。ちょうど知り合いのプロデユ―サーが手掛けた映画だったこともあり女房と二人で見て、これはきっとヒットするなと直感しましたがまさかオスカーまで取るとは思いませんでした。それだけ外国の人達には「死」というものに対する日本人独特の美的感覚が新鮮に思えたのだろうなと感じました。

 

 話がそれましたがそれ程、死というものに対する捉え方は民族で違っているという事だと思います。外国では河原で普通に荼毘にふされたり鳥葬といって高い山の上に葬られて鳥の血肉になる事を求められたりと様々な形式があると聞いています。そんな中で日本はまるで生きていた時の様に着飾りお化粧を施し身を清めて葬られます。

 

 映画の中では「納棺師」と呼ばれる特殊技能を持った人がその儀式を執り行いますが一般的な場合ではほとんどの人が残念ながら病院で亡くなるのでその場合はその患者さんを担当した看護士さんが身を清めて下さるのが一般的なようです。勿論、家族の方達がおられたらお手伝いをするのですが身内を亡くしたばかりの遺族にとっては感情的に辛いものがあり看護士さんが主体的にして下さるケースが一般的だと思います。

 

 私も自分の父を亡くした時に父が最後を迎えた場所を母と二人で掃除に行き、片付けたのですがまだ、父の温もりが残っているようでここで父がその生涯を終えたと思うととても辛かったのを覚えています。こんな平和な時代でさえこんなに辛いのだから戦時中なぞはどんな思いだったのでしょうね。

 

 先日、TVで東京大空襲の時に埋葬する場所がなくて仕方なく集団埋葬された当時の場所を尋ねてい歩いているカメラマンを取材した番組を見ましたがきっと死体を捜す遺族の悲しさは大変なものだったと思います。

 

 自分の死後の世界はどうなるのか分かりませんが一度覗いてみたいなとは思いますがそうすると一度死んで戻ってこなくてはならないので、それはもし手違いで戻って来れなかったら困るのでちょっとそれは困るな~と思って諦めています。一発勝負しかないかと・・・皆同じか。

 

 自分の葬式を前もって執り行う「生前葬」というやり方もアリだけどそれはやはりリアリテイーが無いものな~。こいつ悲しそうな顔してるけど実際の時はこね~じゃないんか?何て思ってみたり反対に平気そうな顔してるけど本当になると実は一番悲しんでくれたりして・・・何て想像するのも楽しいかも知れないけどそれはきっと良くない事なんだろうな。

 

 マア、「佐賀のがばいばあちゃん」じゃないけど人生、生きてるだけで丸儲けと思って頑張るか!

コメント

生前はお世話になりました、施主の一人、夫の葬式のことをちょっとお話したくなりました。遺書に葬式は無用とあって、親しい人ばかり数人が集り、彼の大好きだった歌を歌って送りました、「荒城の月」「早春賦」そしていよいよ納棺のときは「赤とんぼ」を歌いました。49日は息子の自宅で家族だけでコーヒーとケーキで静かに故人を忍びました。でも、「おくりびと」はよかった!!ここでは関係ないですが、ついでながらドキュメンタリー「(柳家)小三治」も最高でした!!

寺岡さん、ご無沙汰です。
私の知人は遺書で病院への献体を希望しているそうです。ひとそれぞれですが共通なのは尊厳を持った死を望むという事ですね。

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八ヶ岳でのログハウス生活 ---木の家設計施工 森のすまい工房(有限会社アシスト

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